ヨリタレシピ「11月の特選食材 ほうれん草」
【目次】 |
こんにちは!
ヨリタ歯科クリニック管理栄養士チームです。
11月も残り僅かとなりました。
寒さも増してきて、冬らしい季節になってきていますね。
冬物の上着を着始めた方も、多いのではないでしょうか。
しっかりと寒さ対策を行い、風邪をひかないようにしたいものですね。
今年はインフルエンザだけではなく、コロナウイルスの流行にも
気を付けて過ごさないといけませんね。
手洗い・うがいはもちろんのことですが、しっかりと栄養を摂り、
十分な休息を取って、インフルエンザやコロナウイルスに負けないようにしましょう!
さて、今月は食欲の秋の、最後を飾る、
季節の旬の食材を使ったレシピを、ご提案させて頂きます!
今月の特選食材 ほうれん草
第3回目に選んだ食材は、「ほうれん草」です!
ほうれん草は、漢字で書くと「菠薐草」と書きます。
とっても難しい字に、なりますよね。
実はこの「菠薐」は、現在の国の「ペルシャ」を表す漢字なんです。
ほうれん草が、初めて栽培されたのがペルシャ地方であったと考えられており
シルクロードを通って、中国、日本に伝わったとされています。
1年中で回っていますが、旬は冬!
寒い環境で育つほうれん草は、甘みと旨味が増します。
今回は、ほうれん草を主役にした
簡単で、パパっと作ることが出来るレシピをご紹介したいと思います!
それでは、早速レシピをご覧ください!
レシピ:①ほうれん草、鶏ささみ、えのきのナムル風
★分量(約2人分) ・ほうれん草 1束 |
■作り方■
①ほうれん草をきれいに洗い、根元を切り落とした後、
4~5センチ程度に切り、鍋で茹でます。
②えのきの根元を切り落とし、水でよく洗ったら縦に半分に切り
鍋でゆでます。ここで使う量は、えのき1束の半分ぐらいが
いいかと思います。
③鶏ささみ肉を一口大に切り、鍋で茹でます。
④①〜③を冷ましたら、かつお節、ゴマ油、濃い口しょうゆ、みりんを
分量のとおりに加え、しっかりと混ぜ合わせます。
⑤お皿に盛り付け、お好みでいりゴマを盛り付けたら出来上がりです。
【 栄養価(一人分)】 エネルギー(kcal) 132 |
管理栄養士・坂口からひとことメモ
★ここがポイント
ほうれん草といえば、おひたしにするなど、和食に使うことが多かったので、
少しアレンジをしてナムル風に仕上げました。
各材料を鍋で茹でた後は、調味料を加えて混ぜるだけなので、とても簡単です!
お肉は、鶏ささみ肉を使用しているので、低カロリーで、
タンパク質をしっかりと摂れるレシピになっています。
★食レポ
ほうれん草を、ナムル風に仕上げたのですが、意外と相性が良く、
食べやすいと思いました。
鶏ささみ肉は、低カロリーですが食べ応えがある食材なので、
カロリーを気にする方にも食べやすいと思いました。
ほうれん草、鶏ささみ肉、えのきはしっかりと噛まないと
飲み込めない食材なので、自然と噛む回数が増え、満腹感を感じやすい
一品だと思いました。
レシピ:②ほうれん草のカップキッシュ
★分量(アルミホイル3個分) ほうれん草 1/4束 A 溶き卵 1個分 粉チーズ 適量 |
■作り方■
①ほうれん草は洗って水気が軽く残った状態でラップに包み、電子レンジ(600W)で
2分加熱し、水にさらして水気をしぼり、2~3cm長さに切る。
②玉ねぎは薄切りにし、ベーコンは2~3cm幅に切る。
③パプリカは、好きな形に切る。
④耐熱ボウルに②の玉ねぎを入れて、電子レンジで2~3分加熱。
また②のベーコン、コンソメを加え、さらに1~2分加熱し、Aを混ぜる。
⑤アルミカップに④を流し入れ、オーブントースターで軽く焼き、
①のほうれん草、③のパプリカを好きにのせる。
⑥粉チーズをふって焼き、焼き色がついたら、上にアルミホイルをかぶせて焼き
中まで火を通す。
【 栄養価(アルミホイル3つ分)】 エネルギー(kcal)280 |
管理栄養士・高野からひとことメモ
親子で簡単に作れるカップキッシュを紹介させていただきました!
お弁当にもおやつにもピッタリなので、是非作ってみてください!
★ここがポイント
食育を目的としたため、安心して調理していただけるよう
火を使わないようにしました。
またキッシュの上の飾りつけは好きなようにしていただいて
親子で楽しんで調理していただけたらと思います!
★食レポ
ベーコンや顆粒コンソメに塩分が入っているため、塩コショウは加えませんでした。
それでもしっかり味はついています!
また、アルミホイルに具材や液を入れる際は、アルミホイルの6割ぐらいだと
見た目も良くなると思います!
ほうれん草に含まれる栄養素とは??
ほうれん草は代表的な緑黄色野菜の一つであり、β⊸カロテン、ビタミンCなどの
ビタミン類や、鉄などの無機質が豊富に含まれています。
ビタミンCの含有量は、夏採り(20㎎)に比べて、冬採り(60㎎)の方が
3倍多いといわれており、季節による変動が大きいです。
ほうれん草には、シュウ酸や硝酸などが含まれており、これらは鉄やカルシウムの吸収を
阻害し、また、えぐ味やアクの原因となるので、茹でて流出させるのが良いとされています。
■β⊸カロテン
緑黄色野菜などに、多く含まれるカロテノイドという、物質の一種であり
体内でビタミンAに変えられ、利用されます。
ビタミンAは、皮膚や粘膜の形成保持や、粘膜上皮の乾燥を防ぐことで、
感染症を防ぐ役割があります。
また、ビタミンAは、目の網膜で明るさを感じるロドプシンという、
物質の生成にも欠かせないので、欠乏すると暗闇での視力が、著しく衰えてしまう
「夜盲症」という病気に、なってしまいます。
よって、ビタミンAは視力の維持などの目の健康にも、関わっています。
β⊸カロテンは「揚げる」「炒める」などの油脂を用いる調理によって、
吸収率が増大します。
■ビタミンC
皮膚や細胞のコラーゲン合成に、欠かせない栄養素です。
欠乏すると、コラーゲン合成ができないので血管がもろくなり、出血傾向となり、
壊血病(症状としては、疲労倦怠、イライラする、顔色が悪くなる、皮下や歯茎からの出血、
貧血、筋肉減少、呼吸困難、心臓障害など)に、なってしまいます。
また、ビタミンCは抗酸化作用があり、体内でビタミンEと協力して、活性酸素を除去して
細胞を保護する役割があります。
ビタミンCは、加熱により分解されやすくなるので、茹でる際は短時間の方が良いです。
■鉄
鉄の代表的な役割は、酸素を運ぶことや赤血球の生成です。
不足すると、貧血になります。
食品中の鉄は、肉や赤身の魚に含まれる「ヘム鉄」と卵や豆、緑黄色野菜に含まれる、
非ヘム鉄に分類され、ヘム鉄の方が、吸収がよいとされています。
しかし、ビタミンCの還元作用により、非ヘム鉄中の三価鉄を、より吸収されやすい
二価鉄に還元して、吸収を促進することができます。
よって、鉄はビタミンCを含む食品と一緒に食べることで吸収率を
アップさせることができます。
一方で、フィチン酸、タンニン(お茶)、シュウ酸、食物繊維は、非ヘム鉄の吸収を
阻害してしまいます。
★最後に
いかがでしたでしょうか。
ほうれん草に含まれる、栄養素について知って頂けましたか?
一度、お家でも作って頂けたら嬉しいです。
くれぐれも食べすぎには注意してくださいね!
次は「口腔機能発達不全症への対策とアプローチ」についてお話させて頂きます。
次回の更新も楽しみにしていてくださいね!
参考文献:石田 均・板倉弘重・志村二三夫・田中 清,
改訂臨床医科学入門,光生館,2016年p113~114
:東京アカデミー オープンセサミシリーズ管理栄養士下巻
七賢出版,2018年,p122、190、195
:伊藤貞嘉・佐々木敏,日本人の食事摂取基準,第一出版,2020年,p172、244、311
<ヨリタ歯科クリニック 管理栄養士チーム>