[’08/5/22] 院長の管理者能力
日本歯科新聞に、月一回掲載されている 『 上間京子のちょっと言わせて 』 というコラムがあります。
5月13日(火)号のコラムのタイトルは、『 院長の管理者能力 』。 その中で、たぶん私たちのことかな(?)という内容のものがありました。 まずは、その全文をご紹介します。
管理する、管理者という言葉に妙にアレルギー反応を示される先生が 少なくありません。 しかし、開業されている限り院長は経営者です。 企業でいえば一管理者どころか社長です。 歯科衛生士の私が偉そうな言い方で恐縮ですが、 その経営能力の2本柱は「金」と「人」の管理だと思います。
管理という言葉を改めて国語辞書で調べてみると 「全体に気を配り、取り仕切ること」とありました。 私はこの管理という言葉を真摯に受け止めています。 決して上から押さえつけて一方的に人を動かすというような 意味には捉えていません。
「隣の芝生は青い」と言われるとおり、 外から見れば立派に見える医院でも、 中に入れば様々な問題を抱えているものです。 私のような立場で多くの医院にかかわりを持つと、 その現状に直面することになります。 院長とスタッフの狭間に立つからこそ、特に両者間の問題を 客観的に見ることができるのです。 その立場から言えば、医院の人的な問題のほとんどは、 まず院長の管理者としての自覚不足、そして能力不足によるもの だと思います。
大阪のいわゆる「ワクワク系」の元祖である医院にいくようになって 4年になりますが、その医院のスタッフの何と明るい表情、 気持ちの良い返事と挨拶、そして何より研修中の目の真剣さ。 一度注意したことは翌月きちんと改善されているその医院力には 毎回驚かされます。 技術トレーニングや症例報告を中心とした基礎的な研修も 毎回嬉々とした雰囲気でどの医院より熱心です。 論より証拠、その理由はただ一つ、 ワクワク院長の卓越した管理者能力の結果です。
初めから管理者能力のある院長などいません。 人の管理が院長業の重要な仕事の一つであること、 それは若い歯科医師が真剣に医療技術を学ぶことと同等、 いいえ、それ以上に大切な学びであるということに“まず気付く”、 このことから始まると思います。
管理者能力の低い院長に使われるスタッフの苦労と悲しさを 肌身にひしひしと感じている私だからこそ、 今月もズバッと直球を投げさせていただきました。なかり気恥ずかしいですが、まさにその通り。 歯科医師といえども、医院を経営している以上、 院長は経営者(管理者)です。 その意味では、例え歯科医師であっても、 卓越したリーダーシップと、人間力を兼ね備えてた経営者(管理者)に ならなければと、日々思っています。
裏を返せば、過去にそれ程、人の問題で悩んできたということ。 しかし、上間先生のコラムにあるように、 最近はかなり、その悩みから解消されているのも事実。
リーダーとして成長させて頂いたのは、やはりチームメンバーのお陰。 いいメンバーに出会えたことで、私自身成長させて頂きました。
ここで、私が考えるいい管理者になるための7つの条件。
- 部下(メンバー)が皆、輝いていること
- 強固なチームワークができ、部下(メンバー)が自立的に行動していること
- やりたい事ができ、それを認め合う風土を作っていること
- トップが夢を熱く語り、その夢に賛同する、多くの部下(メンバー)がいること
- トップが部下(メンバー)のことを、本気で愛していること
- 部下(メンバー)が、辞めないこと もしくは、事情があり退職しても、またすぐ復帰する、 もしくは、いつか復帰したいと願っていること
そして、もう一つ付け加えるなら、
- 部下(メンバー)全員に、トップ(経営者)が尊敬されていること
こんなトップに、私はなりたい。
? <いつも管理能力を問われている 寄田 幸司>