診療終了後、昨年入職した新人ドクター吉田賢滋先生と、
その日の診療内容について
話し合っていました。

「○○のケースでは、まず初診カウンセリングメモ、サブカルテに目を通し、
それから治療に入るように」

「○○の場合は、優先順位をつけて、まずやらなければならないことから、始めよう」

「○○の時は、状況を見て瞬時にしかも適切に判断して下さいね」

私が熱く語る姿を、横で見ていた新谷さんから、
「これを読んでみては」
とある小冊子を手渡されました。

それは、日経ビジネスアソシエ3月18日号付録の、
「ビジネス格言集」。

「へー、こんなの読んでいるんだ」と、驚きの私。

その横で、「自分も持ってますよ」と平然と言う吉田君。

ただの歯科医院のスタッフなのに、日経アソシエを読んでいるとは。
そして私が、心の持ち方、あり方を熱く話している時、
「ビジネス格言集」が、さっと出てくるとは。

「ここは、いったいどこ。あなた達は何者。そして私はあなたに伝えることがあるのか」

私の頭の中で、この言葉がめまぐるしく回り続けました。

そして、一夜明けた今日、お昼休み。
大西先生の勉強会に出席。

彼は、ここに来て、まだたったの2ヶ月。
その彼からセミナー中、「A・B・Cを忘れずに」という言葉が。

その意味は、
A：当たり前のことを
B：バカにせずに
C：ちゃんとやる

実はこれも、「ビジネス格言集」に書いてあること。
この医院はいったいなんなの。トップが読んでいない日経アソシエを、
何故、こんなにたくさんのメンバーが読んでいるの。

いよいよ、私が院長職を降りる、
いや、降ろされる日も近くなりました。

そして、今の私の胸ポケットには、
こそっと「ビジネス格言集」を忍ばせています。
アワクレドと共に。

誰にも気付かれないように。

＜ABCは大切　寄田　幸司＞