Vol.145 2012ワクワク楽しい経営日記パート14 ~人が成長する組織作り~
経営者の仕事は、人が成長する組織を作ること。
決して、指示命令するのではありません。
決して、無理矢理させるのではありません。
何も言われなくても、その人が自らの意思でやりたくなる、
やってみようと思わせるように、環境を整えることが大切。
しかし、思うように動かなければ、じれったくなり、
自分でやってしまうこともしばしば。
「何故、このように出来ないの」
「何故、このようにやろうとしないのか」
と、相手のモチベーションを下げさせる行動を、取りがち。
答えを教えるのではなく、答えを導くようにするのがベスト。
そして、経営者の一番の職務は、人が成長する組織を作ること。
そのために、一人一人をよく観察すること、話しかけることが大切。
この人が成長するため、自分には何が出来るのか、
この人がより輝くために、新たに、どのようなステージを、
与えればよいのだろう。
常に、その言葉を自分に投げかけることが、必要です。
そうすると、今まで見えなかったことが見えてきます。
気づかないことに、気づくようになります。
そして、その人に合った提案をすることが、出来るようになります。
後は、励まし、その人が出来るようになるまで、応援し続けるだけ。
時間をかけて、あせらず、成長するのを待ち続けるだけ。
そう、暖かく見守るだけでいいのです。
人は期待に、そむくことはありません。
人は期待に、必ず応えてくれます。
そして、人は時には、期待以上の働きをするもの。
そう、信じるだけで、スタッフは経営者の思いに、応えてくれるものです。
日本陸軍 山本五十六大将の、有名なことわざがあります。
「人は神ではない。誤りをするというところに、人間味がある。」
その通り、この教えを忠実に実行すれば、
人は必ず自ら進んで、行動を起こします。
私も、過去そうだったのですが、上手くいかないのは、開業当初から、
患者様がたくさん来てしまうこと。
開業当初、予想以上に患者様がたくさん来ると、
時間に追われる診療になります。
身も心も、余裕がなくなります。ついついイライラしてしまう。
待ち時間も長くなると、何でこんなことも出来ないのと、
周りに当たったりします。
患者様が大事、売上が一番重要となると、治療ばかり目がいきます。
周りが、更に見えなくなるのです。
私の場合は、開業4ヶ月目でスタッフ全員(衛生士3名)が、
その日で辞めるという信じられない経験をしました。
目先の利益ばかりを、追い求めていた結果。
患者様が少なかったら、逆に、スタッフ問題は起こらなかったと思います。
その時の私は、まだまだ経営者としては、半人前。
自分のことばかりで、人の立場に立ち、物事を考える余裕は、
全くありませんでした。
だから、国家資格の持つ医療人が、次の日、40名の患者様の予約が
入っているにも関わらず、自分たちの都合だけで、職務を投げ出すなんて。
仕事がつらい、楽しくない、という理由だけで辞めてしまうなんて。
もっともっと、改善点を指摘し、仕事にやりがいを感じられるよう、
職場改革をすることなく、職場放棄するなんて。
そう、変わることのない他人ばかりを、責めていました。
しかし、それからも数年間、同じことが次々と、起こったのです。
すなわち、新しくスタッフを採用しても、
3~6ヶ月で、また辞めていったのです。
その間、約300名を越える方々と面接をしました。
その時の私は、自分の手足のように思うまま、指示するまま、
動いてくれる人が有能なスタッフであると、信じていました。
今思い返すだけでも、ぞっとします。
退職した人には、本当に申し訳ない気持ちでいっぱい。
しかし、辞めて頂いたお陰で、こんな私でも、
やっと気づくことが出来たのです。
その意味では、やめて頂いた人に、心から感謝です。
過去の私は、自分のことは棚に上げ、全て人のせい、
環境のせいにしていたのです。
開業前は、誰しも高い志と大きな夢を持っています。
やりたいことで、頭の中はパンパン。
でも、思ったことが即形になることはありません。
なぜなら、歯科医師は職人、技術者だから。
人に頼ることなく、何でも自分でやろうとします。
ある意味、人を信用していません。
経営者として、最も大切なことは、人を信用すること、
また、任せきること。
何かあった時、自分が全て責任を取る勇気を持つことです。
―――― 今回の学び ――――
ワクワク楽しい歯科医院には、人が成長する組織が出来ています