メディア情報

[’20/10/23] パドクター

毎月、街の情報誌 「ぱど」 に健康情報
ワクワク楽しい予防歯科ってなあに?
連載しています。

 

 

 

当院の副院長の入江先生森山知子先生執筆して頂いております。

今回は、入江先生です。

 

ワクワク楽しい予防歯科ってなあに vol.183

皆さんこんにちは、ヨリタ歯科クリニックの入江です。

当院では訪問診療を行っており、私も7月から週に1回老人ホームに伺っています。

訪問歯科では、歯科医院に来院できない方に対して、私達が歯科治療器具を持って行き、
歯の治療や、口腔ケアを行います。

訪問診療は通常の外来の診療とは大きく異なっており、実際に治療やケアを通して、
色々と感じることがありましたので、その事についての記事です。

この記事を読まれている皆さんの多くは、普通に食事をして、自分で歯を磨いて、
何か口にトラブルがあれば、歯科医院を受診するという方がほとんどだと思います。

痛みがあった歯も数回の治療で、元通りに噛めるようになります。

しかし、訪問診療ではこういった当たり前のことが、実はとても難しいです。

訪問治療が必要な方は、基本的に介護が必要な方なので、自分で来院することは出来ません。

ご自身でのブラッシングが困難な方も、多くいらっしゃいます。

治療を受けることが出来ず、まともに口の中のケアも出来ないため、
口の中の状況は、どんどん悪くなってしまいます。

僕が初めて訪問にいった時に印象的だった方は、下を向いているおばあちゃんで、
前歯が数本抜けているのにも関わらず、入れ歯が入っていませんでした。

下を向いているのは骨格的な問題もあるかもしれませんが、前歯がない事が恥ずかしいのか、
こちらに笑顔を見せてくれることはありませんでした。

下を向いているので治療がとても難しかったのですが、スタッフと協力して
数回がかりで、なんとか前歯に入れ歯を作成しました。

その時におばあちゃんが少し前を向いて、こちらに「ありがとう。」と
微笑みかけてくれました。

今まで下向き気味だったご自身の首を、上向きにしてお礼を言っていただけました。

その笑顔はやっと歯が入って、笑える、食事が出来ると僕に伝えてくれているようでした。
翌週にお伺いした時も、入れ歯の調子も良いみたいで、とても喜んでおられました。

どんな時でも患者さんの笑顔と出会えたときは、本当に歯科医師になってよかったなと思います。

訪問診療の現場では、本当に困っている患者さんがまだまだ多くいらっしゃいます。
そういった患者さんの笑顔づくりのお手伝いが、これからも出来ればいいなと思いました。

美味しく食べること、笑顔でいられることは豊かな人生に直結します。
歯科医院に行くことが出来ない方で、訪問診療に興味がある方がいれば、
訪問歯科をしている歯科医院も多くあるので、一度問い合わせてみては
いかがでしょうか。

そして更に、過去のバックナンバーを、
ご覧になりたいあなたは、コチラ

 

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