院長ブログ

[’08/9/3] なぜ私たちの門をたたくのか

先日若い男性の患者様が、前歯のかぶせが取れたため、私たちの医院を訪れました。
私たちの医院ではまず、
歯ぐきの検査レントゲン撮影など、お口全体を見させて頂きます。

担当医の診断は、左右の奥歯がしっかり咬めないため、
前歯に負担がかかり、かぶせが取れたと判断。

そのため、
「前歯の治療より、奥歯の咬み合わせの治療を最優先する必要があります」
と、お話ししました。

その奥歯は、かなり虫歯が進行
ほとんど残すことは出来ないほど。
その担当医が
下した診断は、4本歯を抜いて入れ歯を入れるというもの。

「それでは次回、さっそく奥の歯を4本抜きましょう。
 早く抜けば、早く入れ歯が入りますから」
ということに。

私は診療後のカンファレンス(カルテチェック)で、
その説明を受けて、
口をあんぐり
まさしく、開いた口が閉じませんでした。

初診時、私たちの医院では、カウンセラーがカウンセリングを行います。
ここに来た
真の患者様の思いを、聞くためです。

その患者様の、カウンセラーへの第一声は、
「以前の歯科医院で、奥歯を抜いて入れ歯にしないといけないと言われた。
 絶対抜きたくないので、
ここに来た」。

この大切なメッセージを、全く無視した治療方針を、担当医が立てたことになります。
ヨリタ歯科らしさが、全く感じられません。
これでは、
カウンセラーの行為が、全く無駄になってしまいます。

では、ヨリタ歯科らしい診療方針とは。

「奥歯の治療も必要ですが、まず前歯が気になるとのことなので、
 
見た目を最優先して、治療を行っていきましょう。

 しかし、せっかくきれいに前歯が入っても、奥の咬み合わせがなければ、
 前歯は長く持たないでしょう。
 そのため、
奥歯の治療も是非させて下さい。
 レントゲンや歯ぐきの検査結果から、ご存知のように
奥歯の予後は悪いかもしれません。

 しかし、まだ20代なので、入れ歯を作っても入れてもらえないでしょう。
 出来るだけ
歯を残す、最新の治療方針でいきましょう。
 
治療期間は長くなるかもしれませんが、一緒に頑張りましょう」

まずは、患者様のご要望に最大限応える
持てる
力の全てを出し、出来る限りの努力をする。
その中で、
望む結果が得られない場合は、
「他には
この方法があります」と、新たな提案をする。

いつも最終判断は、患者様が決める。
一方的な押し付けはしない。
出来ない、とは言わない。
来院する
全ての患者様に、夢と希望を与える医院であり続けたいと思っています。

私たちだから出来ること、これからもやり続けます。

 <門をたたくには理由がある  寄田幸司>

 

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