院長ブログ

[’09/4/28] 自分であり続けるために その②

前回に引き続き、今回も田坂広志さんの著書
自分であり続けるために』から、“「意欲」の新たな定義”。

「意欲」の新たな定義

何年か前、ベンチャー・ビジネスに関する
シンポジウムに出席したときのことです。

「なぜ、日本ではベンチャーが生まれないのか」

そのテーマを巡る議論の中で、
ある経営者が、熱い口調で、こう語りました。

  みんなもっとハングリーにならなければ。
  そうしなければ、日本にベンチャーは生まれないですよ。

この言葉に大きくうなずく参加者の姿も少なくありませんでしたが、
その姿を見ながら、なぜか、別の思いが浮かんできました。

半世紀を越えて戦争の無い平和な時代が続き、
世界第二位の経済力を誇る国。
最先端の科学技術を享受し、
高齢化社会が問題となるほど健康長寿に恵まれ、
国民の多くが高度な教育を受ける国。

世界でも有数の豊かさを享受しているこの国で、
なぜ、我々は、いまもなお、ハングリーさによってしか、
自らを行動に駆り立てることができないのか。

その思いを抱くとき、我々は、大切なことに気がつきます。

我々が心に抱く「意欲」には、二つの意欲がある。

一つは、「欠乏感」から生まれてくる意欲。
一つは、「感謝」から生まれてくる意欲。

その「感謝の意欲」によって新たな事業に取り組む時代。

我々は、そうした時代こそ、切り拓いていかなければならないのでしょう。

私が思うこと。

もっと、高い給与を得るため。
もっと、高い地位を得るため。
もっと、優雅な生活をするため。

そんな自分自身の「もっともっと」も大事。
しかし、どんなに多くの「もっともっと」を得ても、何か心が満たされない。
何か、虚しさが残るもの。

しかし、もっと多くの笑顔に出会いたい。
もっと、人のお役に立ちたい。
もっと、周囲の人を幸せにしたい。

そんな感謝の言葉が頂ける「もっともっと」なら、ほんの少しであっても
どんなに心が満たされ幸せになれることでしょう。

そんな「意欲」を、これからも持ち続けたい。

<新たな道を切り拓く 寄田幸司>

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