[’09/3/7] 思いを形にする(38) 上本町ヒルズ歯科クリニック
せっかくなので、今回も上本町ヒルズ歯科クリニックのお話をしてみようと思います。
院長は、永井美也子先生。
私たちの医院に5年勤務後、2007年4月オープンにしました。
この新規開業歯科医院の開設の話は、オープンの約1年半前に遡ります。
当時、ヨリタ歯科クリニックの副院長は、永井美也子先生。
彼女は、ヨリタ歯科クリニックの小児担当ドクターとして、
子供たちやその保護者の方から、圧倒的な支持を得ていました。
(その当時、私たちの医院には、多くのカリスマドクターがいた中でも、彼女が
患者様の紹介率はNo.1でした。実は私ではなかったのです。残念。)
院内マザースクール、メルマガ発信、地域での子育てサークル、幼稚園、産婦人科での
出張セミナー、一般企業(ベネッセ、サンスターなど)とのコラボレーション、など
さまざまな活動の結果です。
その彼女が、魔がさしたように、「自分で開業したい」と
ふと私につぶやいたのです。
たぶん彼女ははっきり私に言ったのでしょうが、わたしは耳をふさいでいました。
私にとっては、
“晴天のへきれき” “一瞬先はやみ” “猿も木から落ちる” “2度あることは3度ある”
意味不明の言葉が、頭の中を巡りました。
そして口に出た唯一の言葉。
「そのウソ、ホント」
さらに、彼女が選んで来た開業の物件は。
大阪市内の再開発地区。その一番奥まった建物の、フロアのさらに一番奥。
一般道から、かなり中に入っているのでそこにたどり着くのが大変。
しかもオープン当初は、まだ周囲は建築現場のよう。
足場や資材、工事車両など、入り乱れた中のオープン。
そして歯科医院のテナントではかなり広い、50坪。
さらに追い討ちは、この地域は老齢化地区。彼女の専門分野である小児が全くいない。
どう考えても成功する訳ない。
リスクが余りにも大きすぎる。
2~3年でやっと黒字になるかどうか。
冷静に考えれば考える程、私にはめずらしく
「早く夢から覚めて下さい」
「現実をしっかりみつめましょう」「今の現状に何が不満なの」
私のなだめつかせるような優しい言葉や、過去の経験からの冷静な分析など
全て無駄に終わりました。
ここで私が学んだ事。
「人は他人の言うことは聞かない」
「人は自分で決めたことのみ実行する」
「神は常に人を成長させる機会を与える」
そして、私の最後の忠言。
「先生の選んだ地区は老齢化地区。
地域のニーズと先生のやりたいことは全くあっていない。
成功するとは思えない。」
それに対して、彼女の言葉。
「先生はいつもセミナーで、地域のニーズに合わせない、患者様に教え気付いて頂く。
そして自分にあった患者様に来て頂く医院を作りましょう。そう言っていますよね。
自分がやりたい事をやり続けるから、結果的に圧倒的に支持される医院が出来るんですよね。」
私がこの言葉を聞いて、思ったこと。
「この人はスゴイ。早くも経営者として一流の考えを持っている。この人にかけてみよう。」
オープン前、ヨリタメソッドを駆使し、やるべき手は全てやりました。
オープニングメンバーも、ヨリタ歯科クリニックが今出せる
最高のメンバーを投入しました。
特に中核となる2人には、
「2年間何があっても絶対にヨリタ歯科に帰って来ないでね。結果を出しましょう。」
と熱いエール(業務命令)を送りました。
また、ドクターや衛生士などサポート部隊も作りました。
そんな、私たちと永井先生の思いがいっぱい込っているので、
メンバーも、患者様も集まるのでしょう。
本当に、素晴らしいことです。
この4月で、やっと2年。
にも関わらず、この4月からも新たに勤務医の先生1人と、衛生士2名が入職されます。
しかも、この2年間誰一人退職しておりません。
それだけでも、素晴らしいことです。
先日の、大久保さんのセミナーでのお話にあったこと。
いい組織、いい会社の2つの条件。
一つ。 社員の笑顔の質が良い!
一つ。 社員が辞めない!
ただそれだけ。
たった、この2つだけなのです。
しかし、これがまた難しい。
なかなか、出来るのものではありません。
しかし、この2つが出来ていると言い切れるのが、上本町ヒルズ。
だからこそ、人が集まるのでしょう。
思いが形になった医院には、人がどんどん集まります。
<たった2年、されど2年 寄田幸司>