アメリカの医療保険②
アメリカには「ER」(救急救命室)という施設があります。
意味を日本語にすると、「どんな救急患者でも受け入れて、初期診療を提供する施設」だそうですが、 アメリカドラマのタイトルにもなっているこの言葉。皆さんも一度くらい聞いたことがあると思います。
(厳密には、日本で言う「救急救命センター」とは微妙に意味がちがうのですが…)
その「ER」の受診理由の1番は、なんと歯痛だそうです
「ER」は特殊でして、(アメリカと言えども)
お金を持ってない人に対しても、医療を提供しなくてはならない。
つまり「お金」を理由に拒否できないと、決まっています。
なので、歯痛でお金が無い人は「ER」へ行くわけです。
(ここが、前回のブログからの続きです)
しかし、ERは「無料」という意味ではなく、その場では医療を受けられますが、 後から医療費の請求はきます
では、そのお金が払えない人は、どうするか
妹の話ですと、なんとアメリカの自己破産の理由で一番多いのは、この「医療費関係」だそうです
(そしてもうひとつの問題は、アメリカの多くの医療保険は、国ではなく民間の保険会社が提供しています。 そのため、民間である以上、利益を追求していくと、極端な話、患者さんに保険金を払わない事が、企業にとって一番の利益になり、結果、「保険機構」と「患者」の利益が正反対という状況が生まれてしまします。 そして持病を持っている人、つまり本当に保険が必要としている人は保険会社から見れば、リスクなわけで、保険料が上がりますます保険に入りにくくなるという現実があります。
(このあたりの話は、マイケルムーア監督の映画「シッコ」が大変面白いので、よかったら是非見てみて下さい))
これがアメリカの医療問題の難しい所です
なぜ日本とアメリカでこれだけ医療の環境が違うのか、
オバマ政権も、この問題に取り組もうとしましたが難航し、日本のように国民皆保険とはいかないようです。
ここから先は僕個人の考えですが、
おそらく「平等」という言葉に対する、考え方の違いではないかな、と思います。
(長くなりましたので、続きは来週書かせて頂きます)