メディア情報

[’20/6/1] パドクター

毎月、街の情報誌 「ぱど」 に健康情報
ワクワク楽しい予防歯科ってなあに?
連載しています。

 

 

 

当院の副院長の入江先生森山知子先生執筆して頂いております。

今回は、森山知子先生です。

 

ワクワク楽しい予防歯科ってなあに vol.179

こんにちは。
ヨリタ歯科クリニックの森山知子です。

今回は「二次カリエス」のお話です。

皆さんは、むし歯の治療で歯に詰め物をしたにもかかわらず、
しばらくしてから、同じ部位が再びむし歯になってしまった経験は
ありませんか?

このようなむし歯を、「二次カリエス」と呼びます。

カリエスとは、歯科用語でむし歯のことを指します。

治療が終わったから大丈夫だと油断してケアを怠ったり、治療した歯は
もうむし歯にならないといった誤った考えのもと、検診に行かずに
過ごしていると、二次カリエスができて、再治療ということがあり得ます。

なぜ治療を終えた歯が、二次カリエスになってしまうのでしょうか?

ひとつは、プラークコントロールの不足が考えられます。

プラーク(歯垢)が歯に付着することにより、詰め物と歯の隙間から細菌が
侵入し、むし歯になります。

また、詰め物の経年劣化や変形によりできた隙間が、むし歯の原因に
なることもあります。

食事の際、歯には体重と同じくらいの力が加わります。

無意識に行われる歯ぎしりにおいては、この比ではありません。
当然、歯の詰め物にも同様の強い力が加わり、時間の経過とともに変形や
破折をきたし、結果的に詰め物と歯の間に隙間ができてしまいます。

経年劣化でいえば、詰め物そのものだけではなく、歯と詰め物を
接着していたセメントにも起こります。

劣化したセメントが剥がれ落ちた所もまた、隙間になるのです。

二次カリエスを予防するためには、いくつか方法がありますので
ぜひ実践して頂きたいと思います。

基本的なことでは、詰め物がある歯は特に丁寧にブラッシングをしましょう。

歯と歯の間を詰め物で補っている場合は、デンタルフロスの使用も必須です。

ブラッシングの際に使用する歯磨き粉は、高濃度フッ素配合のものが理想です。

フッ素は、むし歯のごく初期に起こる脱灰を防ぎ、歯を再石灰化(元の健康な
状態に戻すこと)する力を持っています。
そのため、二次カリエスの予防につながります。

また、メリハリのある食生活へ改善することも大切です。
食べ物を摂取してから、次の食べ物を食べるまでの時間が短い方や、アメなどを
頻繁に口にしている方は、お口の中が酸性に傾いた状態が続き、むし歯が発生
しやすくなりますので注意が必要となります。

ダラダラと食べずにメリハリのある食生活を送ることが、むし歯予防の第一歩
となります。

アメなどを、キシリトール配合のガムやタブレットに置き換えることもよいでしょう。

キシリトールには、むし歯菌の活動を低下させる働きがありますので、むし歯予防
につながります。

二次カリエスは、詰め物と歯の隙間からできるむし歯なので、本来であれば隙間が
起こりにくい状態にしておくことが理想です。

そのためには劣化・変形しにくい材料を使用しなければなりませんが、保険で適用
される治療では限界があることも事実です。

強度が強く、プラークがつきにくく、なおかつ圧倒的に隙間ができにくい詰め物は、
保険が適用されていないセラミックです。

歯にとっては、理想の治療選択といえるでしょう。

とはいえ、二次カリエスの予防には、なんといっても歯科医院での定期検診が重要です。

二次カリエスは見つけにくい所に発生するため、自分で確認することは困難ですし、
早期発見できれば、問題が重症化する前に対策をとることができます。

予防に勝る治療はないでしょう。

せっかく治療した歯を長持ちさせるために、定期検診とメインテナンス・丁寧な
ブラッシングによる二次カリエスの予防が、何よりも重要なのです。

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