メディア情報

[’18/6/8] パドクター

毎月、街の情報誌 「ぱど」 に健康情報
ワクワク楽しい予防歯科ってなあに?
連載しています。

 

    

 

2017年の10月から当院の副院長 入江先生と、小児歯科担当医の森山先生
交代で、連載していくことになりました。

皆さん、よろしくお願いいたします。

今回は、入江先生です。

タイトルは、「歯に及ぼす影響」 です。

 

ワクワク楽しい予防歯科ってなあに vol.155

前回は咬む力が、詰め物に与える影響について書きました。

今回は、天然の歯に与える影響について考えてみましょう。

実は咬む力は、虫歯、歯周病両方に影響があるのです。

咬む力が直接、虫歯や歯周病をひき起こすことはありません。

しかし間接的に、虫歯や歯周病が悪化することはよくあります。
そのメカニズムについて、書いてみたいと思います。

まずは虫歯についてです。

天然の歯でも力が加わり続けると歯にヒビが入ることがあります。
ヒビが入ったとしても、歯が必ずかけるというわけではありません。

湯呑を想像していただくと、わかりやすいと思います。

長年使用した湯呑にヒビが入って、その部分が着色している。
しかし割れていないので、湯呑としては問題なく使用できる。

多分みなさんこういう状況を、目にしたことはあると思います。

これに似たような状況が、歯にも起こるのです。

よく鏡を見てみると、歯にうっすらと髪の毛くらいの太さのスジが
入っている場合があります。
歯の表面に縦に走る線が、みえる方がいるかもしれません。

これが歯にとってのヒビで、以前解説したエナメル質の表面にヒビがある状態です。

このヒビを、専門用語でクラックといいます。

人間にとって髪の毛ほどの極めて細いクラックでも、虫歯菌にとっては
格好の住処となります。

何と言ってもこのヒビの間は、歯ブラシの毛先も入り込むことはできません。

虫歯菌にとっては、非常に安全にその数を増やすことができます。

なので歯磨きを非常に上手にされている方でも、虫歯ができてしまうことが
ありますが、そういった場合は、このクラックが原因となっていることが
非常に多いです。

しかし、クラックが入っているからといって、必ず治療が必要という
わけではありません。

あくまで治療が必要になるのは、虫歯が出来てからです。

ただこのクラックがある部分に汚れがたまると、通常より早いペースで虫歯が
できてしまいます。

もしクラックの部分に虫歯ができてしまった場合は、クラックを含めて
全部治療を行います。
クラックを残して虫歯の部分だけを治療しても、ヒビから虫歯が再発してしまいます。

なので残念ですが、治療の範囲も少し大きくなってしまう場合があります。

このクラックは、なかなか自分で発見するのは難しいです。

歯科医院では歯を綺麗にするだけでなく、虫歯の早期発見などもメインテナンス中に
行なっています。

クラックの部分に虫歯ができていないか、歯科医院で定期的に診てもらうことは
とても大事です。

今回は噛む力と虫歯について、書きました。

次回は、歯周病と咬む力についてご紹介します。

そして更に、過去のバックナンバーを、
ご覧になりたいあなたは、コチラ

 

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