院長ブログ

[’09/8/19] 思いを形にする(45)  I have a dream.

夢のまた夢の続きを、今回お話しさせて頂きます。
私は高校では、ある意味落ちこぼれ
高校時、人前で褒められたことは皆無。

そんな私が30年ぶりの同窓会で、演壇に上がった恩師の担任
貝谷先生から、こともあろうに、私の名が飛び出すなんて。
まずは、私が忘れられない学生時代の貝谷先生の
特別授業について、お話しします。

時は1980年(昭和55年)、1月に行われた第2回国立大学の入学試験
共通一次テストの終了翌日。
私は自分の実力もさることながら、緊張のあまり、
こともあろうに、この試験の英語でマークミスをしてしまいました。

自己採点の結果は、無残。
第一志望校は、全く無理のD判定。
途方にくれていたその日、貝谷先生の英語の授業がありました。
といっても、通常の授業は全く無し。

ある人の演説のテープが、教室に流れたのです。
それがかの有名な、「I have a dream.」(その時まで私は知りませんでしたが)。

そう、当時公民権運動の中心的指導者であった、マーチン・ルーサー・キング・ジュニア牧師
1963年8月28日、リンカーン記念公園へ向かう
ワシントン大行進において行われた、演説だったのです。

内容はこんな感じ(一部抜粋)。

私は同胞達に伝えたい。
今日の、そして明日の困難に直面はしていても、
私にはなお夢がある。

それはアメリカン・ドリームに深く根ざした夢なのだ。
つまり将来、この国が立ち上がり、「すべての人間は平等である」という
この国の信条を真実にする日が来るという夢なのだ。

私には夢がある。
ジョージアの赤色の丘の上で、かつて奴隷の子孫とかつての奴隷を所有した者の
子孫が同胞として同じテーブルにつく日が来るという夢が。

私には夢がある。
今、差別と抑圧の熱が渦巻くミシシッピー州でさえ、
自由と正義のオアシスに生まれ変わり得る日が来るという夢が。

私には夢がある。
私の四人の小さな子供たちが、肌の色ではなく
内なる人格で評価される国に住める日がいつか来るという夢が。

今私には夢がある!

人種差別主義者や州知事や連邦政府の干渉排除主義を唱え、連邦法の実施を拒否している
アラバマ州にさえ、将来いつか、幼い黒人の子ども達が幼い白人の子ども達と手を取って
兄弟姉妹となり得る日が来る夢が。

私には今夢がある!

いつの日にか全ての谷は隆起し、丘や山は低地となる。
荒野は平らになり、歪んだ地もまっすぐになる日が来ると。
「そして神の栄光が現れ、すべての人々が共にその栄光を見るだろう。」

といってもリスニング能力ない私は、全く意味など不明。
しかし、何度も連呼される「I have d dream.」という言葉と、
その異様な雰囲気は、前途を悲観していた私の心を奮い立たせる
十分に強烈なインパクトがありました。

こんな私でも、何か出来ることはある
夢は、諦めてはいけない
いつの日か、必ず成し遂げることが出来る
少年の私の心に、希望の光を射してくれたのです。

小さいですが、進むべき勇気とその道しるべを頂いたのです。
その時の感動と、そして今も何か辛いことがあった時には、
その言葉を思い出していることを、30年ぶりの同窓会で直接恩師にお伝えしました。
感謝の念を持って。

ただそれだけのことですが、直接先生にお会いしてお伝えすることが
出来たことだけでも、本当に幸せなことでした。

そして、その特別放送のことを先生が覚えていたこと
そして、そのエピソードを皆の前でお話しして頂いたこと、
私にとっては、ただただ有難いの一言

まるで、夢のような話でした。

<夢は諦めない  寄田幸司>

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