みにくいアヒルの子
今回はお子さんの歯並びについてのお話です。
7~8歳になると上の前歯が生え変わってきます。
乳歯の時は歯並びが良かったのに、生え変わった上の2本の前歯に隙間があり、しかも2本ともねじれたように生えている、とご心配されているお母様がいらっしゃいました。
しかし、このような上の前歯の生え方は正常です。
確かに、一見歯並びが悪いように思えます。
私たち歯科医は、7~8歳のこのようなお口の状態を
「みにくいアヒルの子の時期(Ugly duckling stage)」と呼んでいます。
あごの大きさと歯の大きさのバランスが合っていれば、犬歯がしっかりと生える頃には、あいていた隙間もなくなり、前からは唇の力で、後ろからは舌の力で押されるので、ねじれも治ってきます。
ですからこの時期は、歯科の受診は必要ですが、矯正は必ずしも必要ではありません。
アンデルセン童話に出てくるアヒルの子は、やがて成長し、湖に映る自分の姿が美しい白鳥であることを
知ります。
お子様たちがきれいな歯並びになり、明るい未来へと歩んでくれることを願っています。
森山 知子