メディア情報

[’17/12/8] パドクター

毎月、街の情報誌 「ぱど」 に健康情報
ワクワク楽しい予防歯科ってなあに?
連載しています。

 

    

 

先月号から、当院の副院長 入江先生と、小児歯科担当医の森山先生
交代で、連載していくことになりました。

皆さん、よろしくお願いいたします。

今回も引き続き、入江先生です。

タイトルは、歯の構造を知ろう です。

 

ワクワク楽しい予防歯科ってなあに vol.149

「歯の構造を知ろう」その③

こんにちは、ヨリタ歯科クリニックの入江です。

前回は歯の構造 ①エナメル質、②象牙質、③歯の神経のうち、
①エナメル質について、解説しました。

エナメル質は歯にとっての鎧で、とても大事です。
今回は②象牙質について、書きます。

エナメル質と象牙質、両方ともパッと見た感じは同じ歯です。
よくよく見ると、エナメル質は白く透明感があり、象牙質は字のごとく
アイボリー(象牙色)です。

色だけでなく構成されている成分、硬さも違います。
構成成分は、エナメル質はほとんどハイドロキシアパタイトです。
無機質なカルシウムの結晶のみなので、硬いわけです。

しかし、象牙質はそれに加えて、神経組織やコラーゲンなどを含みます。
なので、エナメル質に比べて、柔らかいのです。
象牙質には歯の神経が含まれていて、これが最も大きな違いです。
エナメル質には神経はありませんが、象牙質には神経が含まれます。

エナメル質は神経がないので、削っても痛くないと前回解説しました。
しかし、象牙質は歯の神経から枝が出ていて、痛みを感じます。

虫歯になって歯に穴が開いて、ここが見えると冷たいものや甘いものが
染み出します。また歯茎が下がった時も象牙質が見えてきて、風などが
しみるようになります。

この見えた象牙質が過敏に反応することを、知覚過敏と言います。

エナメル質で虫歯が止まっている時は、治療の必要はありませんが、象牙質まで
進むと、治療が必要です。
小さい虫歯であれば、レジンと呼ばれるプラスチックで治療を行います。
大きい時は型をとって、詰め物や被せ物の治療になります。

エナメル質のように痛みを感じなければ、虫歯になっても歯科治療になっても
楽なのに、ではどうして、象牙質は痛みを感じるのでしょうか。

この痛みの感覚というものは、人間にとって非常に重要です。

例えば熱いものに触れた時、痛みを感じます。
それは体がこれ以上熱いものを触ると、火傷をしてしまう、体にとっては非常に
危険なため、痛みを通して我々に知らしてくれます。

歯の痛みも、歯の危険を知らしてくれています。
虫歯で歯に穴が開いてしまって、どんどん溶かされてしまうと歯が無くなります。
神経を取っている歯では、虫歯になっているけど痛みを感じません。

そうすると、気がついた時には歯に大きな穴が開いて治療ができず抜歯になる
こともあります。
歯の神経が残っている場合は、大きな穴が開く前に歯の危険を痛みで知らせて
くれます。その段階で歯医者に来てもらえれば、歯を治療して治せることが
ほとんどです。

また早い目に発見できるので、治療も軽度な治療で終わることがほとんどです。

痛みを感じた場合は大丈夫かなと思っても、早い目の受診をお勧めします。

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