最終話
こんにちは山口です。
最終回です。
最後は「あなたはどんな歯科医院を選びますか?」という話です。
「歯医者ってどこ行けばいいの?」職業柄、遠方の友人知人からよく聞かれます。
なぜなら、巷には歯科医院が溢れ、その数なんとコンビニエンスストアの1.5倍。
一言で言うと供給過多。歯科医院を必要としている患者様より、歯科医院自体が多い状態です。
なぜそのような事態になってしまったのか? と言う話は別にしておいて、
実はこの状態、患者様からするとメリットもあります。なぜなら歯科業界に競争原理が働く事で、みんなが切磋琢磨し全体の質が上がるからです。
しかし逆もあります。一般的な商売と違い歯科医院は、保険点数という形で価格が決まっている為健全な価格競争ができません。そのため、患者様の見えない所で衛生面や安全面のコストカットが行われてしまう可能性があるのです。
つまり、今まで以上に「患者様自身の選ぶ目」が重要になるわけです。
ではどんな歯科医院がいいのか? いち歯科医師として誤解を恐れずに言うのであれば、歯科医師はプロである以上、歯の痛みをとるのは当たり前です。
現在の歯科医院は、そこではない別の付加価値で勝負していると言えます。
例えば、宮大工のような素晴らしいテクニックであったり、ホテルの様なおもてなしであったり、美容エステのような空間であったり、もしくは自由診療の低価格化(インプラント1本○○円等)、「あそこの歯医者行ったらすぐ終わったよ」といった治療回数をへらすシステム、日曜祝日夜間といった診療時間の延長などなど・・。
もちろんすべて叶える事が一番ですが、例えば「宮大工の様な手間暇かかる治療」と「低価格」という物はもともと矛盾してしまいます。
さらに言えば「低価格の歯科医院」はそれなりの理由があるかもしれませんし、「宮大工の様な歯科治療」は歯科医師の自己満足の可能性もあります。
どれが優れていると比べられるものではありません。医療ではありますが「歯」という物が命に関わらない以上、突き詰めていけば、高級ブランドの服と、量販店の服を比べるのと同じであり、痛みをとった先に何を重視するか、それは個人の価値観です。
あなたが、とりあえず痛みをとってくれればいいというのであれば、何処の歯科医院に行かれてもそれほど大きな差はないと思います。
しかしそれ以上を求めるのであれば、①自分が何を重視するのかを具体的に考えて頂き、②この歯科医院の特徴は何だろうと客観的な視点を持って頂き、そこにあった歯科医院を選んで頂ければいいのではと思います。
最後になりましたが、ここ数週間で「先生辞めるのですか?ブログで知りました」と数人の患者様から声をかけて頂き、改めてブログの凄さを感じていました。
もともと物を書くことはすごく苦手でしたが、1年間休まず毎週月曜にブログを書き続けた事で、いくらかましになったかと思っています。30歳を超えてからでも習慣は変えられるのだなという事を身をもって実感させて頂きました。このような機会を作って頂いた院長先生と、毎週日曜日の夜に家族の時間を潰してまでブログを書く僕を応援してくれた妻に、感謝の気持ちを表してブログを終わらせて頂きます。
1年間ありがとうございました??
山口真史