日本人と入れ歯
(前回の続きの「入れ歯の原理」の前に・・・)
そもそも人間は、いつから入れ歯を、使い始めたのでしょう?
「昔は砂糖が少なく、食生活も違うため、虫歯も少なく、 入れ歯は近代になってから生まれたものだ」
と僕は、勝手に想像していました。
しかし調べてみると、
なんと5000年前のピラミッドの中から、歯科治療の跡が見つかっているのです。
それは、「抜けてしまった歯」を、前後の残っている歯に、金の板で固定していたのですが、
今でも、これによく似た技術で治療しています。
では、僕たちが思うような、「いわゆる入れ歯」はいつごろから作られているのでしょうか?
日本国内では、最も古い入れ歯として、 1500年代の室町時代に作られた入れ歯が残っています。
材料は木ですが、形は今とほとんど変わりません。 ?
何よりすごいのは、この入れ歯には「すり減った跡がある」
つまり実際に使用されていたという事です。
何がすごいかと言いますと、
前回お話させて頂いた、ジョージワシントンの(金属バネの)入れ歯は、1700年代ですが、「見かけ」を回復する目的だけで、ほとんど噛めなかった(機能していなかった)と言われています。
その200年前に、日本ではすでに噛める入れ歯が作られていた・・・
やはり日本人の器用な性格と気質は、細かい歯科治療の分野に適していたのでしょう
そして19世紀に入って、現在の様なプラスチックの入れ歯ができるのですが、
この続きは、また次回書かせて頂きます
山口真史?