歯神社
ゴールデンウィーク真っ只中ですね
今日はちょっと珍しい神社のお話です。
歯神社と呼ばれるお杜があるのをご存じですか?
場所は阪急梅田HEP FIVEのすぐ近く。
その昔、梅田一帯が淀川の氾濫によって大洪水に見舞われたときに、このお杜のご神体であった巨石が、流れ来る水を歯止めし、梅田の水没を防いだそうです。
このことから「歯止めの神様」として慕われ、歯止めの語呂が転じて「歯痛止め」「歯の神様」として、
歯に悩む方や歯の仕事に関わる方の神様として知られるようになったということです。
また、大阪大空襲に見舞われた際も、梅田一帯が火の海になったにも関わらず、歯神社までは火が届かず戦火を歯止めしたと言われているそうです。
歯の神様の信仰は江戸時代中期~後期から始まっていたと言われていて、当時は殿様、武将、豪商など一部の権力者のお抱えで、「口中医」という療術者がいたそうですが、一般庶民とは無縁の存在だったようで、そのような世相にあって、庶民は歯痛などに対して、神頼みやまじないが唯一の手段で、これに頼らざるを得なかったのかも知れません。
庶民が歯の治療を受けられなかったなんて…
歯科医師としては、なんとも悲しい気持ちになります。
大阪の歯神社のような、歯の痛み・悩みを癒す目的で祈願をする神社・仏閣・石像などは全国で300ヶ所くらい存在するそうです。
このような神社の存在は、近代医学が目覚しい発展をしている現在においても、医者というものが庶民と縁遠かった時代がはるか昔のこととして忘れられることなく、いつの世も歯が大切であることは同じだということを痛感させられますね。
梅北エリアは今非常に賑わっていますが、少し足を延ばしてみてはいかがでしょうか?
森山 知子