飲み物で歯が溶ける?
こんにちは。歯科医師の吉村仁美です。
九月になりました。
日に日に過ごしやすい気候になって来ていますね。
さて、今回は飲み物のPHについて書こうと思います。
みなさんはPHという言葉は、覚えてらっしゃいますでしょうか?
酸性・アルカリ性には弱い強いの度合いがあり、この強さを表すのにPHと
呼ばれる数値を使います。
酸性からアルカリ性の間に、0から14の目盛りをつけます。
PH7が中性でそれより小さい値が酸性、大きい値がアルカリ性です。
飲食物のPHは歯の健康にとってとても重要です。
PHが低いと酸性度が高く、歯が溶けやすい環境になります。
歯の表面(エナメル質)は、PH5.5で溶け出します。
酸で歯が溶ける事を、酸蝕症といいます。
代表的な飲み物のPHを、挙げたいと思います。
水=PH 7
牛乳=PH 6.8
緑茶=PH 6.3
紅茶=PH 5.5
オレンジジュース=PH 4
コーラはなんとPH 2.2 !!
この夏、私は炭酸水にはまってよく飲んでいたのですが、炭酸水は普通の水道水より
PHは低いため、酸蝕症を引き起こす可能性はありますが、弱酸性なので
あまり心配するほどではないようです。
けれど、フレーバー付きの炭酸水にはフルーツ果汁と同じくらい酸性度が高いものも
あるようで、ある大学の研究ではフレーバー付きの炭酸水が歯を浸食する作用は
オレンジジュースと同程度であることが示されています。
特に浸食性が高いものはレモン・ライム・グレープフルーツのフレーバーで、風味付けのために
クエン酸が添加されているためのようです。
いずれにせよ水以外の飲み物を飲んだ時、なるべくうがいをするか水を飲んでお口の中を
中性に戻すようにすると良いです。
また、寝ている間や運動時などは唾液が減るので唾液でお口の中を中性に戻す効果が
期待できないため、あまり中性以外のものを飲むことはオススメ出来ません。
興味がおありでしたら、是非この機に普段飲んでいるものや食べ物のPHを調べてみてください。