ワクワク楽しい経営日記

Vol.79 2009ワクワク楽しい経営日記パート20  ~クレームその④~

私たちが望む最高のチームを作るため、クレームは避けては通れないこと。
パートナー医院の先生からのクレーム報告です。
今回は患者様ではなく、愛するチームメンバーからのクレームでした。

しかも、その医院での中心である衛生士さんからのもの。
診療中、しかも周囲に他にメンバーや患者様がいる前で若手ドクターに対し、
その衛生士さんが一言、「ふ・ざ・け・ん・な」。

若いドクターは、その言葉に対し、
「診療中、しかもドクターである私に対し、君はなんと言うことを言うのだ」と反論。
診療終了後の終礼でもその問題を取り上げました。
その時の彼女は、悔し涙を流していたそう。

当事者である若手ドクターより日々送られてくるドクター日報で、その報告を受けました。
私はその日報を見たとたん、しびれました。

最高のチームワークを築くチャンス!
若手ドクターと共に自分も成長出来るチャンス!
メンバー全員で、医院のあるべき姿を描くチャンス!

そう心の中で叫びました(チョット大げさですが)。
早速若手ドクターに、コトの真実を電話で確認。
その後、彼に私がした2つの質問

その①「その事件(?)後、彼女との関係はどうなりましたか。」
その②「彼女は以前にも、そんな暴言を診療室で言ったことがありますか
    また、他で聞いたことはありますか。」

答えその①「最悪です。完全無視。全く口を聞いてくれなくなりました。」
答えその②「いいえ、診療室はもとより、他でもそんな言葉は聞いたことはありません。」

そこで、私が彼に言った助言。

「先生申し訳ないけど、診療中多くの人の前であのような言葉を
 言わないといけない状況を作ったのは、先生のほうじゃないですか。」

「極端に言えば、先生がいなければ彼女も仕事を楽しめ、
 そしてチームワークも出来るんじゃないですか。」

「チームの和を乱す人が、そこにいたんじゃないですか。
 本当に大切なのは、スタッフがいかに仕事に集中出来る環境を作るかです。
自分の言うがままに動くスタッフを、作ることではありませんよ。」

その後の彼は、頭が混乱したのか眉間にしわを寄せ、真剣な眼差しになりました。
そして、長い沈黙がありました。
その間私も何も語ることなく、彼の目をじっと見つめていました。
いつくしみの心を持って。

そして、ようやく分かったようです。
自分に非があったことを
その後、彼は彼女に、つらい思いをさせたことに対するお詫びと、
その場で言ってくれたことへの感謝の気持ちを伝えました。

またそのことをミーティングで取り上げ、メンバー全員で話し合ったそうです。
その後、急速に関係は改善されました。
私もホッとしました。
正直、嬉しかったです。

クレームは起こります。
いつも時間と人に追われ、緊張と集中を強いられ診療しています。
それは仕方ないこと。
プロ同士なので、お互い譲れない部分があるのでしょう。

捨ててはならないプライドと、しがみついてはならないプライドがあります。
状況により、使い分ける必要があります。
今回も、多くの気付きがあったことでしょう。

大切なのは、影でコソコソ話すことではなく、勇気を持ってその場で話すこと
その問題を当事者間だけのものとせず、きっちり報告し、アドバイスを受けること
そして、皆で話し合うこと。

正しいプロセスを踏めば、解決出来ないクレームなどありません。

今回の学び  クレームはメンバー全員で共有しましょう

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