ワクワク楽しい経営日記

Vol.83 2009ワクワク楽しい経営日記パート24  ~ドクター研修 その④~

前回の続き。
診療終了後、その日にお越し頂いた患者様の症例検討会ドクター全員で行っています。
その中で、いつも思うこと。

出来るだけ歯を削ってほしくない抜かないでほしいという患者様に対し、
予後不良と判断した歯を抜いて、その両脇の歯を削って、
ブリッジ(橋渡し)をする担当医。

初診のみでは、信頼関係が築けないにも関わらず、
まずは、歯の改善の為にと、ろくろく治療計画を説明することなく、
衛生士による初期治療を優先する担当医。

痛みがあるにも関わらず、予約が取れていないからと
アポイント(予約)を、一週間先に取る担当医。

診療室が込み合っているにも関わらず、周囲を気にせず
自分の患者様だけを、ゆっくり見ている担当医。

私たちのように、カウンセリングから始まり、スマイルアンドコミュニケーション
大切にしている歯科医院でさえ、いまだこのようなことが起こっています。
だから、症例検討会私の思いを伝えています。

何故なら、ドクターは職人
自分の考えや、やり方を押し付ける傾向があります。

何故なら、ドクターは技術職
自分の持てる技術を、ひけらかす傾向があります。

何故なら、ドクターは自信家
こうあるべきと、自分が思う理想を追求する傾向があります。

この患者様は、時間がないから1度に多く見てほしい。
だから、1回1時間取り集中して治療を始めていきましょう。

この患者様は、削るのがイヤ
だから、主訴を改善したら治療に慣れ、安心してもらうよう、
小さな処置から行い、出来る限り緊張を取り除きましょう。

この患者様は、歯を抜かれるのがイヤ
ならば、何とか抜かなくてもいけるよう、全力を出しましょう。

患者様の立場に立って考えれば、検査やレントゲン結果が同じでも
治療方針は、その人より大きく変わります。
いや、変わらないといけないと思っています。

まずは患者様の要望に、出来る限りお応えする。
そして患者様が、自ら選んだ治療方針に沿って治療を進める。
だから、最高の満足を得ることが出来るのです。

その結果、今後何かあれば、私たちの提案も素直に聞き入れてくれることでしょう。
信頼関係を築くことが、まずは第一優先。

物事には、順番があります。
一方向に説明する、こうすべき、これしかない、今しないと大変なことになる。
そんな威圧的な態度の中から、信頼は生まれません。

症例検討をする中で、柔軟な考えをする。
色んな方向から、検討出来る力をつける。
人の話しを、素直に聞く姿勢を身に付ける。
お互い、意見を言い合える関係を作る。

これが大切であると、考えています。

今回の学び 素直に人の話しを聞こう
番外編 「診療室に立つ君へ」

ある日の出来事。
一週間前に修理した上顎の部分入れ歯が、再度破折した患者様が訪れました。
そして申し訳なさそうに、私に一言。
「また、前歯で硬いものを咬んでしまいました」。

お口の中を見ると、下顎は前歯しかありません。
だから、前歯でしか咬めない。
そのため硬いものでも食べることが出来るよう、しっかりした上の入れ歯を作る必要があります。

破折した入れ歯を見ると、確かに修理した跡はありました。
しかし、強度が足りない。
一度破折した所は、割れやすい。
だからこそ今度は、絶対に割れないよう補強する必要があります。

今回も前回同様担当の先生に、修理するようお願いしました。
何が良くなかったのか、学んで頂くために。
どのような態度で患者様に接するのか、どのように修理するのか、
私は隣で診療しながら、見る(観察)することにしました。

しかし…なかなか来ない。
何やら忙しそうに、他の患者様ばかり診ている。
まるで、その人を避けるように。
まるで、私がヒマそうなので、「あなたが診たらいいじゃないですか」と言わんばかりに。

そして、やっと修理が始まった。
彼は何もなかったかのように、黙々と入れ歯の修理をしている。

何故一言
「たった一週間で入れ歯が折れてしまって、誠に申し訳ありません。
 今日も、私が責任を持って修理させて頂きます。
 今後も何かあったら私に言って下さいね」

そう言ってから、修理を始めないのか。
その一言があれば、患者様も「ああ、やっぱりここに来て良かった」と思ったことでしょう。

修理が終わり、私が確認することに。
そして彼に一言。
「また一週間後、この患者様は来院することになりますね。」

そう、ただ単に修理しただけ。
「今度は、絶対破折しないようにしよう
そんな気持ちが、かけらも込められていない修理。
ちょっと、悲しくなりました。

心がこもった修理であれば、その入れ歯を見た患者様は
「ああ、やっぱりここに来て良かった」と思ったことでしょう。
何か起こった時こそ、その人の医療に対する姿勢患者様に対する思いが表れます。
何となく治療をする、仕事として診療にあたるのでは、成長はありません。
そこに、感謝や感動はありません。
今回も多くの学びを、得ることが出来ました。

同じ日に、こんなこともありました。

一週間前に、治療が終わった女の子。
今日は、虫歯予防のフッ素を塗りに来院。
イヤな治療が終わったので、今日はいつもより楽しそうです。

念のため、虫歯チェック。
すると、明らかに大きな虫歯が5本見つかった。
一週間前のカルテには、全て治療終了と担当医が大きく書いてある。

お母さんに対し、私は
「申し訳ありません、まだ虫歯がありました。今日を含めあと2回治療をさせて下さい。」
それを聞いて女の子もお母さんも、少しガッカリ。

今までずっと家族で来てくれている方だったから、治療をさせてもらえることが出来ました。
もし初めての方だったら、どうなっていたことでしょう。

私はその担当医に、すぐに来るよう指示を出しました。
しかし、この担当医もなかなか来ない。
他の治療が忙しくて。
そして担当医は女の子と一言も言葉をかわすことはありませんでした。

何かが違う。
明らかな虫歯を見落としたのは、問題がある。
しかしもっと大きな問題は、その後の態度

一週間前に治療を終えた患者様が来ている。
今日はクリーニングの日。
しかし、虫歯治療が必要とのこと。

すぐに駆け寄り、
「また虫歯があったのですか、申し訳ありませんでした。
 良ければ治療の続き私にさせて頂けないでしょうか」
一言があってしかるべき。

なのに、無関心。
その一言があれば、「ああ、やっぱりここに来て良かった」と、お母さんは思ったことでしょう。
ちょっと、悲しくなりました。

何か起こった時こそ、その人の医療に対する姿勢患者様に対する思いが表れます。
何となく治療をする、仕事として診療にあたるのでは、成長はありません。
そこに、感謝や感動はありません。

担当したからにはその患者様に、「私に出会えて本当によかった」と思って頂けるよう、
最大限の努力をする必要があります。
その気持ちがなければ、右手にタービン、左手にミラーを持ち、
右足でフットペダルを押し、左足で診療室(ヨリタ歯科クリニック)に立ってはいけないのです。

高い志と深い愛広い思いやりのある人こそが、真のヨリタ歯科メンバーなのです。

今回の学び 診療室に立つには覚悟が必要。

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