Vol.139 2012ワクワク楽しい経営日記パート8 ~経営計画~
今回より、さらに踏み込んで、新規開業についての、
私の考えをお話していきます。
短期経営計画について(開業1年目)
ヨリタ歯科クリニックを開業時(今から20年前)、1ヶ月目から30人ぐらいの患者様が来院しました。
月の途中から開業しましたが、初月で30万点近く、2ヶ月目には40万点を超えました。
私だから出来たのではない、時代がよかったのです。
だから今だと、短期でまず目標にするのは保険点数、1ヶ月目20万点、
1日患者様来院数20人。
それを、出来るだけ早期、例えば、開業してから3ヶ月から半年の間で達成する。
それ以下なら、大変な労力とリスクを背負い、開業する意味がありません。
短期目標は、出来るだけ早く20万点、20人に乗せること。それに尽きます。
中期経営計画(開業後3~5年後)について
開業して良かったと思うのは、
一日患者様来院数35人~40人に達した時、日々充実。
資金的にも、余裕が出てきます。
35人~40人を、3年で達成したい。
そうなると、月保険点数40万点~50万点は確保出来ます。
ドクターは最初、もちろん私1人。
1人でどこまで切り盛りできるか、体験するのも大事。
治療だけでは、上手くやっていけない時代。
これからは、予防ベースの歯科医院経営が求められています。
予防を取り入れると、治療では40人、出来る衛生士さんが複数いれば、プラス20人。
来院数は1日60人。晴れて、成功したドクターの仲間入り。
保険点数は、10人で10万点。60人だったら60万点です。
さらに、自費が、月200万あれば、月収800万。
上手くマネージメント出来れば、
ドクター1人でも、年間1億円くらいの医業収入を得られます。
開業当初は、気力も体力もあります。がむしゃらに、走り続ける時期です。
だから、妥協せず、限界をつくらず、やりきることが大切です。
最初から、この場所だったら、これ位しか無理だと、限界を作らないでほしい。
まずは、これ以上できない、
もしくはこれをあと5年続けると、気力、体力が持たない
というところまで、突っ走ってほしい。
長期経営計画(開業5年~10年後)について
5年経過、年間1億円の医業収入が得られた。それ以上目指すのか。
さらに規模を拡大していくのか、このまま現状維持でいくのか、分かれ目になります。
患者様の人数が増えることは、スタッフの数も増えるということ。
そうなると、スタッフ問題が出てきます。
小さな個人商店から、会社組織(医療法人など)になる過程で起こる大きな問題は、
人の問題。
具体的には、急にスタッフが辞めてしまう、信頼を寄せていたスタッフに裏切られる。
周囲から、あることないこと言われたり、
成功すると同級生や友人からも、やっかみとか嫉妬されることもあるかも。
人を信じることができない程、落ち込むこともあります。
今まで仲が良かったのに、急に自分の方が、売上が伸びてしまい、
段々話が合わなくなり、疎遠になる、そういうこともあります。
年間医業収入1億円は、歯科医院の場合、100軒のうち数軒。
自分だけが1人浮いてしまい、居心地が悪いと思うのであれば、
逆にそれ以上は望まない、無理しないのがよいと考える人も、いるかもしれません。
でも、もっと上を目指す人、自分が一番だと言う人は、ドクター1人ではもちろん無理。
人を育成するシステムを作り、ドクターを複数採用して、さらに2億、3億を目指す。
もしくは、分院展開をするかもしれません。
長期計画を立てる時、自分がさらに拡大路線を目指すのか、
自分1人でやれる範囲内でやるのか、考える時期が来ると思います。
この時の判断がすごく難しい。
悩みます。なぜなら、一度大きくしてしまうと元には戻れないからです。
お金のためだけ、私利私欲のためだけに大きくするのは、必ずしっぺ返しがきます。
利益ばかりを追求しても、意味がありません。上には、上がいるからです。
歯科医療で、莫大な利益を上げるのは不可能。
私たちがつくる商品は、全てオーダーメイド。
大量に作ることが、できないものばかり。
『なぜ、医院を大きくするのか』とか
『なぜ、人を採用していくのか』という根本的な問いかけが、必要だと思います。
高い志があり、そこに理念があれば迷うことはありません。
人が、集まってきます。
どんどん、人が育ちます。
決して離れることのない、最高のチームが出来ます。
しかし、自分だけの利益を追求すれば、
振り返ると、そこには誰もいないということになります。
さらに、歯科業界への貢献ということも考えてほしい。
自分1人では、成功できません。
周りの支えてくれている人への感謝の気持ちを、いつも持つ必要があります。
そして良いことは、皆に教え、広めていきましょう。
その上で、『本当に、自分は何をしたいのか』を、考えてください。
答えは全て、自分の心の中にあります。
―――― 今回の学び ――――
ワクワク楽しい歯科医院は、医院の存在意義が明確です。