院長ブログ

[’07/5/1] 北欧視察研修

No1デンティストクラブ主催の、北欧視察研修ツアーに参加しました。
参加者はNo1デンティストクラブの主催 山本さん、事務局から衛生士 戸田さん
NPO法人歯科診療所評価機構の佐々木さん、上本町ヒルズ歯科クリニック院長 永井先生、
そして私の5名でした。

日程は5月1日から5月7日の7日間です。

まず、初日5月1日は、名古屋のセントレア空港を11:00に出発。
ヘルシンキに14:30に到着しました。
(時差マイナス6時間)

そして乗り継ぎ、そのままストックホルムへ。
空路約1時間でした。

その日は市内にあるFIRST HOTEL AMARANTENで一泊しました。



時差ボケもあって、その夜はぐっすり寝てしまいました。

5/2
いよいよ歯科医院見学。しかし前日からのメーデーの影響もあり医院見学は1件のみ

そこはドクター2人 衛生士2人 アシスタント2人 あと受付1人の構成でした。
海外見学に行くといつも思うのですが、診療室は全て完全個室

しかも広く取ってあります。
私たちが当たり前だと思っていた多くの患者様と同時に複数診る
日本のスタイルが、やはり特殊であると実感しました。

また夏休みを2ヶ月取れる環境1日の診療時間の短さなど、
どれもゆとりがあることがうらやましく思いました。


その後は、スウェーデンの首都、ストックホルム市内観光をしてきました。
多くの規制もあり、街全体が統一されていて、本当に美しい都市でした。
最高気温約10℃でしたが、想像していたよりも温かく感じられました。



まずはヴァーサ号博物館に案内して頂きました。
ヴァーサ号は17世紀に作られた戦艦
当時としては、最大級のもの。

しかし1628年8月10日処女航海で港を出てわずか数百メートルで沈んでしまったのです。
その戦艦が、1961年に引き上げられ、丹念に修復した結果、ほぼ元通りに復元する事が出来ました。

そして30年後、博物館に保存公開されるようになりました。
300年間、海中に沈んでいたとは思えないくらい保存状態は良く、その大きさから
見るもの全てを圧倒するものでした。

その後、市庁舎を見学しました。
ここは毎年開かれるノーベル受賞式(12月10日)後の晩餐会の会場になることで知られています。
その時は、1階大ホールが2000名の人で埋めつくされるそうです。

また市の議員会館なども重厚で威厳がありました。




その他、旧市内観光高台からの展望など十分楽しむことが出来ました。
その後はなんと豪華客船 SILJA LINEによるバルト海クルージングです。

17:00に出航し、翌日の10:00にヘルシンキに到着。


空中ブランコやナイトシー、カジノやジャグジーバス、スパなどもあり、一晩中楽しめます。
(私は酔っ払ってすぐに寝てしまいましたが)

5月3日は、これまた移動で忙しい日になりました。
ゆったり船旅の後は一路ヘルシンキ空港に行き、そのまままたスウェーデンのイエテボリまで逆戻りです。

5月1日のメーデーの休日があり、フィンランドでの医院見学が出来ないため
船でスウェーデンに戻ることになりました。

今日の訪問地は、GOTHENBURG(イエテボリ)
人口は50万人弱、ストックホルムとはまた違う雰囲気でしたが広々とした
美しい街並みでした。また、天候もよく、多くの市民も仕事の手を止めて日光浴をしていました。


まずは一般的な歯科医院、ペアー・ガブリエソン医院に見学しに行きました。
ここでも医院の建物には全く看板はありません。前を歩いていても通り過ぎてしまいそうになりました。
またペアさんは、スウェーデンの歯科大学を卒業後すぐに開業したようです。

診療時間も遅くても5時まで。土日が休みのため前日の金曜日は、もっと早く診療を切り上げるようでした。
何から何まで日本とは違う労働関係でした。
また、専門医制を取れていることもあり、
高度な治療はスペシャリストに任せているようです。

これからは私たちの医院でもスペシャリストを養成し、分業制にしていこうと思いました。



その後、イエテボリ大学歯学部の見学に行きました。
学部長のMats Jontell教授の案内で
学部内を視察することが出来ました。

まずは学生診療室の見学、その後、歯周病棟の見学をしました。

歯周病研究では世界の最先端をいくイエテボリ大学の歯周病教室
直接見せて頂けることは、本当に幸せな事だと思います。
ありえない体験が出来た1日でした。

また直接Mats Jontell教授のレクチャーを受けることも出来ました。



その後、イエテボリ郊外を案内して頂きました。
郊外も、個人の住宅も手入れが行き届き、まるで避暑に訪れた別荘地のようでした。


またイエテボリでの宿泊ホテルも最高でした。
北欧家具に囲まれた素敵なのホテル
もっと宿泊出来たらと思いました。


5月4日は3たびヘルシンキへ。
早朝ホテルを出発し、11時にヘルシンキ到着
まずはヴァンター市立保健所(歯科医院)を見学しました。

ヴァンター市には5つの保健所があり、そこには複数の歯科医師が在中しています。
また夜勤も義務付けられています。私たちが見学した保健所には18名の歯科医師が勤務していました。

また誰でも保健所内の歯科診療所で安く治療が受けられるため、予約がなかなか取れないそうです。
またより高度な治療を希望される場合は、個人の歯科診療所にかかる人もいます。

歯科医師の約半数が保健所勤務。そして半数が個人開業しているとのことでした。
また保健所では、0才~17才まで検診を主とした歯科健康プログラムがあります。
そのため、ヨーロッパでも砂糖摂取量が一番多いにも関わらず、カリエスは最も少ないのが現実です。

その後ヘルシンキ大学見学。
ここでも歯学部長であるJakko Hietanenさんが、私たちを玄関まで迎えてくれました。

ヘルシンキ大学はフィンランドで最も古い歯学部
創立115年です。学生は40名
5年の教育課程の後、1年の保健所での研修を経て
6年間で卒業します。



伝統的に口腔衛生に力を入れている大学です。
卒業後、開業しながら週2~3日、保健所に勤務するドクターもいるくらいです。

また大学の授業料は無料奨学金や下宿代も国からの援助があります。

歯科医師の数は全国で4500人。国の規模からみると日本とそう変わらないでしょう。
また、大学は研究の教育機関として大きな役割を持っていました。

また卒業後年齢に関わらず、歯科医師が学べるカリキュラムが充実しているようです。
私たちの見学の時も多くのドクターが実習室で模型実習を行っていました。
日本の大学ではあまり見かけない光景でした。

そしてこの日の最後は市の中心部で開業している個人の歯科医院見学です。
この歯科医院はフィンランド全国で200ヵ所の医院を開設しています。
全医院で、350名の歯科医師が勤務しているとのこと。

また経営は株式会社が行い、
ドクターが株主になることも可能だそうです。

この医院は21名のドクター6名のDHアシスタントは3名でした。
また院内に独立した歯科技工所があり、家賃を払って院内開業しているそうです。

またDHによる定期検診は、主に1年に1回約50分で、キシリトールフッ素の摂取方法やブラッシング指導
行っているとのこと。
検診はは約15,000円くらい。その内、7割が患者様負担という事です。

初診はもちろん完全個室
受付での対応もカウンターが3つに分かれていて
同時に、3人が予約を取れるようになっていました。

プライバシーの保護が、どこでも守られているのが印象的でした。

宿泊は、スカンディック・シモンケンタホテル
ヘルシンキ中心部のバスターミナルと、地下でつながっており買い物なども便利でした。

土日は歯科医院も全て休み、
主にショッピングや観光を楽しみました。

5月5日は、朝から市内観光です。

まずはトラムという路面電車に乗り、ヘルシンキ大聖堂へ。
その後、港に面したマーケット広場へ。






その後、まだストックマンデパートやアアルトやイッタラなど、
フィンランドを代表するお店でのショッピングを楽しみました。
そしてアテネウム美術館デザイン美術館などに見学に行きました。



そして船で約15分、フィンランド唯一の世界遺産である
6つの島からなるスオメリンナ要塞(フィンランドの城)に渡りました。

そして夜は、チンペリアウキ教会でコンサートに行ってきました。
この教会の外壁は、切断された岩からできていて
その内壁も、岩壁がそのまま使用されています。

また天井は木のドームで覆われた、本当に美しい教会でした。

ということで、想像以上に実りある7日間を楽しむことができました。

この旅を終えて感じたこと。

それは、スカンジナビア人の笑顔と親しみやすさ
そして、時の流れがゆったりしていることでした。
土日はもちろん、金曜日も半日休み。夏は4週~8週の夏期休暇を取る。
そんな自分らしい生活を楽しみながら、仕事が出来ればと心からそう感じました。

自分らしく生きるために、まだまだやらなければいけないことが多くある、
そう感じることが出来た、7日間でした。

?<豊かなスローライフを楽しみたい 寄田 幸司>

 

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