管理栄養士ブログ

食の問題と口腔機能発達不全症

食の問題と口腔機能発達不全症

【目次】
口腔機能発達不全症のおさらい
食の問題
噛むことの大切さ
おすすめの食べ物と食べ方
低栄養状態になることも…
最後に

 

こんにちは!
ヨリタ歯科クリニック管理栄養士チームです!

 

 

まだまだ、寒い日が続きますが、体調を崩さないよう
気をつけてお過ごしくださいね。

新型コロナウイルスの感染者も、著しく増えてきています。
感染対策をしっかりと行い、感染を防ぎましょう。

去年、12月のブログでは
「口腔機能発達不全症への対策とアプローチ」について
お話させて頂きました。

今月のブログでは、
「食の問題と口腔機能発達不全症」について、お話させて頂きます!

 

 

口腔機能発達不全症に、なってしまう原因として
「何を、どのように食べるか」が、ポイントになります。
ぜひ、参考になさってください。

 

口腔機能発達不全症のおさらい

 

口腔機能発達不全症はその名の通り、
“口腔機能”が“発達不全”の状態です。

つまり、お口の成長が上手くいっていない状態となるのです。

口腔機能とは、

食べる機能
話す機能
呼吸する機能

のことを指しますので、口腔機能発達不全症の状態では、
「食べる機能」が、低下してしまっています。

 

 

食の問題

 

口腔機能発達不全症に、かかっているお子様
口腔機能発達不全症の、予備軍のお子様には、
「食の問題」があることを、以前のブログでお話しました。

(下記の記事を参照)

子どものフレイルってなぁに? -口腔機能発達不全症について-

 

 

 

固いものを避けて、柔らかいものを食べたがる
食べるのに時間がかかる
噛む回数が少なく、すぐ飲み込む
食が細く、比較的食べる量が少ない

普段から、柔らかいものばかり食べる習慣がついてしまうと、
顎の発達が不十分になってしまい、
上記のように、「食べる機能」
低下する原因になる可能性が、あります。

「食べる機能」を、低下させないために
噛む回数を、増やすことに着目して
さらに詳しく、お話していきます。

 

 

噛むことの大切さ

例を挙げると、最近のお子さんでは、
おやつに、チョコやグミなどの、柔らかいものばかり
好んで食べているということが、多いようです。

 

また、これらのお菓子は、
砂糖が多く、エネルギーも高くなります。
知らないうちに、砂糖を摂りすぎてしまいます。

さらに、これらのお菓子は歯にくっつきやすいため、
虫歯のリスクも高くなってしまいます。

絶対に、食べてはいけないとは言いませんが、
こういったお菓子ばかり食べるということは
栄養顎の発達虫歯の影響を考えると
あまり、おすすめではありません。

 

 

おすすめの食べ物と食べ方

当然ながら、
「できるだけ噛む回数が増えるもの」が、おすすめです!

アーモンドフィッシュおにぎり焼き芋
野菜スティックチーズなどを
食べさせてあげるのが、良い方法と言えます。

 

 

また例えば、生のりんご
少し大きめに切って、出してあげるだけでも
噛む回数が増え顎の発達につながります。

普段の食事に関しても、同じことが言えます。
きのこ類などの、食物繊維が多い食材は、
弾力もあるため、自然と噛む回数増えます。

 

 

野菜なども、少し大きめに切ってあげることで、
しっかりと噛まないと飲み込めない状態になるので、
自然と噛む回数を増やすことができます。

 

また、煮物などで、人参や大根などの野菜を使うときは
加熱しすぎず、少し固さを残してあげるのも良い方法と言えます。

しっかりと噛まないと、飲み込めないような食材
あえて使うことで、自然と噛む回数を増やすことができます。

また、しっかりと噛むことで、満腹中枢が刺激され
必要以上に、食べることがなくなるため、
将来の肥満を、防ぐことにも繋がります。

食事は、ゆっくりと時間をかけて食べることが大切です。

大人たちが、しっかりと噛んで
ゆっくりと、食べる姿
を見せながら、
一緒に、食べてあげて下さい。

「毎日忙しくて、そんな余裕ないわ!」

という方も、いらっしゃると思います。
そういった方は、週に1回、1食でも構いません。

お子様が、家族とゆっくり食事する事で
「みんなで食べる食事が、楽しい!」
と実感することができたなら、
お子様にも、良い変化があると思います。

 

 

 

ぜひ、「スローイートの日」
家庭にとりいれてみて下さい。

 

 

低栄養状態になることも…

 

「食べる機能」の低下といった、
食の問題により、成長に必要な栄養を十分に摂取できないと、
低栄養にも陥りやすくなります。

最近では、低栄養により体重が増えず
高齢者のような、フレイルの状態
なってしまうお子さんも、増えてきています。

 

 

子どもの頃に、口腔機能が十分に発達していないと、
本来であれば発達しているところまで、到達することができません。

そのまま成人を迎え、高齢期を迎える頃には、
ますます口腔機能が低下し、食事が十分にできず
低栄養になる可能性もあります。

子どもの頃の口腔機能の発達が、
将来の健康にも、繋がっているのです。

何度もお伝えしていますが、
フレイルは、高齢者だけの問題ではなく、
子どもの時期からの、専門的な関与がとても大切なのです。

 

 

最後に

いかかでしたでしょうか。

「食の問題と口腔機能発達不全症」について
なんとなく、お分かりいただけたでしょうか。

子どもの頃に、口腔機能を獲得することは、
生涯の健康寿命にも、大いに関係します。

今から、しっかりと対策を行い
口腔機能を発達させることが、とても大切です。

しっかりと噛むことを意識し、噛む回数が増えるような
食生活を心掛けるようにして下さい。

「子どものお口の成長や癖で気になることがある…」

と思われた方は、ぜひ、当院スタッフに相談してみてください。

 

次回のブログでは、
ヨリタ歯科クリニックの、管理栄養士が考案した
季節の食材を使ったメニューを、掲載させて頂きます!

次回の更新も、楽しみにしていてくださいね!

 

参考文献:口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方(令和2年3月 日本歯科医学会) 
    :神山ゆみ子・今村幸恵・鈴木和子・今村智之,食育と虫歯予防の本,
     医歯薬出版株式会社,2019年7月20日,p69~73

 

<ヨリタ歯科クリニック 管理栄養士チーム>

関連記事

食の問題と口腔機能発達不全症

ヨリタレシピ「12月の特選食材 れんこん」

口腔機能発達不全症への対策とアプローチ

新着記事

[’24/4/26] 新人研修⑯ -ドリーム通信読み合わせ[1] -

ワンタフトブラシ

[24/4/25] 新人研修⑮ -振り返り[2]-

Concept