歯の変色と治療法
歯の色は、皮膚や毛髪の色に人種差,個人差,年齢差などがあるように
正常な歯の色にも“幅”があります。たとえ,患者さんが 自分の歯が黄色いと感じても、
一定の範囲におさまっていれば正常色であります。
また、年齢差では加齢と共に歯の色は変化するといわれています。
ですので、正常幅の色調から、大きく逸脱した場合を、歯が変色しているといいます。
歯の色の変化には歯の表面への沈着物 、歯の表面あるいは歯の硬組織内の着色 、
歯質の色調変化による狭義の変色があり、以下に歯の変色の原因の具体例を
あげていきたいと思います。
1)歯表面の沈着・着色
2)う蝕
3)修復物由来の変色・着色
4)加齢変化
5)歯髄の病変
6)歯の形成不全
7)テトラサイクリン変色歯
歯の変色・着色の治療には、以下のような方法があります。
・カウンセリング
・個人口腔清掃の改善
・専門的歯面清掃
・歯石除去
・漂白 失活歯・生活歯
・歯の表面一層削除・研磨
・歯冠修復 コンポジットレジン修復・ラミネートベニア修復・オールセラミック修復
この中の、いくつかの治療法について説明します。
まず、カウンセリングですが、すべての患者さんに対して、始めにさせていただきます。
患者さんに対して、変色の原因と治療法の特徴と問題点、
治療予後などの情報を提供させていただきます。
また、患者さんの中には、歯の色が個人差の範疇内にあり、
人為的に色を変えるよりもそのままの自然がはるかに良い場合もあります。
そのような患者さんに対しては処置をしない方が良いことを
シェードガイドや測色計などを活用して説明させていただくこともあります。
漂白とは、いわゆるホワイトニングの事です。
歯科医院で、歯の表面に薬剤を塗り、光を照射して白くするオフィスホワイトニングと
、家庭でマウスピースにジェルを入れて行うホームホワイトニングがあります。
また、神経の失ってしまった歯に対して、
薬剤を使って行うウォーキングブリーチという方法もあります。
ラミネートベニア修復というものは、
歯の表面を、エナメル質の範囲内で削り(削らない場合もあります)、
セラミックス素材を用いた非常に薄いシェル(つけ爪のようなもの)を、
特殊な樹脂系セメントで接着する歯の修復法です。
歯の形態、色調の再現性や表面滑沢性が
かなり満足のいくものが得られます。