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[’21/2/26] パドクター

毎月、街の情報誌 「ぱど」 に健康情報
ワクワク楽しい予防歯科ってなあに?
連載しています。

 

 

 

 

当院の歯科医師、入江先生森山知子先生執筆して頂いております。

今回は、森山知子先生で、『キシリトールガム』についてです。
ご興味のある方は、ぜひお読みくださいね。

 

ワクワク楽しい予防歯科ってなあに vol.187

こんにちは。
ヨリタ歯科クリニックの森山知子です。

今回は、キシリトールガムの有効性についてお話します。

キシリトールガムといえば、何となく歯にいいというイメージを
お持ちの方が多いと思います。

実際に多くの研究で、歯に対する有効性が実証されています。
キシリトールというのは糖の仲間で、多くの果実や野菜にも含まれています。

私達がガムやタブレットなどのお菓子の形で口にするキシリトールは、
白樺や樫の木から抽出されて工業的に作られたものです。

しかし、自然界にあるキシリトールも工業的に作られたものも、成分として
両者に差はありません。

キシリトールガムの効果については、まずむし歯の原因にならないことが
最も大きいでしょう。

砂糖はお口の中に入るとミュータンス菌のエサとなり、排出物として
ミュータンス菌が出す酸によって歯が溶かされてむし歯になります。

ところがキシリトールは甘さのある糖でありながら、ミュータンス菌のエサ
にはなりません。

結果的に酸が作られないため、むし歯の原因にならないということです。

そのほかにも、キシリトールには優れた有効性があります。

それは、むし歯の進行を防ぐというものです。
キシリトールをガムやタブレットの形で摂ると、歯の再石灰化が促されて
歯質が強くなっていきます。

さらに、ミュータンス菌の活動を弱める働きがあることも明らかになっています。

キシリトールガムを約3ヶ月摂取し続けると、お口の中にいる菌の性質が
変化してきます。

具体的には、むし歯の原因になるはずのミュータンス菌でありながら、
歯を溶かす酸を作る力がほとんどなくなってしまうのです。

歯垢の量が少なくなり粘着性も低くなるため、歯ブラシで清掃しやすくなるのも
特徴です。

キシリトールにはいくつもの有効性があり、むし歯予防として優秀な成分で
あることには間違いありません。

お口の健康を保つ手段として、重要なことが4つあります。

それは、

①歯を磨く
②フッ素配合の歯磨剤を使う
③正しい食生活④定期的な歯科健診です。

キシリトールは、歯垢を剥がしやすくして歯磨きの効果を上げ、フッ素と相まって
歯質強化につながります。

キシリトールは、単にむし歯の原因にならない糖というだけではなく、お口の健康を
保つ一助になってくれるのです。

これらの効果を十分に発揮させるためには、高濃度キシリトール配合の
ガムかタブレットを1日3回、3ヶ月以上続ける必要があります。

むし歯になりやすい方には、特に効果的です。

また、赤ちゃんへのミュータンス菌の感染を予防するためには、できれば妊娠中から、
少なくとも赤ちゃんの歯が生える3ヶ月前から、キシリトールを摂っておくことが望まれます。

キシリトールを上手く利用して、お口の健康につなげたいですね。

 

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