ワクワク楽しい経営日記

Vol.16 理想の歯科医師を目指して パート4  ~初めて歯科医師として私を認めてくれた人~

昭和62年5月、歯科医師国家試験の発表があり、めでたく合格。
晴れて歯科医師になることができました。しかし、それはただ
「私にお会いした全ての患者様を幸せにするぞ」との情熱があるだけ。

歯科医師としてはかけ出し。大学での臨床実習では、看護士さんの中で
人気投票ナンバー1(?)の私でさえ、
実際の経験不足は、いかんともしがたいものがありました。

気持ちだけが空回りし、いつも冷汗の連続でした。
そして、私が勤務した大型診療所は、競争社会、強いもの、
できるドクターが生き残る、焼肉定食、イヤ、弱肉強食の世界

(1年目の新米ドクターは、昼休み、他のドクターのために
よく焼肉定食を買いに走っていたのを、思い出しました)

そんな新米医師の私を励まし、勇気つけてくれた人、
私はこの人のおかげで、自分に自信の持てる医師になった
といっても過言ではありません。

この大型歯科医院では、患者様1人につき1人のドクターが担当します。
複数のドクターが、患者様を診療するという事はありません。
それは担当医になることで、その人をより深く知ることができるためです。

しかし新米ドクターは医院での信頼感がないため、小さな虫歯や、
かぶせのやり替えなど、本当に簡単な治療を担当する事がほとんどです。
歯周病などのお口全体の治療が必要な患者様を、診察させて頂く機会は
あまりありません。紹介(指名)以外は。

その人は、わざわざ私と指名して下さいました。高い志と夢しかない私は
まずハブラシ指導とお口のクリーニングからはじめました。
家では歯ブラシと歯間ブラシの3本を、使い分けてくれるほど熱心でした。
そのため、みるみるうちに歯ぐきの状態は良くなりました

同時に私はその人の期待にこたえるべく、多くの本を読み、
講習会に参加し、時々は上の先生の指示をあおぎ、ほぼ1年がかりで
お口全体の治療をさせて頂きました

私は多くの事を卒後1年で、その人から学ばさせて頂きました。
この間、歯科医師としてのやりがいを感じ、充実した日々を過ごす事が出来ました。
そして彼女も本当に喜んでくれ、心から感謝していただきました。
その言葉一つ一つが、私の自信になりました。

私を歯科医師として認めてくれた人は、私の母です。

今回の学び
母の無償の愛の尊さ

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