ドリームマスター寄田幸司が送る 臨床研修医のあなたへの夢エール
日頃私が思っていることを、書き留めました。
少しでも元気が出れば、嬉しいです。
ご興味のあるあなたは、是非お読み下さい。
1北欧視察研修で思うこと
No.1デンティストクラブ主催の北欧視察研修ツアーに参加しました。
日程は、5月1日から7日の7日間です。
その中で、フィンランドの首都ヘルシンキでの見学について
詳しく触れてみたいと思います。
まずはヴァンター市立保健所(歯科医院)を、見学しました。
ヴァンター市には5つの保健所があり、そこには複数の歯科医師が在中
しています。
また夜勤も義務付けられています。私たちが見学した保健所には
18名の歯科医師が勤務していました。
誰でも保健所内の歯科診療所で安く治療が受けられるため、
予約がなかなか取れないそうです。
より高度な治療を希望される場合は、個人の歯科診療所にかかる人もいます。
全国の歯科医師の約半数が保健所勤務。そして半数が個人開業しているとのこと。
また保健所では、0才~17才まで検診を主とした歯科健康プログラムがあります。
そのため、ヨーロッパでも砂糖摂取量が一番多いにも関わらず、
カリエスは最も少ないのが現実です。
その後ヘルシンキ大学見学。
ここでも歯学部長であるJakko Hietanenさんが、
私たちを玄関まで迎えてくれました。
ヘルシンキ大学はフィンランドで最も古い歯学部。
創立115年です。学生は40名。
5年の教育課程の後、1年の保健所での研修を経て
6年間で卒業します。
伝統的に、口腔衛生に力を入れている大学です。
卒業後、開業しながら週2~3日、保健所に勤務するドクターもいるくらいです。
また大学の授業料は無料、奨学金や下宿代も国からの援助があります。
歯科医師の数は全国で4500人。国の規模からみると日本とそう変わりません。
また、大学は研究の教育機関として大きな役割を持っています。
また卒業後年齢に関わらず、歯科医師が学べるカリキュラムが
充実しているようです。
私たちの見学の時も多くのドクターが模型実習を行っていました。
日本の大学では、あまり見かけない光景でした。
市の中心部で開業している個人の歯科医院見学も行いました。
この歯科医院は、フィンランド全国で200ヵ所の医院を開設しています。
全医院で、350名の歯科医師が勤務しているとのこと。
また経営は株式会社が行い、
ドクターが株主になることも、可能だそうです。
この医院は21名のドクター、6名のDH、アシスタントは3名でした。
また院内に独立した歯科技工所があり、家賃を払って院内開業しているそうです。
またDHによる定期検診は、主に1年に1回約50分で、キシリトール、
フッ素の摂取方法やブラッシング指導を行っているとのこと。
検診は約15,000円くらい。その内、7割が患者負担という事です。
初診はもちろん完全個室。
受付での対応も、カウンターが3つに分かれていて、
同時に、3人が予約を取れるようになっていました。
プライバシーの保護が、どこでも守られているのが印象的でした。
このように、フィンランドが予防大国である理由は、地域医療を
担っている保健所がはたす役割にあると思います。
日本のように1才半、3才半健診のため、すなわち虫歯を見つけるため、
保健所に検診に行くのではありません。
虫歯を作らないため、定期的に通っているのです。
そしてフッ素やキシリトールの摂取、ブラッシングなどの保健指導を
受けています。
そして虫歯が見つかれば保健所に所属している歯科医師により、
安価で治療を受けることが出来ます。
歯科大学卒業後すぐの研修制度として、
1年間の保健所勤務も義務付けられています。
予防啓蒙活動の大切さを、実感していただくためです。
このように国をあげての予防に対する取り組みが、
大きな成果を上げていると言わざるを得ません。
またスウェーデン、フィンランドの歯科事情を学ぶことで、
自分自身多くの気付きがありました。
日本では多くの歯科医師が独立開業の道を目指します。
その形態は、ドクター1名、スタッフ3~4名の規模です。
そのため企業で例えれば、経営者が、経理、人事、営業、人材教育など
全て一人で行う必要があります。
また診療においても、口腔外科(インプラント)保存科、歯周科、
補綴科、予防歯科、矯正歯科、小児歯科、審美歯科など
全ての分野を一人でこなします。
その中で、高次元のマネージメントや技術レベルの維持は
並大抵のものではありません。
また日本では保険制度の中で多くの規制があり、診療報酬も
その対価に見合っていないことも多いです。
そして、削って詰めての治療重視の診療スタイルを強いられています。
すなわち、時間と人に追われる経営です。そして借金にも。
このように歯科医師過剰時代に入った日本の歯科業界では、
やりたいことが出来ず、やらなければならないことに追われる経営になります。
厳しいサバイバルゲームに生き残るための、経営にならざるを得ません。
その状況では気が休まる所がありません。やりがいや夢は見出しにくいでしょう。
しかし、ヘルシンキで出会った人々(これは歯科医師つながりではありません)は
皆笑顔で、主体的に生きているように見えました。
また、セカンドハウスやヨットを持っている人も、多くいました。
また、完全週休二日、金曜日も早く仕事を切り上げます。
天気がよければ仕事を中断し、公園などでのんびりしていました。
そこにはやりたいことが出来、人生を楽しんでいるように見えました。
そこで私が感じたこと。
それは私たち日本人ももっともっと人生を楽しむべきだということです。
それは、何も、今以上に怠けて楽をするということではありません。
具体的には歯科医師として、自分を磨き上げ、
専門医としての明確な位置を確保するということ。
インプラントや矯正、ペリオや小児などその中の自分の得意分野を伸ばす事です。
長所を伸ばしそして自分に足りない部分は他人に補ってもらうことで、
グループ経営の道が開けて来ます。
そうなれば人事や経理などわずらわしいもの、
自分でなくても出来るものから開放されるようになります。
その結果、さらに自分磨きの時間が増えます。
やりたいことが出来、心から笑顔が似合う自分になれます。
そんな豊かなライフワークを確立し、歯科医師人生をエンジョイしたいと思いました。
今まで時間に追われ、多くの患者を診るのが当たり前だと思っていたことが、
実は特殊なことであることが理解出来ました。
広い視野に立った上で、自分の現在のポジションを冷静に見つめ直すことで
今後の進む道が明確になりました。迷いがなくなりました。
最後にNPO法人歯科医療所評価機構の皆様のお陰で、
素晴らしく貴重な体験をさせて頂くことが出来ました。
本当に有難うございました。
2人生はかけ算
新年早々、一通の年賀状が我が家に届きました。
(年賀状は元旦に届くものですが)。
何故私がこのような表現をするのかといいますと、
どう考えても、年賀状とは思えなかったのです。
左端にカワイク“A HAPPY NEW YEAR”と書かれていたので、
辛うじて、これが年賀状だと理解出来ました。
そして私は、文面を見てお屠蘇気分がフッ飛びました。
その内容とは
人生はかけ算だ
どんなにチャンスがあっても
院長が「ゼロ」なら
意味がない
右下には今年の干支のねずみに見立てた自身のイラストが。
しっかり前を向き、ぐっと歯を食いしばっているように見えます。
そして額には、大きく夢の一文字。
「自分には夢がある。それを叶えるには、院長のサポートが必要」
そんなメッセージが込められていたのです(プラス受信で考えると)。
さらに深読みすると
私に対する挑戦状、絶縁状
若しくは激励文とも受け取れます。
しかも“意味が無い”の次の句読点のマルの大きいこと。
「0(ゼロ)」と最後のマルを、かけています。
そう、これは文章の最終に書く同心円のマルではなく、
英数字の楕円形の0(ゼロ)なのです。
読めば読む程、見れば見る程大きな意味を持っています。
年明けから、ヒートアップさせて頂けました。
そして私が取った行動
家族全員に「これって、どういう意味?」
「これって年賀状?もしかして果たし状?」と問いかけました。
私はコラムにアップするため、今の気持ちを
書き留めているのです。
多分私のセミナーでも、取り上げられることになるでしょう。
それ程、インパクトのある文章です。
しかもこの年賀状の差出人は、昨年入職したばかり、
それも若干22歳の新人衛生士。
11月の大感謝祭や、クリスマスフェスタでの自己PR、
日頃の診療で垣間見せる、新人らしからぬズバ抜けた行動など、
他とは一目置いていましたが、ここまでスゴ腕とは。
人の可能性は無限大。
2008年は夢を叶える日本一の院長、寄田幸司でヨロシクお願します!
3あなたが一番
今年に入り、2名のドクターが、ヨリタ歯科クリニック勤務になりました。
私の診療時間は少なくなりました。
しかしその分、他の先生の診療を見ることが出来るようになりました。
そこで思うこと。
どんな小さなことでもいい。
例えば、入れ歯修理。詰め物の型取り。
歯を削る技術。「これだけは、一番自信がある」
「誰にも負けない」「必ず満足してもらえる」
そう思えるものを、身に付けてほしいと思います。
小さな成功体験を、積み重ね。
小さな賞賛を、聞き続けることで、
小さな自信が生まれます。
そして、さらなる向上心が生まれ、得意分野が広がります。
ゆるぎない自信と、信頼を得ることが出来るのです。
今年も“あなたが一番”と思えるシーンを
多くのドクターに与え続けます。
4ヨリタ塾開催
今日も、多数のドクターに参加して頂きました。
冒頭、私が約30分のプレゼンをさせて頂きました。
私が、ドクターにお伝えしたかったこと。
あなたの可能性は、無限大。
強い意志を持ち、夢に日付をつけることで、あなたの望みが現実化出来ることを熱く語りました。
そのため、なくてはならないもの。
年間行動目標設定。
目的が明確で、期限が設定されているから、必ずやると意欲がわきます。
そして、実現したときの達成感があります。
近い将来、やりとげたい大きな夢を持ち、
達成した時の充実感、称賛の声、感謝の言葉、笑顔、自信。
それら全てを、全身で味わいましょう。
私の出身高校は、府立三国ケ丘高校。
最寄駅は、南海高野線 堺東駅。
その駅前交差点を渡ると、銀座通り商店街があります。
どこにでもある、地方の商店街。
いつの日頃からか、夜、商店が閉店したあと、
ギター片手にストリートシンガーが集まるようになりました。
大きな夢を持った若者達が。
そして、2007年12月30日、その夢が遂に実現したのです。
― 桜 ―
1998年。堺の銀座通り商店街で、黒田の声を路上で初めて聴いたその衝撃が、
僕の中に眠っていた音楽の夢を再熱させてくれました。
いつかその声に魅了され、何の経験も知識も無いまま、無心で書き上げた曲です。
誰の曲ともいわずに唄い始めると、見た事もない数の人が商店街を埋め尽くし、
どうして良いか分からず戸惑いました。
そして、黒田にあげたはずの曲はいつか、僕等の曲になり、
配っていた歌詞カードの右上に書いていた、「作詞・作曲」の欄に
「小渕と黒田で書いた曲やから、そういう時は『こぶくろ』って書いとくで。」
と気軽に書いた4文字。
いつの日からか、僕等の事を「こぶくろ」と呼んでくれる人が出てきました。
まだ、結成前の話です。
あれから8年。咲いたり枯れたりを繰り返しながら、
ずっと僕等を見守ってくれている曲です。(小渕健太郎)
これが、昨年の日本レコード大賞アーティスト
「コブクロ」の誕生物語。
堺東駅前のアーケードで歌われていたのが、「桜」です。
彼らは最初別々に、週末に有名アーティストのカバーソングを歌っていたのです。
しかし、ある時、人のために歌を作ってみたくなった。
そして、その歌を2人合唱するようになったのです。
その後、サクセスストーリーが生まれたのです。
一人だけでは、夢は実現しなくても
仲間と共に、助け合い、励まし合いながら、
そして目標と期限を明確に定めれば、不可能なことも可能になるのです。
それを是非夢多きドクターに知って頂きたいのです。
出来ない理由を、並べないで下さい。
言い訳ばかり、しないで下さい。
人と、較べないでください。
自分で、壁を作らないで下さい。
環境のせいに、しないで下さい。
あなたは、磨けば光る原石です。
それも、とほうもなく光続けることができるのです。
今日は松本先生、吉田先生にも、
将来の夢を熱く語って頂きました。
最高に、嬉しかったです。
夢は、願えば叶う。
夢は、あきらめなければ叶う。
夢は、言い続ければ叶う。
夢は、皆で叶う。
夢は、楽しみながら叶う。
これを、ヨリタ塾で言い続けていきます。
5約束
歯科の治療では、よく歯型を取って、金属の詰め物や、被せ物をします。
その詰め物や、被せ物が合わない場合があります。
そしてそのつど、再度お口の型を取り直し作り変えます。
患者様は、今日しっかりかめるようになると、楽しみにして来院されます。
その楽しみを、さらに1週間先延ばしにされるのです。
私は、本当に心苦しく思います。
私は、本当に申し訳なく思います。
いつも、自分の技術が足りないと反省します。
残念な事に、最近その作り替えが増えているように思います。
自分の気に入らない作製物が出来てきたので、
気軽に(?)作り替えしているように、感じてならないのです。
患者様や作った技工士さんの気持ちを、考えていないのでは
ないかと思うことが多々あります。
決して技工士さんは、手を抜いていい加減な製品を納入している訳ではありません。
決して患者様も、「少しぐらい歯がなくても気にしていません。」
なんて思っていません。
作り手である歯科医師側に問題があると思っています。
私がドクターにお伝えしたこと。
◇自分が思うようにデザインした完成品ができるまで、 最終の型取りをするまで 最大限の努力をしているでしょうか。 ◇自分が思うようにイメージされた完成品が出来るよう、 ◇「私の作ったものは、絶対作り替えなどあるハズない」と決めて、 |
私に伝わらないものが、患者様、技工士さん、そして作った完成品に伝わるわけがありません。
プロの仕事に「でも」「しかし」はありません。
決めたことは、絶対守ります。
その通り、実行します。
「次回○○さんのお口に被せが入りますので
これでしっかり咬めるようになります。楽しみにして下さい。」
とお話したのなら、必ずそうします。
約束は守ります。
私たちは、プロ集団。
言った事に嘘、偽りはありません。
心に曇りのない診療
澄みわたる診療
今日からしてまいります。
6他人は自分を映し出す鏡
昨年一年、私たちの医院では、多くのドクターに勤務して頂くことが出来ました。
私たちを選んで頂き、本当に有難く思っています。
また今年も、すでに新たな4名のドクターが勤務することが決まっています。
周囲の人(同業者)から見れば、こんなに急にドクターが増え、
教育や指導など、さぞかし大変なんだろうと思うことでしょう。
確かに、私が1から10まで、手取り足取り教えようとすると、時間が全く足りません。
また、中途半端で終わってしまうでしょう。
だからとって、細かくルールやマニュアルを作り、
それに基づいた、行動や発言するよう指示すれば、
指示待ち人間、すなわち依存型人間を育成することになります。
自分に今何が求められているのか、自主的に考え、
行動を起こす自立型人間になることはあり得ません。
自立型人間に成りなさいと言いながら実は、
依存型人間を作り続けていることになるのです。
この一年の試行錯誤の末、やっとわかったこと。
それは相手を思い通りに動かすことを考えるより、
何も言わず自分が見本(お手本)を見せるほうが、よぽど効果があること。
すなわち、患者様以上にメンバーを愛し、ドクターを愛し、
感謝の気持ちを伝えること。
人のいやがることを率先して、引き受けること。
いつもプラス受信でいること(どんな時でも楽しむこと)。
人のいい面を見つけること。
さまざまなことを、新人ドクターから学びました。
「ドクターと夢を共有するチャンス」
「ドクターとの熱い信頼関係を得るチャンス」
「自分の行動、発言を見直すチャンス」
そう思えるようになったこと、
本当に、心から感謝の気持ちでいっぱいです。
他人は、自分を映し出す鏡です。
人を育てたいのなら、自分が育つこと。すなわち自分の器を大きくすること。
他人を変えたいのなら、まずは自分を変えること。
人に夢を語らせたいのなら、まずはトップである自分が熱く夢を語ること。
いつも、彼らから学ばせて頂いています。
一つの医院だけの小さな組織でいた時は、
気付かなかったこと、当たり前だと思っていたこと、正しかったことが
組織が大きくなることで、
気付かされたこと、
当たり前ではなかったこと、間違っていたことが、
よく理解できました。
今までは、自分を映し出す手鏡を持っていれば良かったのです。
これからは、全身を映し出す鏡が必要です。
それも正面だけでなく、側面、背面まで映し出す
三面鏡の前に立ち続けます。
7覚悟
経営塾での学びは、セミナーだけではありません。
そこに参加している、受講生の意識が高いことも特徴。
したがって、積極的に参加メンバーと交流することで自分も高められます。
夢を実現するには、仲間がいることが大切。
交流する場、仲間と熱く語り合う場として、
セミナー終了後、懇親会が開かれます。
私も昨日lは、最後まで参加させて頂きました。
その中で質問がありました。
「勤務医を採用する時のポイントは」
私の答えは、ただ一つ。
「覚悟が出来ているか」
すなわち
・ここで多くのことを学び実践し、そして経営者になり夢のある医院を作る覚悟。
・何も分からないので教えて下さいという姿勢ではなく、自ら進んで学び取る覚悟。
・与えられたことのみをするのではなく、やりたいこともやり続ける覚悟。
・3年後、5年後の理想の自分を明確にし、そのため、今から計画を立て、そしてやり切る覚悟。
・他人や環境、過去など自分では変えることの出来ないことを見て、批判するのではなく、
変えること、作り上げることの出来る、自分や将来を見据え、
どうしたいか、自分の考えを周囲に熱く語る覚悟。
ここに来る目的、成果が明確であり、それを必ず実行するという強い覚悟があれば、
私は、是非一緒に夢を追い求めたいと思います。
昨日のチームリーダー決めで、ヨリタ歯科クリニックからは大西先生、
ゆめはんな歯科クリニック登美ヶ丘からは、武藤先生が自ら立候補し、リーダーになりました。
彼らの行動は、私にとってはやや驚きでした。しかし、たのもしく見えました。
そこには、この1年成長したい、結果を出したい、リーダーシップを学びたいという
強い覚悟があったのでしょう。
私たちは、勤務医を採用するのではありません。
同じ思いを持った若き将来の経営者たちと共に夢を実現したい。
そのお手伝いなら、私たちには出来ると思います。
そのため経営塾参加は、多くの気付き、学びがあります。
私自身、覚悟を決め、今年も学び続けます。
8日曜出勤
今日2月24日は、日曜日。
一般診療はもちろん、お休み。
しかし、今日は、矯正診療日。
そのため、チームスマイルのメンバーは出勤しています。
そして私の次男も約3年前より矯正患者として、月1度通っています。
めずらしく家にいた私は、次男のお供をすることに。
夕方、4時のアポイントに間に合うよう、診療室を訪れました。
そして診療している間、院長室で仕事をしようと、
矯正では使用しないウエルカムサロン(3階 診療室)に、
足を踏み入れました。
歯を削る時に出る焦げた匂いが診療室中に広がっていました。
すると今度は、タービン(ドリル)の
甲高い音が、4番個室から響き渡ってきました。
矯正では歯を削ることはありません。
そこには何と、昨年10月入社の吉田賢滋先生の姿が。
抜去歯牙による、根管実習(根っこの治療)を行っていたのです。
聞くと、10時から来ているとのこと。
さすがの私もビックリ。
技術向上のため、休日返上で医院に来ていたのです。
先日のコラムにも書きましたが、
出来る人程、並々ならぬ努力をしている。
そしてその努力を、ひけらかさない。
歯科医師は職人。
技術レベルを上げるのは、当たり前。
卒後間もない伸び盛りの今、
人の知らない所でどれ程努力するか、集中して技術を修得するかが、
長い歯科医師人生の中でも、将来に大きく影響を及ぼすと思っています。
久しぶりに、しびれました。
彼は3年後、父の後を継いで、笑顔の絶えないスタバ(スターバックスコーヒー)のような
歯科医院を作ると、日頃熱く語っています。
その熱き思いが、今日の行動を引き起こしたのでしょう。
自分の腕を磨くため、
休日返上で練習をする、
ある意味それは、職人だから当たり前かもしれません。
しかし、嫌な顔せず、黙々とやり続けることは
並大抵の気持ちでは続きません。
自分に厳しく、志を高く持ち、そして楽しくやり続ける吉田君の成長、楽しみです。
9一生お付き合いする人と付き合う
私の愛するチームメンバーは家族同然であると、常にお話しています。
すなわち、どんなことがあっても、離れることはありません。
たまたま、一緒に仕事が出来ない期間があっても、いつかまた帰ってくる。
そう信じています。
しかし、グループが大きくなるにつれ、業務が増えるにつれ、
人の採用が増えています。その中で、とりあえず取らなければならない、
いないと困るなど、中途半端に採用することがあります。
その結果、長く続かない、全体の雰囲気がギクシャクするなど、
一体感が薄くなったように感じることもありました。
今日、新谷さんから「一生お付き合いする人と付き合いましょう」と一言言われました。
その言葉で、目が覚めました。
頭では分かっていましたが、実行出来ていませんでした。
迷わなくなりました。
人を厳選する。
選ばれるべくして選ばれた人、出会うべくして出会った人とのみ、
一緒にいようと決めました。
そして、今日から実行すること。
・今年一年(医)ヨリタ歯科クリニックは、一切求人は行いません。
新規採用もしません。現状でも患者様に充分満足して頂ける
最高のメンバーがそろっているからです。
・年内に、一生お付き合い出来るドクターを院内で育成します。
そして、その人に院長職を譲ります。
私が院長である必要はありません。
ヨリタ歯科クリニックを心から愛する人に、職場をお任せしたいと思います。
・メンバーの育成に、力を注ぎます。
そうすることで、さらに一生のお付き合いが出来る人が増えてきます。
今後、人が育つ、やめない組織作りを行います。
10勤務医時代の学び
先日のドクター勉強会の帰り道、勤務医の先生からある質問を受けました。
「先生は勤務医時代、何を学びましたか」
私が勤務医をしていた頃は、もう何十年も前のこと。
しかし、「そんな昔のこと忘れてしまいましたよ」とは、言いませんでした。
何故なら勤務医時代の4年間は、私にとって歯科医師の基礎をする時期。
そう、大切な人生修行の場でした。
早く一人前になりたい。立派な歯科医師として周囲から認めてもらいたい。
社会人としても自立した人間になりたい。
その一心でした。
そして、勤務医の4年間で実践したこと。
入社直後の3つの決断、今日はそのうちの一つについてお話します。
その① イニシャル
私が勤務した医院は、ドクターも多くいました。
そのため院内では、全てイニシャルで呼ばれていました。
私たち新人ドクター4人に与えられたイニシャルは、以下の4つ。
B,C,E,P。
その中で私が迷わず選んだのは、B。
その理由は、経営者である院長先生が、Aであったから。
そう、Aの次はB。
私の憧れメンターである先生に、一歩でも近づきたい。
「さすがB先生」と呼ばれたい。
ただ、それだけの理由でした。
その日から常に、「AのつぎはBだ」と心でつぶやき診察しました。
その② 専有チェアー
この医院では自分が使用するチェアー(診察台)が決められています。
そのため独立する時、専有チェアーを決めることになりました。
医院には1~9番までのチェアーがあります。
そして迷わず私が選んだのは、4番。
そう野球に例えるなら、4番はチームの稼ぎ頭。
4番バッター、すなわちスラッガーになり、
記憶にはもちろん、記録にも残る名選手(名医)として金字塔を立てるべく、
華々しく活躍したかったのです。
いつも、脚光をあびていたかったのです。
しかも、4番チェアーには壁に面した窓があり、
個室感覚で、思う存分診察に集中できたのです。
その③ 入社時には退職日を決める
この日を決めていたのは新人ドクターでは、私だけ。
学ぶ期間を限定することで、この短期間に何を学べばよいか、
実践すべきことが明確になります。
また退職日から逆算して、いつまでにどのレベルに達成する必要があるかも、
おのずと明らかになります。
日付を付けることで、学ぶ姿勢や行動が全て変わってきます。
入社直後、この3つを惑わず決断したことで、モチベーションがメチャクチャ上がりました。
「やってやるぞ」
「君なら出来る」
「やる前から結果は決まっている」
そう自分に言い聞かせながら、日々の診察や難症例に取り組んできました。
そして、自分でも信じれば結果を出すことが出来ました。
具体的には、あまりに業績が上がりすぎたため、
過去には設定がなかった、高い昇給の基準が出来ました。
そして、それを毎年クリアすることが出来ました。
「何ごともスタートが肝心、すなわちスタートから全力を出す、
限界までチャレンジすることが大切。
そして、結果を出せば次の目標が見えてくる。
そのことでさらに、自分自身の能力が開花する。
だから今から実力を出し切る姿勢を、私に見せてくれませんか」
そう尋ねてきた勤務医1年目の先生に、お答えしました。
やるやらないは、本人次第。
しかしやる気にさせる、人が伸びる環境を作るのは経営者次第。
今過去を振り返ってみれば、やはり勤務医時代の恩師であり、
今も私のメンターである、小室甲先生の笑顔が浮かびます。
いい師にめぐり合えたこと、感謝の気持ちでいっぱいです。
11ドクター研修マニュアル
私達の医院には、スマイルクリエーター(受付)、衛生士、健康プロモーター(アシスタント)用、
研修マニュアルが整備されいています。
これは短期間で人を育成するため、必要不可欠なもの。
このマニュアルがあったからこそ、ヨリタ歯科クリニックがこの2年間大きく人の
移り変わりがあったにも関わらず、ヨリタ歯科らしさ(文化、風土)が守られました。
また、短期間でパートナーシップ医院を立ち上げ、軌道に乗せることも出来ました。
しかし、ただ単に、マニュアルを作製しただけで全てがうまくいく訳ありません。
それをどの様に使用するか、すなわち進行表(ロードマップ)が欠かせません。
いつ、誰が、どのような順で教えていくのか、それを表にしていきます。
それがあるので、今どの程度進んでいるのか確認することが出来ます。
またそれを運用する人の、心の教育や人間力を高める指導も大切です。
教え方、指導方法により、同じ資料を使い、同じ言い方をしても伝わり方が全く違うのです。
実は私は、人を指導するのは苦手。
だからこそ教育用マニュアルを作り、指導者を育てました。
そして今は、ドクター研修マニュアルを作っています。
このマニュアルを作ることで、今まで院長と勤務医が師弟制度のように
「見てぬすむ」指導から、脱却出来るようになります。
短期間で人が成長する仕組みがドクターにも出来るようにしています。
そしてその根本である
共通の思いを持つ
同じ目標に向かい進む
夢を共に実現する
組織風土や文化を、確立していきます。
今年も多くの夢を持つ若きドクターが私達の医院に就職します。
その先生方と共に成長する、ドクターマニュアルを作っていきます。
12予想を超える
今日は、ヨリタ塾開催日。
診療終了後にも関わらず、ドクター14名が集合。
熱く将来の夢を、語り合いました。
今回のテーマは、“予想を超える”。
与えられた仕事をイヤイヤするのではなく、自分の意思で楽しくする方法。
それは唯一つ、与えられた以上の結果を出すこと。
すなわち、予想を超えること。
例えば、与えられた期限より早く、
しかも、与えられた以上の内容、クオリティーでやりとげること。
それにより、やったことが認められ、評価が上がる。
人は褒められた時、
「やってよかった」
「頑張った甲斐があった」
「自分も出来るんだ」
そう感じます。
すなわち、自分自身の可能性に気付くのです。
今、ヨリタ歯科メンバーは、私の予想をはるかに超えるスピードで
成長しています。
それにつれ患者様満足度も上がり、信頼と評価が得られるようになりました。
それに比べると、ドクターの意識はまだまだこと。
有能なメンバーと、ヨリタ歯科クリニックを心から愛する、
多数の患者様に守られ診療しているため、
自分の本当の実力を、理解していない。
言い換えれば、自分の力で患者様が来院していると、錯覚しています。
本来持ち合わせている、力を全て発揮すれば、
最高の評価が得られるにも関わらず、
「自分はこの程度だ」と、限界を作ってしまっています。
もったいないと思うことも、しばしば。
だからこそ、ヨリタ塾の開催の意味があります。
定期的に開催することで、志気が高くなります。
予想を超える結果を出している、2年目ドクター。
予想をはるかに超える結果を出し続けている、
2年目のパートナードクターの発言や、考えに触れることで、
眠っていた闘志や情熱が、再度湧き起こります。
人生とはすなわち、自分に与えられた時間そのもの。
短いか長いか、それは人それぞれ。
しかし、その限られた時間に覚悟を決め、
無駄にすることなく、精一杯、一生懸命、
一心不乱に過ごすことが出来た人が、人生を大いに楽しむことが出来るのです。
生きる喜び、幸せを、体いっぱい感じることが出来るのです。
ヨリタ歯科クリニックで勤務医として過ごす時間は、
実はそれほど、長くはありません。
早くて1年、長くても3~4年でしょう。
出来れば短期間で、出来るだけ多くを学び、そして巣立ってほしいと願ってます。
ここは圧倒的に学べ、成長できる環境にあります。
そして、ここで本気で学びたいと願う人は、後を絶ちません。
そのためにも、早く成長し、旅立ってほしいと思います。
時間はまだまだある、ゆっくりやればいいという人は、
私たちの医院には、ふさわしくないでしょう。
常に、予想を超える行動をする。
常に、予想を超える結果を出す。
常に、予想を超える評価を得る。
ヨリタ歯科を目指すあなたは、その覚悟が必要です。
13出来る人
出来る人、出来ない人の差は、どこにあるのだろう。
先日、『予想を超える』 というコラムを書きました。
ズバリ、出来る人は周囲の予想を超える結果を出す人。
そのためには、周囲からの期待、周囲が望む状況、
周囲のおかれた環境を、敏感に察知する能力を持ち合わせる人に
ならなければ、と思います。
出来る人と、出来ない人との差。
それは、どうすれば最大限の効果を出せるか、
どうすれば周囲に受け入れられ、喜んで頂けるか、
それを24時間、考え続けることが出来る人かどうか。
私は診療終了後、ドクターとこの日あったことを話し合います。
今後の治療方針、計画であったり、
クレームや問題点の共有、対応であったり、
改善策の協議であったり、
さまざま。
それら全てを自分のこととして捉え、自分ならどうするか、
真剣に考え、行動できる人になってほしいと思っています。
出来る人と、出来ない人の差。
決めるか、決めないか。
やるか、やらないか。
出来る人は、決断力と実行力のある人。
答えはシンプル、なのです。