Vol.146 2012ワクワク楽しい経営日記パート15 ~医院コンセプト~
退職後、オープン準備期間2ヶ月の、最初の1ヶ月は、前回お話した
ホームページや初診セット、プレゼン用パワーポイント用コンテンツなどは、
勤務医時代から、ある程度書き留めます。まずは、それに集中。
というのは、医院コンセプトや、理想の歯科医院像が、
明確でなければ、医院設計はできません。
頭の中に描かれないものが、現実になるわけがないのです。
だから、まずは完成イメージを、鮮明に創り上げることが大切。
そのため、ホームページや小冊子を作り、医院のイメージを固めます。
それさえ出来れば、逆に2ヶ月は、長すぎるかもしれません。
そして、医院が出来たら、どんどん材料を運び入れます。
スタッフを、採用しているのであれば、
現場に張り付いて一緒になって、医院作りをしましょう。
見せ方は、すごく大事。
実際に患者様が訪れた時、患者様の目線を引くよう、ポスターや写真パネル、
リーフレットや小物を、効果的に配置していきます。
私の設計の特徴として、パートナー医院全て、玄関先から診療室全体を、
見渡せるようにしています。
このため、待合室と診療室を、さえぎるドアはありません。
コンセプトに添った、設計をしています。
ヨリタ歯科クリニックでは、患者様が入った前の壁に、
大きなコミュニケーションボードがあります。
そこには、
「スマイル アンド コミュニケーション ~ 私たちが大切にしているもの ~」
という文字。
他にも、20種類の小冊子が、手に届くところに、並べられています。
一部は、お持ち帰り頂けます。
また、大きなモニターには、2000枚以上のスライドで、医院紹介をしています。
これらすべて、設計段階から、決めること。
大切なのは、平面図だけでなく、立体図まで落とし込んだ、
細部にこだわった設計、思いのこもった設計をすること。
雑貨ひとつにしても、休みの日に、雑貨屋さんに行って、
気に入ったものを、自分で選んで買ってくる。
自宅にある、自分のお気に入りのものを、置いたりもします。
だから、2ヶ月の準備期間は、すごく楽しいことばかり。
自分の思う、理想の医院が形になっていくからです。
いよいよ、夢が実現するのです。しかし、夢ばっかり見ないで下さいね。
工事現場に貼り付いて、進捗状況をチェック。
気になれば、変更して下さい。
それと大事なのは、日頃から、周囲のお店をよく観察すること。
ショッピングすること。
雰囲気の良いカフェ、入りやすい雑貨屋さん。
PОPが上手だったり、店員さんの笑顔がステキだったり、
商品の並べ方がうまかったり、色のトーンやライティングで、見せたり。
自医院でも、参考にしようと見れば、
街には、たくさんのヒントがあります。
スーパーの食品売り場でも、そう。
購買意欲を、高める仕掛けがいっぱい。
流しているBGMでも、売り上げが変化します。
良いものは、自医院にどんどん取り入れて下さい。
特に、カウンセリングルームの演出は大事。
出来るだけ、リラックスして、お話を聞かせて頂きたい。
そのため、自分の家のリビングに通したような、雰囲気や心配りが必要。
カウンターテーブルの形、色、高さ、イスの形、色、素材、テーブルの上に
何を置くのか、患者様の生の声を書きとめるペンは。
これまた色々考えるだけで、楽しくなります。
また、物語が必要だと思います。
不安いっぱいの患者様が訪れ、保険証を提示、
カルテが出来るまで、待合室で待つ。
……そして、カウンセリングルームへ。
展開する物語を、現実に思い描く通りにいくようにするのです。
私たちの医院は、受付カウンターをあえて切っています。
必ず、初診の時は受付を出て、玄関先でお迎えする事を、徹底するためです。
やるべきことが、設計図に落とし込まれ、スムーズに出来るよう、
シュミレーションしていきます。本番になっても、慌てることはありません。
開業前、やれることはすべて、やり尽くすことが大事。
これ以上、準備できないところもまで、徹底的にやるべき。
それでも、やり残している事は、たくさんあります。
24時間医院のことを考える、そんなワクワクする時間が、2ヶ月あれば、
それはそれは、最高に楽しい2ヶ月になります。
―――― 今回の学び ――――
ワクワク楽しい歯科医院には、コンセプトが、目にみえる形になっています