院長ブログ

[’10/7/20] 新人研修 その⑪

衛生士研修レポートが、今日も私のもとに届きました。
患者様のお口の健康管理を衛生士が行う上で必要不可欠な治療に、歯石除去があります。

歯石除去は、機械で行うこともありますが、
より丁寧に行う場合は、スケーラーという器具を使い、手作業で行います。

スケーラーの先には、鋭利な刃がついています。
スケーラーを使用するたび、その刃先を研磨(シャープニング)します。

今日のレポートは、スケーラーシャープニングについてです。
以下は、その一部です。
ご興味のあるあなたは、お読み下さい。

シャープニング

《Ⅰスタンダードプレコーションとユニバーサルプレコーションの違い》
 ●誰が感染しているか見分けることは容易ではないため、
 全ての患者様に対して次のようなものに接する可能性があるものに感染予防する。
 〔血液(出血)、破損した皮膚、粘膜、全ての体液(汗を除く)、だ液・体液からの
 分泌液、性液、器官支分泌物、湿生組織、膣、鼻腔、副鼻腔、からの分泌物、
 きょう垂、副垂、糞便〕

 ●ユニバーサルプレコーション
 血液由来の病原体が医療従事者に伝播する危険性を減らすために
 デザインされた血液体液の予防策を普遍的(全ての患者様)に実施する予防策

《Ⅱスケーラーの管理と知識》
 <管理の方法>
 1.
水に漬ける・水洗
  (使用後はそのまますぐに水につけ、水はときどきオーバーフローさせる)
 2
.超音波による洗浄
 3.
薬液消毒(グルタール製剤を入れた密封容器で消毒する)
 4.
乾燥(ペーパータオルの上に置く)
 5.
シャープニング(それぞれの衛生士ごとにする)
 6.
滅菌(オートクレーブorホルマリン滅菌)

《Ⅲシャープニングの準備》
 ①
スケーラー
 ②
ストーン(セラミックストーン)
 ③
プラスティックテストスティック
 ④
グローブ

 <ストーンの手入れ方法>
 ①セラミックストーンはオイルも何も要らない便利な物だが、
  使用後はスラッジ(金属泥)がたくさんめり込む
 ②
ガムテープを貼り付けてテストスティックの角でこする
 ③よくこすってテープをはがすと、テープの粘着面に
スラッジが吸着する
 ④ストーンは、シャープニングごとにこの方法でいつも
きれいな状態にしておく
  そうすると、シャープニングしやすく、ストーンも長持ちする

《Ⅳ.テスティング》
 <テスティングの方法>
 ●テストスティックの上の固定指は置かない
  
左手(左利きは右手)の人差し指の上に置く
 ●グローブの下の爪は
短く
 ●テストスティックは
まっすぐ立てて持つ
  (横や斜めにすると、カッティングエッジの角度があいまいになる)
 ●テストスティックは
指先で持つ(指先のセンサーを十分に機能させる)

 <スケーラーの正しい持ち方>
 ●小指は離さず、
立てない。(薬指の内側に巻き込むようにする)
 ●中指は
スケーラーの上に乗せる

 <テストスティックの正しい使い方>
 ●
両側から使っていく
 ●テスティングの傷は“
モヤ”のように白くなる
  (スティックをガリガリと削らない軽くタッチするだけ。)
 ●
真ん中にツルツルのきれいな面を残していく

 <スケーラーの原型を守る>
 ●トゥの
形体を保つ(ツノが出ないようにする)
  →小さな変形に気付いて修正する
 ●フェイスの幅の
バランスを保つ(同じ太さになるように)

《Ⅴ.シャープニング
 <手順>
 ①ストーンの上にスケーラーの
第一シャンクを垂直に乗せる
 ②そのままで第一シャンクを左に
20度倒す
  ストーンとフェイスを
平行にする
  (フェイスが細くなると平行かどうか見た目ではわからなくなる)
 ③ストーンを
垂直に立てる(カッティングエッジに密着させる)
 ④スケーラーのハンドルを後(偶数刃は前)に倒す
  →ヒールをとぎやすくするため
 ⑤ストーンを
ヒール側に回し込む
  →原型を維持するため、そしてヒールも切れるようにヒールから研ぐため
 ⑥ストーンを
20度にする
 ⑦ヒールから
トゥに向かって研ぐ

<スケーラーは衛生士にとってなくてはならないもの 寄田幸司>

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