院長ブログ

[17’10/2]『 May I Help You?』

先週の土曜日の午前スマイルクリエーター(受付)の安達さん
感動クリエーターの安田さんに、ユニバーサルマナー検定3級セミナー
受講して、頂きました。

 

検定3級とは(ホームページより)

ユニバーサルマナー検定3級は、高齢者や障害者への基本的な向き合い方や、お声がけ方法を学ぶ
導入のための講座です。

3級取得講座では、「ユニバーサルマナーとは」「人と人との違いを考えよう」「どんな人がどんな
ことに困っているのか」「代表的なお声がけ方法」など基本的な内容に加え、多様な方々の心理状況を
考えるワークを、行います。
ハードは変えられなくても、私たち一人ひとりのハートは今すぐに変えることができます。

 

カリキュラムは、以下の通り

●ユニバーサルマナーとは
●高齢者や障害者への向き合い方
●どんな人がどんなことに困るのか?
●各種マークの名称と意味
●困った時のお声がけ方法

  

 

2人ともかなり、有意義な時間を過ごしていたようです。
ということで、以下はその2人の感想文です。

ご興味のあるあなたは、是非お読み下さいね。

ユニバーサルマナー検定3級 感想文
2017年9月30日
安達沙緒里

 ユニバーサルマナー検定3級を受講させていただきました。
今回の講義では、㈱ミライロ 原口淳様が講師としてお話をしてくださいました。
原口様は生まれつき全盲で、障害を持つ原口様だからこその目線でお話をしてくださったのが印象的でした。
 
 ユニバーサルマナーとは、障害者・高齢者などに特定せず、自分とは違う誰かのことを思いやり、
適切な理解のもと行動することを言います。昨今、道路の整備や施設のバリアフリー化などの環境の
変化に伴い、多様な人々が外出をできるようになりました。高齢者、障害のある人、子ども、子供連れの人
など、多くの人がユニバーサルマナーを求めており、そういった人たちに触れ合う機会が多くなっている今、
理解を示し行動に移すことが、非常に重要になっているそうです。

バリアフリーなどの施設的な設備(ハード面)はもちろんですが、今すぐ私たちにできるサービスや
心遣い(ソフト面)を意識して、実践していくことが大切だと感じました。
特にヨリタでは、ハード面が非常に充実し恵まれているので、そこに魅力を感じてきてくださる
患者様は、多いと思います。

そういった患者様はまさに「ユニバーサルマナーを求めている人々」。
だからこそ、もっともっと努力して、ソフト面を充実させる必要があると、講演を聞いて強く感じました。
 演習を通じて、人との違いはどれだけあるのかということを改めて考えました。性別、年齢、出身地、
職種、家族構成など…こうして考えると、「同じ」を見つけることの方が難しく、自分と周りの人は違うのが
当たり前だということに、気が付きました。

障害の有無や年齢に囚われず、「違い」を理解するということは、人間関係においてもとても重要なこと
なのではないかとも、思いました。また、その人たちが本当に必要としていることはなにか?を理解する
ことも重要だと、わかりました。例えば、肢体不自由の方は、移動に困難をきたすことが多く、聴覚・言語
障害のある方は、コミュニケーションが難しい。視覚障害のある方は、情報が不足しやすく、内部障害の
ある方は、周りの人に気づいてもらいにくいことも困難の1つである、とのことでした。

それぞれの方がどんなことに不便さを感じているのか、何に不安を感じているのかを知ることが、ユニバーサル
マナーの第一歩だと、学びました。
 
 しかし、いざユニバーサルマナーを必要としている人を目の前にしたとき、多くの人がとっさに声を
かけられないという、経験をしています。私自身も、非常にあてはまるように思いました。

その原因は、「~しなければならない」という意識と、「断られるかもしれない」という不安だといいます。
そのお話の中でとても心に残ったのが、『押しつけ ではなく、選択肢を与える』ということです。

困っている人を見かけたとき、「大丈夫ですか?」「○○できますか?」と聞いてしまうと、答える側も
ついつい、「大丈夫です。できます。」と言ってしまうそうです。
そこで一言、「何かお手伝いできることはありますか?」と聞くことが、選択肢を与えることだと聞き、
それなら私にもできる!と、感じました。

完璧な、100点満点のサポートを目指すことよりも、大切なことは、迷わずに素直にすぐ行動をすること。
完璧を目指して進めないよりも、まず行動、そして、May I help you?の精神で声を掛ける。

今回の講義を聞いて、自分にできることの範囲が広がったように感じました。

ヨリタには多くの人が毎日来院してくださるので、今回のユニバーサルマナー検定で学んだ知識と精神を
意識し、習慣にし、ヨリタ歯科のユニバーサルマナーの【ソフト面】で貢献していけるよう、努めて
励みたいと、思いました。

ユニバーサルマナー検定を受けて
感動クリエーター 安田佳代

ユニバーサルマナー検定の講義と演習を受けて、改めて社会は当たり前のことができる人間を中心に
回っているのだなと、気付かされました。

まず、ご本人も視覚障害を持っている今回の講義講師である原口淳氏が、マナーと、ユニバーサルマナーの
違いを、話して下さいました。マナーとは、「社会の中で人々が気持ち良く生活していく為の、知識や技術」。
ユニバーサルマナーとは、「自分とは違う誰かのことを思いやり、適切な理解の元で行動すること」。
これらは、大前提として必要な事であり、また、何事も他人事としか理解されなかった社会において、
他人事ではないということを意識して理解し、思いやりやおもてなしの気持ちをもって行動する、という事
だそうです。

なぜ、ユニバーサルマナーが必要なのかという所から、深く講義が始まりました。

昔に比べて、近年は障害を持つ方や、高齢者の方々が生活しやすい環境が、整えられてきていますが、
その理由は、環境が変わると、人も変わる。人が変われば、環境も変わるという事だそうです。
それによって、障碍者や高齢者の不便を取り除くための「バリアフリー」、全ての人がより良い生活を
送れるための、「ユニバーサルデザイン」というものが出来ました。

そこで、「障害」とは何か?とテーマが出てきました。
このテーマで、原口氏がおっしゃったのは「障害は人ではなく、環境である」という事です。
今まで、障害とは、身体に不自由な方という認識がすぐ頭によぎってしまうのですが、「障害は環境」である
という事に、ハッとさせられました。何故なら、現代社会において、「大多数に合わせた環境が『障害』である」
からです。わかりやすいように原口氏が例えとして出してくださったひとつとして、「左利きの人にとって、
右利き中心の社会に不便を感じる」という事です。
全てに対して、右側に設置されているものが社会にはたくさんあります。
ですので、障害を持つ方にとって、健常者中心の社会に不便を感じるのは最もであると思いましたし、
なるほどな、と感じました。

そして、障害を持つ方の障害別の割合として、%で出して下さったのですが、身体障害の方は50%を占める
そうです。その中でも肢体不自由な方が日常生活で必要となるのは、「移動」のサポート。
聴覚・言語障害の方だと、「コミュニケーション」が必要。視覚障害の方は、「情報不足」なので情報提供の
サポートが必要になり、内部障害の方は、目に見える障害がないため、周りからの理解がなかなか得られない
など。

様々な不便=障害があります。

また、ご高齢の方の場合も、今までは出来ていたことが、加齢により出来なくなる事が多くなってきて、
自尊心が崩れてしまったり、そのことによって自分はまだ出来るんだと無理をしたりとしてしまい、身体を
壊してしまうケースも多く、「障碍者のニーズを統合してしまった状態」になるそうです。

このように、様々な障害に対して、私たちが出来ることは「さりげない配慮」を心掛けることです。

私たちは無意識に、障害を持った方や、高齢の方に対して「出来ない人」として認識してしまっており、
それによって「〜しなければならない」という過剰な反応を示してしまうそうです。確かにそれは無意識
のうちに、頭で思っているなと感じました。この過剰反応=おせっかいは障害を持つ方にとっては、時々
ありがた迷惑な行動でもあり、自分が何も出来ないという前提でこの人は接していると感じてしまうそうです。

障害がある方も、自分で出来る事はたくさんありますし、ただどこかに不便を持っている以外、他は私たちと
同じなのです。なので、もし障害を持った方にお声掛けする場合は、押しつけではなく、選択肢を与えるのが
大事だという事でした。「〜できますか?」や「〜できないのですか?」ではなく、自分にその方に対して
できること=お手伝いできることがあるかということを聞くのが一番良い姿勢なのです。

「お手伝いできることはありますか?」これは基本のフレーズにしてほしいと原口氏は、おっしゃって
おりました。

こうやってお伝えすることで、障害を持った方が手伝って欲しいことがあることを伝えやすくなりますし、
必要でない場合でも断わりやすくなります。お互い気持ち良くコミュニケーションも出来るので、この
フレーズが、一番良いのだそうです。

そして、私たちから声を掛けようか迷っている場合、障害を持った方は、周囲の迷いや不安な空気を敏感に
感じ取ってしまうそうです。それが心苦しいときもあるようで、その場合は、「迷わず、素直に、すぐ行動」
して、お声掛けするのが良いそうです。

ただ、断られた場合は、「見守る」という、いつでも歩み寄れる距離を置いて、サポートをして欲しいと
もおっしゃっていました。

このように、様々な多様性の中、それに向き合うためには、100点満点を目指さないことともおっしゃって
おりました。障害を持つ方に完璧に接しようとすると、反対にお声掛けするのが難しくなり、自分は何も
出来ない、と歩み寄れなくなるそうです。

優しさと思いやりが大切であり、障害を持った方と向き合うことが大事だと、教えて下さいました。

講義の後、演習問題を受験した参加者の方々と話し合って問題を解いていきました。

特に、私が勉強になったなと感じたのは、公共の至る所で見るマーク。「ほじょ犬マーク(公共施設での
身体障害者補助犬同伴OKの意思を示すマーク)」や「耳マーク(聴覚障害者への対応可能(筆談など)や
聞こえが不自由なことを表すマーク)」、「オストメイトマーク人工肛門・人口膀胱をつけている方が利用
出来る設備があることを表すマーク」」のことでした。

中でも、耳マークはヨリタ歯科でも受付などに設置しておりますし、オストメイトマークに関しては、
原田氏が「オストメイトマークは、特に最近増えてきており、公共のトイレなどにもオストメイトの方が
使えるトイレが身近にあるようになってきた」と、おっしゃっていました。

オストメイトマークは見た事あるような、ないようなと記憶が曖昧だったのですが、検定を終えて駅に
向かい、駅のトイレに行った時に「あっ!」と思わず声をあげる程の発見をしました。

そう、駅のトイレにオストメイトマークが表示されていたのです。

こんなに身近な所に、あったとはと、一緒に検定を受けた安達さんと興奮した程。
早速得た知識を再確認することが、出来ました。

また、今まで知らなかった障害を持った方の気持ちや、違った視点で見れた事により、ユニバーサルマナーに
関して、2時間という短い時間でしたが、深く学べることが出来たと思いました。

<お手伝いは、出来ることから少しずつ  寄田 幸司>

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