Vol.181 2014 ワクワク楽しい経営日記パート2 ~開業後数年後に起こる問題とその解決方法 その②~
B 患者様関連の問題
開業して数年経過して起こる、患者様との問題は、
やはり予約が取れない、
待ち時間が長い、ゆっくり話を聞いてもらえない、
丁寧に診療してもらえない、
ということに尽きるのではないでしょうか。
それら全てを解決する方法は簡単。規模を、拡大していくことです。
私の場合は、開業時、ドクター1人、衛生士3人、
チェアー3台でスタート。
開業10年後、医院を大きくリニューアル。
現在、ドクター6人、衛生士16名、受付4名、アシスタント4名、
事務スタッフ3名、その他3名になりました。
さらに、駅前のテナント立地にも関わらず、
駐車場も9台、駐輪場も30台、確保しました。
待合室も2フロアに分け、約20人程お待ち頂けるようにしました。
また、小さなお子様をお持ちのお母様も
安心して診療して頂けるよう、保育士さんもいます。
会計待ちもなくなるよう、受付カウンターを拡大し、
受付メンバーも、常時3人いるようにしました。
2フロアと分かれているため、各階にモニターを付け、
今どのチェアーが稼動しているのか、
全員が把握できるようになりました。
また、各チェアーサイドに予約画面を表示し、
リアルタイムで予約状況がわかるようにしました。
さらに、患者様とのコミュニケーションをしっかり取り、
診療後の説明も出来るよう、カウンセリングルームも、
2部屋作りました。
それらにより、1日150人までの患者様に、
信頼と満足を与える診療が出来るようになりました。
診療室には、退屈しないようオリジナルスライドショーを流し、
ワクワク楽しい小冊子などでも、多数用意しました。
患者様が多い…スタッフも多い…医院の清掃も大変…。
しかし、常に医院を美しく保つため、
クリーニング専用のスタッフも採用しました。
滅菌スタッフを、雇用している医院はあると思いますが、
常に清掃担当スタッフがいる医院は、少ないと思います。
このように費用をかければ、ハードは充実します。
しかし、大切なのはソフトの充実。
医院の評価が高いと、患者様の要望もさらに高くなります。
そのため治療レベルの安定と統一が、欠かせません。
例えば、Dr.間では治療レベルの差があったり、治療方針が違ったり。
また、衛生士や受付でも知識やスキル、対応に差があったり。
以前は良かったのに、人が変わったため、
スタッフの質が低下した、などなど。
それでは、大きなトラブルになります。
そこまではなくても、前回と今回で説明の仕方が違うという、
ささいなことでも、問題になることもあります。
このように、人が変わっても変わらないヨリタ歯科にふさわしい対応、
ヨリタ歯科らしい治療方針、ヨリタ歯科ならではのおもてなしが、
職種に関係なく出来ることが、望まれます。
そのための院内外研修に、時間とお金をかけ続けています。
患者様とのトラブルを防ぐには、
医院のレベルを上げ続ける以外ありません。
なぜなら、患者様の要望と要求は常に変化し続けるからです。
そして、努力をし続けた結果、患者様から認められ感謝されることで、
私たちも、やりがいが生まれ、仕事を楽しむことが出来るのです。
C 私自身の問題
私自身、仕事で一番後悔していることは、以前にもふれましたが
私の最愛の母が亡くなった時、診療室にいたこと。
大切な人の元に、駆けつけなければいけない状況さえも、
患者様(仕事)を、優先したこと。
その後、喪に服した1年間は、
自分を見つめ直す、貴重な時間となりました。
今までの自分の生き方を考え直す、有難い時間となりました。
これからあるべき姿を模索する、有益な時間となりました。
この間、多くのビジネス本や自己啓発本を読みました。
一般企業への見学にも、行きました。
そして、私が出した結論。
今までの補綴中心、自己中心のビクビク怖いワンマン経営から、
予防中心・メンバー中心のワクワク楽しい医院経営へ移行したのです。
すなわち、感動、感謝、ワクワク楽しい歯科医院の誕生です。
しかし、最初は、うまくいく訳がありません。
周囲からは、猛反発。
残念ながら、一部のスタッフは、私の元を離れていきました。
また、医院を全面改装し、新しくチェアーも5台導入しましたので、
今までの蓄えは全てなくなりました。
そう、一からのスタートです。
私は当時を、ヨリタ歯科クリニックの第2創業期と呼んでいます。
しかし、有難いことに、本気、本音、本心でスタッフと向き合うことで、
それまで心を閉ざしていたスタッフが、一人また一人と
私に心を開いてくれるようになったのです。
本当に、有難いことです。
もし、母のことがなければ、
これほど強い気持ちで自分の生き方を変えようと
思うことはなかったと思います。
人生これからも、いろいろと予期せぬようなことが起こります。
それをどのようにとらえ、
そして、どのように行動して移すか…それは自分次第です。
大切なのは、まず自分を信じること。
次に他人(周囲の人)を信じること。
そして、明るい将来が来る日を、信じることなのです。
―――― 今回の学び ――――
ワクワク楽しい歯科医院には、明るい未来が待っています。