口腔がん検診を始めるにあたって
皆様、はじめまして。
4月から入職しました、口腔外科を担当しております
歯科医師の喜多と申します。
口腔咽頭がんは、世界保健機関(WHO)の推計では、罹患率は全がんの6番目で、
いまだに進行がんが多く、その生存率は全がんの平均より低いのが現状です。
舌がんや頬粘膜がんなどは、内視鏡などの機器などが無くても直視が可能であり、
歯科診療所におけるハイリスク(喫煙)群の個別型口腔がん検診の費用対効果は高いと
評価されています。
しかし、口腔がんの検診のみの来院は難しいと思われ、一般的な歯周病メインテナンスと
併せて行うのが望ましいと思われます。
その際には視覚的検査や触診、必要であれば細胞診や病理組織検査を行う事で
確定診断を得る事が可能となり、口腔潜在性悪性病変(Oral potentially malignant disorder
:OPMD)を検出できる可能性が向上すると考えられます。
当院では、5月から口腔内や顎骨内の病変の組織学的検査が可能となりましたので、
口腔がんの予防や早期発見にも力を注いでいきたいと思います。