Vol.21 理想の歯科医師を目指してパート9 ~送別会で起こったサプライズ~
私の歯科医師としての基礎を築いてくれた、小室歯科を去る日が来ました。
そして平成3年4月27日は私の送別会の日。
人生は常に波乱万丈。
いったい何が起こるかわかりません。
そう、あなたはもうお気づきかも知れませんが、私の人生はその転機となる日、
必ず何かが起こるのです。
4年間の小室歯科での勤務の間、本当に多くの事を経験し学び、そして実行してきました。
しかし、小室歯科は大型診療所。ドクターの数も半端ではありません。
肩書きのない、ただの勤務医の私が主役になることは、今まで一度もありませんでした。
送別会は最初で最後、私が、ヒーローになる日です。
そう、参加者全員が、将来の私の約束された成功を、心から祝ってくれる日なのです。
しかし送別会が始まった直後、ハプニングが起こりました。
体調不良のため、7月出産予定の妻が入院している病院から、緊急手術の電話が・・・。
「エッ!まだ4月。予定日は7月なのに!」
パニックの私は、そのまま送別会をぬけて、病院へかけつけました。
そして、訳のわからないまま、手術の承諾書にサインをし、
暗い病院の廊下で待つこと2時間。
無事、長男が誕生しました。
私にとって、一生忘れられない送別会となりました。
送別会ではヒーローになれませんでしたが、私は最高のプレゼントを
頂きました。そして親になって初めてわかったこと。
それは「人間は1人では生きていけない」ということ。
今までは、何となくそう思うぐらいでした。
しかし、心の中では、自分一人の力でここまでやってきた。
苦しい時もつらい時も、自分を信じ自分の力で乗り越えて来た。
誰の助けもかりていない。そして今後も、人の助けは必要ない。
そんな気持ちも、少しはありました。
しかし、自分が父になり、ほんの少しですが、育児も関わるようになり、
「とてもじゃないが、子供が勝手に大きくなる訳がない」と実感しました。
人が一人の人間に育つまでに、両親の無償の愛があったことが
よくわかりました。その意味でも、開業をひかえたこの時期に、
長男が誕生したことは、意義のあることでした。
仕事も育児もガンバルゾ!!
心に誓った平成3年4月27日でした。
今回の学び
人間は決して一人では生きていけない。