Vol.24 理想の歯科医院を目指して パート3 ~ある日突然、スタッフ全員いなくなった~
開業から4ヶ月になろうとしていました。
その間、診療は順調で、患者様も多く、1日約40人来院していました。
新規開業の目安としては、
1日来院数40人、レセプト200枚超。
保険点数400点超は、まずは優秀であると思います。
自分はやはり出来る。自信は過信ではなかったと。
さらに、鼻持ちならないイヤな人間になっていました。
あの出来事が、なければ。
順調すぎるぐらい順調の中で
唯一の問題点といえば、2ヶ月前ぐらいから、
3人のメンバー間の様子がおかしいかなと、思うことがあったこと。
すなわち、人の問題です。
どうも2対1と、3人の中で
グループに分かれている雰囲気なのです
(一人なので、グループとは言わないかも)。
具体的には、
・ 診療中、一人が孤立している時がある。
・ 患者様とは笑顔で気さくに話すが、スタッフ間では
必要最低限しか話さない。しかも笑顔がなく、
表情がこわばっている。
・ 3人とも帰りが同じ方向で、一緒に帰っていたのに、
最近バラバラで帰っている。
・ お昼休みも、一人だけ離れて食事をしている。
・ 一人が最近、仕事が楽しくないと、私に伏し目がちに
話すようになった。
普通この5つの兆候があれば、
まっとうな経営者なら、「何かあったのか」と、
一人一人時間を取って話を聞く。
もしくは、問題点を見つけ、解決策を講じるもの。
しかし、あの当時の私は、全く無頓着。
というか、事の重要さに気付いていなかったのです。
そして、その日が、来ました。
平成3年10月2日。
今も忘れようとしても、忘れられません。
診療終了後、3人が真剣な顔をして私に、話があるというのです。
その場に及んでも、私は
「もう少し給料が欲しい」とか、「休みを下さい」とか
労働面の提案だとばかり、思っていました。
そんな私に、彼女たちの一言は。
「私たち、やめたいんです」
「エッ!その嘘ホント!」
私は、日本語にならない言葉を発し、絶句。
そのまま、固まってしまいました。
我に返った私は、3人をなだめすかしたり、
私の悪い所を謝ったり、
今後、こんな医院を作りたいと
未来の希望を話したり、
しかし、繋がりのない訳の分からない事を
言っていたと思います。
今では、もう後の祭り。
彼女たちの気持ちは、すでに決まっていました。
今日の学び
人は一瞬にして固まる