Vol.140 2012ワクワク楽しい経営日記パート9 ~開業立地 その①~
今回は、開業地の選択について、お話してみたいと思います。
具体的に3つの立地について、話しします。
駅前立地の場合
たとえば駅前であれば、大きなターミナルでの開業です。
そうなると、もちろん地代家賃は高い。それもビックリする位。
坪3万くらいかも。それにもちろんテナントです。
大きなターミナルの近くで、自分の土地を持って、
歯科医院を開業する先生は、いない。
坪数も、25~30坪ぐらい。ビルの2階とか3階で、地代が高い中、
やっていくので、他の歯科医院とは違う、圧倒的な強みがないと難しい。
また、まわりにも、出来る先生が多数集まっているので、明らかに競争が厳しい。
それを知って、参入する先生は、只者ではありません。
先生の技術も高いですが、来られる患者様の欲求度も、高い。
シビアな患者様も、たくさんいらっしゃると思います。
圧倒的な設備のもと、高度な技術を駆使し、高付加価値の、
自費を中心にした医院になります。
自費率を高めるため、1日40人も50人も診ることは出来ません。
完全個室、1人の診療時間は少なくとも1時間~1時間半。
すると、日に10人、多くても15人ぐらいしか診ない診療体系。
自費率を高めようとすると、審美やインプラント、歯周外科が中心の診療。
もちろん、子どもは診ません。もしかして、一見さんお断りかも。
欲求度が高い患者様を、得意としている先生であれば、
リスクは高いかもしれませんが、自分の腕を信じ、駅前立地の自費率を高める
医院経営をやっていくのもいいと思います。
こういう先生は、たとえば着るもの、身につけるものにもブランドなど、
こだわりを持っています。
しかし、キラキラしたブランド品で全身を被っているのではなく、
自分の気に入ったものを、大切にするということ。
何事にも、こだわりをもつ先生なら、必ずファン患者様も出来ます。
どんな厳しい状況でも、必ず結果を出します。
ショッピングセンターの場合
郊外の大型のショッピングセンターでの、開業です。
具体的には、駐車場は1000台以上。
その中で、歯科をオープンさせるということは、
基本的には年中無休、少なくても、土日診療は当たり前。
週1回、休みはあるかもしれませんが、基本的には盆も正月もやるというスタイル。
ショッピングセンターでの最大の利点は、認知されやすいこと。
半径15km圏の人が訪れる、好立地。
しかも、医院の宣伝をしなくても、「ここに医院がある」ということを知ってくれます。
ショッピングセンターには、ファミリーで来ます。だから土日は大忙し。
しかも、365日オープン。もちろん1人ではできません。
複数の先生を採用、しかもシフトで回す医院経営。
子どもも、大人も来ます。予防もやっていかなければなりません。
子ども用チェアー、大人用チェアー、予防チェアーと、医院を3つに
ゾーニングすれば、訪れる患者様にも分かりやすい。
それと、ショッピングセンターも、家賃が高い。
そうなると、25坪で開院する場合、スタッフルームやトイレは割愛して下さい。
無駄を徹底的に省き、そのかわりチェアーは25坪でも5台入れ、
効率の良い診療体系が、求められます。
新興住宅地の場合
そして、新興住宅地での開業。新興なので、若い世代の人が中心。
家のローンを抱えている人も多い。だから、自費はあまり出ない。
新興住宅地開業の先生は、口コミで患者様を集めて下さい。
たとえば、母親教室を定期的に開催したり、イベントを開催したり、どんな形であれ、
情報発信をやり続ける必要があります。
メルマガやブログ、フェイスブックなどのソーシャルネットワークを
最大限に利用し、出来るだけお金をかけない、けれど、口コミで広がる地道な
活動をやるのがベスト。
だから、休日や、旅先であれ、パソコンやスマートフォンは手放せません。
そしていつも、ブログネタを考えながら行動しています。
私たちの医院では10年前、
『カムカムクラブ』という子どもたちが定期的に集まる、コミュニティを作りました。
このように、予防専門クラブを作るとか、
定期的に、母親教室で歯の健康情報を、発信していくことが大切。
駅前、ショッピングセンター、新興住宅地という、
3つの異なる立地条件で、あなたの目指す診療スタイルに、
一番どれが近いか見極め、場所を選択するのが正解。
地縁も、大切であると思います。
『なぜ、この場所を選んだのか』と明確に答えられることが、重要。
だから単に、場所がいいからやる、ただ単に材料屋さんの
『この周りに歯医者さんがなく、穴場です』
という言葉を信じ、知らない土地でポンと開業するのは、リスクがあります。
出来れば、以前そこに住んでいた、あるいは、すごく思い入れがあるか、
ココでないといけない、など確固たる理由が、必要です。
そんなこだわりの地に、開業することが、ベストです。
―――― 今回の学び ――――
ワクワク楽しい歯科医院は、立地にもこだわります。