覚えてますか？
補助輪をはずした自転車に、初めて乗れたときのこと。
最初は転んだばかりだったのに、何度も練習してついにバランスをとって走れるようになった
ときの感動は、誰もが鮮明に記憶していることでしょう。
自転車でゆっくり走りながら、バランスをとるのはとても難しいことです。
ところが、自転車に乗って超低速で走れるだけでなく、完全に停止してもバランスをとって
倒れないロボットがいます。
それが、自転車型ロボット「ムラタセイサク君」です。

セイサク君はなぜ倒れないのか、誰もが不思議に思うでしょう。
一体どのような仕組みで、バランスを保っているのでしょうか。
そのヒミツは、サドルの下に付いているジャイロセンサにあります。

ジャイロセンサは、わずかな揺れを感じ取って車体の傾きを検出する働きをします。
自転車の傾きを検出すると、セイサク君の胸にある大きな円盤を回転させることで
傾きを打ち消す力を発生。
これを繰り返してバランスをとり、姿勢を保っているのです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『セイサク君の科学』より一部抜粋