お歯黒の女性には、歯医者はいらない
?(前回の続きです)
「お歯黒の女性には、歯医者はいらない」
これは北陸地方で、昔から言われている言葉だそうですが、
そもそもお歯黒は、一体何でできているのでしょう?
お歯黒の黒色は、お茶等に含まれる「タンニン」と「酢酸第一鉄」が混ざる事によってできています。
「タンニン」と「第一鉄イオン」が混ざる事により「タンニン酸第二鉄」となり、歯の表面を覆い、細菌との接触を予防する効果があるのです。
(僕は料理に詳しくありませんが、黒色を鮮やかに出すために、黒豆を煮る時に「錆びた釘」を入れるのと同じ原理だそうです)
と、言われてもピンとこないと思いますが、簡単に言えば2種類の液体を混ぜる事によって、歯の表面に黒く薄い膜が作られ、虫歯を予防のコーティングができるのです。
(しかし、染めると言っても歯の表面に黒色物質が付着しているだけで、実際は2日に1回染め直しが必要だったそうです。虫歯予防も簡単ではありません)
そんな「お歯黒」でしたが、明治時代になり西洋の文化の伝来と共に、野蛮な文化だと思われるようになり、政府が禁止令を出した結果、姿を消していきました。
ところで、最近は少なくなってきましたが、
子供の前歯が、不自然に黒くなっているのを見たことはありませんか?
あれは虫歯ではなく、サホライドという虫歯進行止めのお薬を、歯科医院で塗っている為なのですが、
実はそのサホライド、お歯黒を元に開発された薬だったりするのです。