Vol.179 2013 ワクワク楽しい経営日記パート24 ~健康プロモーター 井上さん インタビュー その③~
~ 健康プロモーター 井上さん インタビュー その③ ~
Q・2年後、3年後に自分がどうなっていたいのか、
具体的に、お聞かせいただけますか?
A・もっともっと、カウンセリングの場が広がればいいな、と思いますね。
今まで何度も取り組んでいますが、中々浸透していかない部分がありました。
皆が、同じレベルでカウンセリングをしていくことが、一番重要かと思います。
また、カウンセラーや歯科スタッフなど、
モデリングしている人はいないのですが、
自分たちの医院のメンバーを見ていて、『これはすごいな』と
思うところがあります。
身近なので、影響を受けやすい。
刺激になるので、その都度真似しています。
『私もこうしよう』
『こういうところが、私には足りていなかったな』
と毎日思い、自分たちの医院のメンバーをモデリングをしています。
Q・ヨリタ歯科さんにおける、井上さんのオンリーワンは何ですか?
A・笑顔No.1を、私はいつも目標にしていています!
アワクレドにも、あるのですが、笑顔は人に伝わります。
笑うことで自分だけでなく、周囲も楽しくなります。
Q・後輩に、カウンセリングを指導する場合、何から始めて
どういう順番で教えていきますか?(マニュアルがあれば、それを含め)
A・まずは、コミュニケーションシートに
書いてある順番に聞いて下さいと、お話します。
しかし、順番通りに答えが得られるわけではありません。
あまり肩肘張らず、その人の話をゆっくり聞くことが、大切です。
あとは、患者様がお話をされたことは、そのままの言葉で
シートに記入して下さいと。
自分の言葉に変えず、です。
たとえば、『歯茎が腫れた』と聞くと、
私たちは歯肉炎とか歯周病が、原因だと思います。
ある患者さんに『歯茎が腫れたのは、何が原因だと思いますか?』と聞いたら、
『虫歯じゃないかなと、思うんです』と、おっしゃったんですね。
私たちにとっては、意外な答えです。
必ずしもその患者様は、
『歯茎が腫れた=歯周病・歯肉炎』に繋がっているわけでは、ないのです。
「ムシ歯に食べ物がよく詰まるから、それが原因でそこの歯茎が腫れている」、
だから患者様は歯茎が腫れた原因は、私たちが思う歯周病ではなく、
ムシ歯だと確信したのです。
私たちは、先入観が入ってしまうので、
『患者様のおっしゃった言葉は、専門用語を交えずに書いた方がいいよ』
と、お話をするように、しています。
新人は、一番患者様の立場に近いから、
気持ちを分かってあげやすい部分もあります。
そこは「自信を持って聞いてあげてね」と、話をしています。
Q・カウンセリング(治療前、後の説明を含めて)を、していない先生、
スタッフの方へ、メッセージをお願いします。
A・私たちの医院は、2つカウンセリングルームがあり、環境が整っています。
最初から、カウンセリングルームはあるところは、
新規で開業されている医院さんぐらいで、中々ありません。
この場合、待合室や、受付でお話をします。
診察室では、患者様の横、もしくは前に行って、
声をかけるというところから始めるのが、一番良いのでしょう。
患者様に振り向いてもらうのではなくて、自分たちが前に行って話をします。
視線を、相手に合わせるだけでも、違ってきます。
私が以前働いていた、チェアー2台の歯医者さん。
そこでは、院長室をカウンセリングルームにされていました。
診察中はきれいに片づけ、患者さんとの話をする場所にしていました。
必ずしも整っていなくても、出来るところからやる。
前から横から話すことや、待合室で話す。
どんな状況であっても、工夫しながら始めたらいいと思いますね。
ただ待合室になると、
お口の状態を知られたくない患者様もいらっしゃるので、
全てが当てはまるわけでは、ありません。
しかし、日常的な会話は出来ると思います。
また、いきなり環境がゴロっと変わると、
びっくりされる方もいらっしゃると思います。
出来ることから、順を追っていきましょう。
だんだんと、それが医院の文化になっていきます。
Q・最後に、カウンセリングをやってみようと、思われている全国の先生、
スタッフに一言、メッセージをお願いします。
A・カウンセリングは、そんなに難しいことではありません。
ただ人の話を、心をニュートラルにして聞くだけ、いいのです
大きな心で、そこはスタッフに任せる気持ちが大事です。
スタッフにとっても、任せられている充実感から、やる気が生まれます。
もっと、こうした方がいいのではという意見も、きっと出てくると思います。
だから、とりあえず、やらせてみる。
そしてうまくいった時には、心からほめてあげる。
そう、人はほめられることで成長できるのですから。
そのためには、先生が大事にするのは、
スタッフの行った内容に対して、決して文句を言わないことです。
ただそれだけで良いんです。
私も院長に、『井上さんだから、患者さんも、心を聞いてくれたんだね。』と
言って頂けたことがあって、すごく、うれしかったです。
やはり人の気持ちを聞くって、労力のいることなので。
―――― 今回の学び ――――
ワクワク楽しい歯科医院には、魅力あふれるメンバーが多数います。