メディア情報

[’18/4/27] パドクター

毎月、街の情報誌 「ぱど」 に健康情報
ワクワク楽しい予防歯科ってなあに?
連載しています。

 

  

 

2017年の10月から当院の副院長 入江先生と、小児歯科担当医の森山先生
交代で、連載していくことになりました。

皆さん、よろしくお願いいたします。

今回も、森山先生です。

タイトルは、「歯の予防」 です。

 

ワクワク楽しい予防歯科ってなあに vol.153

こんにちは。ヨリタ歯科クリニックの森山知子です。

 前回は、お子さんのむし歯予防について、詳しくお伝えしました。
今回は、おとなのむし歯予防と題して、お子さんの予防法とは違った観点からお話し致します。
ぜひ参考になさって下さい。

 おとなのむし歯でよくあるのが、一度治療をしたことのある歯が、またむし歯になる、
というパターンです。実は、多くのむし歯は、新たにできているむし歯ではなく、治療した金属の
詰め物などの隙間からできる、二次カリエス(治療後のむし歯)と呼ばれるものなのです。
こうした二次カリエスを防ぐためには、どうすればいいのでしょうか?

 まずは、歯と、治療した部分の間をしっかりと磨くことが基本です。
歯と、治療をした材料の間には、ごくわずかではありますが、段差があります。
材料や治療法によって、この精度は異なりますが、この段差に歯垢が溜まり、二次カリエスを
引き起こします。むし歯治療をした歯は、特に丁寧に磨く必要があります。
むし歯の治療をした部分は、もともとむし歯になりやすい場所であるはずです。
むし歯治療を行っても、むし歯になりやすい環境のままでいれば、同じようなむし歯になります。
特に治療後の歯には段差があるため、正しいブラッシング(歯みがき)が非常に重要です。

 初期のむし歯であれば、削らずに予防を行うことも大切です。
歯には、再石灰化と呼ばれる、再生力のようなものがあり、ごく初期のむし歯であれば、
再石灰化を期待できます。しかし、むし歯治療をすると、口の中に人工物を入れた瞬間から
劣化が始まり、二次カリエスの原因となります。もちろん、再石灰化できないレベルまで
むし歯が進行していれば、治療をする必要はありますが、むし歯だからといって、安易に
削ってしまうと、後々二次カリエスになります。

 歯科医院で、定期的なメンテナンスを行うことも大切です。
痛みなどの症状が出るまで放置しているむし歯は、かなり進行しているむし歯です。
進行してしまったむし歯は、歯を大きく削り、人工物で治療する必要が出てきます。
そのため、むし歯ができていないかをチェックするためにも、定期的に歯科医院でメンテナンスを
行い、できるだけ口の中に人工物を入れないようにしましょう。

 治療が必要となった場合でも、セラミックなどの歯垢がつきにくい材料を使うことができれば
さらに良いでしょう。保険治療で使われる銀歯やプラスチックは、歯垢がつきやすく、
二次カリエスになりやすい材料であることは否めません。
銀歯やプラスチックは劣化しやすいため、劣化が起こりにくい材料を使う必要があり、その点では、
セラミックが最適な材料です。

 歯周病を改善してから治療を行なうことも、非常に重要です。歯ぐきが腫れていたり、歯石が
ついた状態では、むし歯治療の際に出血や汚れを巻き込んでしまい、治療の精度が格段に下がって
しまいます。出血のない、きれいな歯ぐきの状態で治療を行なえば、それだけで精度が上がります。

 むし歯治療のやり直しサイクルである二次カリエスは、これらの点に注意すれば、避けることが
できるむし歯なのです。

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