メディア情報

[’18/9/14] パドクター

毎月、街の情報誌 「ぱど」 に健康情報
ワクワク楽しい予防歯科ってなあに?
連載しています。

 

 

2017年の10月から当院の副院長 入江先生と、小児歯科担当医の森山先生
交代で、連載していくことになりました。

皆さん、よろしくお願いいたします。

今回は、森山先生です。

タイトルは、「こどものお口や歯の悩み」 です。

 

ワクワク楽しい予防歯科ってなあに vol.158

こんにちは。
ヨリタ歯科クリニックの、森山知子です。

今月から数回にわたって、お子さんの歯やお口の悩みとして、私達がよくご相談を
受ける内容について、お話ししたいと思います。

年齢別にお伝えしますので、ぜひご参考になさってください。

まず、乳児期のお子さんに多い悩みが、歯みがきのやり方や離乳食の食べさせ方、
夜間の授乳、卒乳の時期、フッ素塗布の必要性などでしょう。

乳歯が生え始めたら、歯みがきの習慣づけを始めましょう。
清潔な指で、口の中を触ることから慣れさせると、歯ブラシが口に入ることへの
抵抗も軽減します。

初めのうちは、歯ブラシでみがこうとしなくても、ガーゼや綿棒などで清拭して
あげてもかまいません。

慣れてきたら、乳児用の歯ブラシで、ちょんちょんと歯に触れる練習から開始します。
歯ブラシの刺激に慣れたら、優しくみがいていきます。

上手にできたら、ほめてあげましょう。

上の前歯は、唾液による自浄作用が少ないので、歯みがきが上手にできなければ、
ガーゼで拭うなどしてあげると、よいでしょう。

お子さんが歯みがきを嫌がると、親にとっても、歯みがきの時間がつらく大変なもの
になってしまいます。乳児期は、これから毎日行う歯みがきを、少しでも楽しくする
ための練習期間と考え、歯ブラシに慣れていくことは非常に大切です。

離乳食については、食べさせ方によって、その後の口の成長にも大きく関わってきます。

離乳の初期段階では、捕食といって、唇で食べ物を取り込む練習をします。

早く食べてほしいからといって、スプーンを口の中まで入れてしまうと、ほとんど
丸のみになってしまいます。

スプーンは下唇のところで止めて、お子さんが自分からスプーンの食べ物を取り込む
ことが、唇を閉じる訓練にもなります。

実際、唇を閉じる力が弱く、無意識に口がポカンと開いてしまっているお子さんは
多いです。

離乳の初期から、スプーンでの正しい食べさせ方を知っておいてほしいと思います。

夜間の授乳や卒乳に関しては、育児書によっても様々な見解があり、迷うところだと
思います。母乳育児は、栄養学的な利点だけでなく、お子さんの精神的安定にも効果が
あることがわかっており、乳児期にはできるだけ続けたいものです。

ただ、一歳を過ぎると、砂糖をとり始めることで、むし歯の原因菌が歯の表面に付着
しやすくなり、そこに母乳を与えたまま眠って、母乳が口の中に長く残っていると、
むし歯のリスクが高まります。

母乳はむし歯にならない、というわけではないので、母乳を続けているうちは、
砂糖の摂取を控えて、歯みがきをしっかり行い、むし歯のリスクを下げましょう。

目安としては、一歳六ヶ月頃には、卒乳できるようにしたいものです。

これは、おっぱいに頼らず、食事をきちんととることで、咬む力を鍛えるためにも
必要なことです。

フッ素塗布については、歯が生えた時点で必要です。

実は、生えて間もない時期の歯は、まだ未成熟でむし歯になりやすいのです。

フッ素は、未成熟な歯を硬くする作用があります。
定期的に歯科へ通い、フッ素塗布をされることをおすすめします。

うがいができない年齢でも、フッ素塗布をすることは可能です。

ただし、フッ素はむし歯予防の万能薬ではありません。

塗ったからといって安心せず、歯みがきの習慣や、きちんとした食生活を
することが大切です。

 

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