アメリカの医療保険③
?
(アメリカの医療保険②の続きです…)
ここから先は、僕個人の考えなのですが、
おそらく「平等」という言葉に対する、考え方の違いではないかと思います。
「誰もが等しいサービスを受ける事」を平等と考えるか(日本的医療制度)、
「誰もが自分の意志で、自由に選択できること」を平等と考えるのか(アメリカ的医療制度)
どういう事かと言いますと、「日本的医療」ではすべての国民に一律の医療を提供しますが、 逆にそれ以外(保険外治療を組み込む事)は混合診療となり、一切認めていません。
?
仮に一部でも、「保険外診療」を取り入れるのであれば、本来保険適応の治療も、 すべて全額自己負担になってしまします。 (歯科では、例外的に一部混合診療が、黙認されている面もありますが…)
そのため、最先端の医療(は、だいたい自由診療である為)を受ける事は難しく、 新しい薬なども、世界から数年遅れて日本国内で認可されるといった、マイナス面もあります。
逆にアメリカでは、どんな医療を受けるのも、 またそこに、どれだけお金をかけるのも個人の自由です。
しかしお金をかけなければ、最低限の治療さえ保障されないといったマイナス面もあります。
どちらが「平等」と言えるのかは、個人の考え方だと思います。
しかし現在、日本の医療費は毎年どんどん増加し、限界が近づいている以上、 国が、これ以上「保険治療の範囲」を広げるとは考えにくく、
どちらかといえば、今後「アメリカ式」に近づいていくのではないかと予想されます。
(もちろん、アメリカ式と言っても、ほんの一部を自由化する(混合診療を認める)程度で、 いきなり国民皆保険がなくなることは、ありえないと思いますが…)
? どちらの未来が本当に幸せなのか?
それは、僕にはわかりませんが、
いち歯科医師として、今流行(?)のアベノミクスが失敗し、将来日本の借金がパンクしてしまい、日本の保険制度が行き詰った時に、 「歯科医療全部を保険制度から除外する」などと言った、未来が来ない事を願っています。
(3週間にわたり、お付き合い頂きありがとうございました)