院長ブログ

[’09/4/30] 自分であり続けるために その④

前回に引き続き、今回も田坂広志さんの著書
自分であり続けるために』から、“上手な転び方”。

上手な転び方

学生時代、スキーを習っていたときのことです。

若手のスキーコーチの指導を受けながら、
急な斜面を滑る練習をしていました。

うまく滑れずに転んでばかりいた私に、
その若手コーチは、実に根気よく、
懇切丁寧にアドバイスをくれます。

しかし、何度トライしても、なかなかうまく滑れません。

そのため、自分にはスキーのセンスが無いのかと
自信を失いそうになり、
さすがの若手コーチも、少し諦め気味になってきたとき、
それを近くで見ていた年配のコーチがやってきて言いました。

  大丈夫だ。
  君は「転び方」がうまい。
  きっと上達するよ。

この言葉に励まされて練習を続け、
急な斜面もうまく滑れるようになりました。

そのときのことを振り返って、いま、思います。

自分が励まされたのは、
「転び方がうまい」と褒められたからではない。

褒めるところの無い状態において、
「転び方」を褒めてまで、上達を信じてくれる人がいた。

そのことに励まされたのです。

その人の可能性を信じること。

それは、我々が、人に対して捧げ得る
「最高の贈り物」なのかもしれません。

人の可能性は、無限大
心ではそう信じて疑わなくても、その人にかける何気ない言葉
その思いが込められていなければ、何の意味も無い。

私は新人ドクターやスタッフの上司として、指導医として、
つくづく考えさせられたメッセージでした。

人を育てたい、励まし続けたい、希望を与えたい、
夢を実現するお手伝いがしたい

しかし、本当にそれが出来ているのか、自問自答するメッセージでした。

日々人の育成で力不足を感じ、悩み続けている私にとって、
最高の贈り物」を得ました。

<深いご縁を大切にする 寄田幸司>

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