院長ブログ

[’08/5/22] 新人ドクター研修⑥ 新人ドクター受付業務研修報告

5月、ゴールデンウィーク明けから2週間
森山勝行先生に、受付業務研修を受けて頂きました。
詳しくは、5月8日のコラムをご覧下さい。

そして今日、その報告書を提出して頂きました。
ご興味のあるあなたは、是非お読み下さい


受付業務研修を終えて

五月七日からの二週間、僕は受付業務を体験させて頂くことになりました。
ヨリタ歯科クリニックに勤務して
9ヶ月、診療室の中の仕事はある程度
できるようになったのですが、こと受付業務に関しては全く理解していなかった
(しようとしていなかったのですが)ため、
今回、新人研修に一環として
受付業務研修を行うことになりました。
そのなかで僕が
学んだことをまとめたいと思います。

電話対応について
朝は毎日診療開始一時間前には出勤し、受付でその日のカルテチェックを行って
いるのですが、その間に受付の
電話が鳴ることがよくありました。
しかし、僕はヨリタに来て一度たりとも、その電話に出たことはありませんでした。

その理由としては、
①電話に出たところで、予約の変更の仕方が分からない
きちんとした対応(ヨリタ歯科らしい対応)が出来るか不安
③単純に
面倒くさい

等の理由です。
信じられないかもしれないでしょうが、たかがそんな理由で
9ヶ月もの間、電話に一切出ようとしなかったのです。
今思えば、非常に馬鹿げています
この二週間の受付業務研修を終えて、僕は自分の
考えを改めました

具体的には、
やり方が分からないからしない、という発想は捨てる。
 どんな些細なことでも
分からなければ聞けばいいし、ヨリタ歯科のスタッフは
 聞けば
誰でも親切に教えてくれる。
 「
聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥

きちんとした対応が出来るに越したことはないが、それが出来ないからといって、
 しないと
いつまで経っても出来ないままである。
 そもそも上手く喋れなかったとしても、
一生懸命であれば必ず患者さんには伝わるはず。
 また、
マニュアル通りに対応できたとしても、そこに気持ちが入っておらず、
 
流れ作業に電話対応するぐらいなら、マニュアルなんかなくても一生懸命に
 対応するほうが
患者さんにとっても嬉しいはず。

面倒くさい、という発想からは何も生まれてこない。
 「僕がその電話を取ることによって、受付さんの
仕事が一つ減ってよかった」くらいの
 発想が出来なければ、
ヨリタ歯科の人間として、いや、一人の人間として成長しない。

といった感じです。
こんな単純なことに、9ヶ月の間気付きませんでした。
いえ、気付こうとしなかったと言ったほうが正しいのかもしれません。
見ようとした人のみに、見える
気付こうとした人にのみ、気づきが与えられる」のです。

受付カウンターが切られている理由
このことに関しては、
ヨリタ歯科のHPにも載っていますし、
寄田先生もいつもおっしゃっているので、当然
理解していました。

その理由は、
「来院された患者さんを受付越しに対応するのではなく、
入り口付近までお出迎え
するため」
のものなのですが、実際に受付にいて
その光景を見てみると、
単純に、
それだけの理由だけではないことに気づかされます。

上手く言葉では言い表せませんが、受付と待合、そして受付と診療室とが
一体になっているような感じがしてならないのです。

スマイルクリエーターのメンバーは、受付カウンターにとどまらず、
待合にも
頻繁に向かい、患者さんとコミュニケーションを取っているし、
また診療室に向かいスタッフやドクターに
連絡事項を伝えたり、カルテ出しを行ったり、
見学者の方の対応を行ったりと院内を縦横無尽に駆け回っています。

そんな彼女たちを見て、正直かっこいいとさえ感じました。

スマイルクリエーター
はっきり言って、ヨリタ歯科の受付業務は
激務です。
一日
100人をゆうに越える来院者がいて、電話もひっきりなしにかかってきます。
スマイルクリエーターとして、
笑顔を絶やすことは出来ませんし、
毎日のように見学者が来て、彼女たちの様子を観察しています。

そのプレッシャーたるや、半端なものではありません。
また医院の最前線で、
クレーム処理も行わなければいけません。
給料が、すごく高いわけでもありません。

そんな環境の中、スマイルクリエーターメンバーは手を抜いたりさぼったり
または、激務に嫌気がさして
辞めていくことはありません。
ぼくはそれが
不思議でしょうがなかったのですが、その理由がなんとなく
分かってきたように思います。

それは、
①自分たちが、ヨリタ歯科の顔であるという誇りがある
②一人一人が自分は、ヨリタ歯科に
必要な存在であるという自覚がある
モチベーションの高い仲間が、常にそばにいる
などという理由からではないでしょうか。

僕は院長からよくご指摘を受けるのですが、こういった思いが
今の自分には不足していると感じます。
そもそも、僕がヨリタ歯科に
就職しようと決意したのは、
この思いの部分を
高めたいと思ったからです。
しかし今の自分を振り返ってみると、日常の臨床で
実践できていないというのが現実です。

ヨリタ歯科の環境は、自分を高みに持っていくには最高の環境だと思います。
ここで自分を高められない人間は、きっと
どこにいっても無理でしょう。
それだけこの
環境は素晴らしいにも関わらず、それを活かしきれていないということに、
この受付業務研修を通して、振り返ることが出来ました。

勤務ドクターは受付に配置せず、診療室で診療させておくほうが、
医院の
売り上げは上がるでしょう。
しかし、あえて受付に配置させ、
気付きを与えるところに、
寄田先生の
常人離れした人材育成を垣間見ました。

そして実際、僕は多くの気付きを得ることが出来ました。
こういった
機会を与えて下さった院長に、感謝しています。
そしてなれない環境で、スマイルクリエーターのメンバーには、
いろいろとご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。

今回の研修を通じて、僕が歯科医師として更なる高みへ
駆け上がっていくことをお約束します。

 

受付業務を知ることで、スマイルクリエーターのみんなの仕事に対する、
プライドやこだわりを知ることが出来ます。

そして相手の立場に立ってドクターとして、どのような行動をすればよいか、よく分かります。
これからも、受付研修を続けてまいります。

そして今回さらに、技工師さんの仕事に対するこだわりプライドも学んで頂きました。
以下は、森山先生の技工所実習報告書です。
ご興味のあるあなたは、是非ご覧下さい。


           「ナチュラルデンタル」技工所見学の感想文

プロジェクトチーム「ビューティーチーム」の企画として、技工所見学に行き、
普段あまりなじみのない技工所作製に関する見学をしよう、という案が出ました。
ではどこの技工所に見学に行こうということになったとき、
一番に挙がってきたのが、「ナチュラルデンタル」でした。

自費がメインということもあり、田中さんは非常によく勉強されており、
そのこだわりの技術を一度でいいから、見てみたいという意見が、
スタッフのみんなから出てきました。
そして満場一致で、「ナチュラルデンタル」に技工所見学をさせて頂くこととなりました。

そして僕は、到着早々驚かされることになりました。
というのも、僕の思っていた技工所見学というのは、
「うちの技工所ではこんな風に、技工物をつくっています」とか、
「こんな設備を持っています」などという風な説明を受け、
技工所内を見学してまわるという感じでした。

しかし、田中さんが用意した技工所見学の内容とは、
ポーセレンを使ったペンダント作り
ポーセレンを使ったネイルアート作り」だったのです。

実習生のときにも、クラウンやデンチャーなど数多くの技工物を作成してきましたが、
恥ずかしい話、ポーセレンは触ったことがありませんでした。
正直どのような素材で、どのように作っていくかもちんぷんかんぷんの状態だったので、
初めて見るポーセレンにかなり興味津々でした。

実際触ってみると扱いが非常に難しく微妙な色合いを出したりだとか、
グラデーションをつけることにとても苦労しました。
今回の実習が、「ポーセレンで上顎前歯を作りましょう」とかだったら、
途中でめげてしまっていたかもしれませんが、ペンダント作りであったため、
本当に楽しみながら時間を忘れて実習することが出来たように思います。

ペンダント作りやネールアートという題材を用い、ポーセレンを扱うことによって、
実際技工士さんがどれだけ苦労して色調調整を行っているかを身をもって体験し、
単純に指示書に「A3.5」とだけ書いて、満足してはいけないと感じました。

細かく細かく指示を出し、これでもかというくらいに情熱を注ぐことによって、
技工士さんも、熱が入るのだと思います。
今回の一件で、僕の技工指示書に対する考え方がすごく変化しました。

休みの日だというのに、朝から晩まで付き合って下さったナチュラルデンタルの
皆様には本当に感謝しています。
しかも後日、見学の際のアルバムも作って頂き、僕達を楽しませて頂きました。
この心遣いに感謝し、今回学んだことは必ず、臨床に活かしていくことを心に誓いました。

 

これからも、新人研修プログラムは続きます。

 <新人ドクターが短期間に成長するには訳がある  寄田幸司>

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