5月の中旬、こんな本が出版されました。

タイトルは、「あなたの歯科医院を９０日で成功させる」
～１日患者数１００人　自費率５０％の歯科医院をつくる物語～」（クインテッセンス出版）

著者は税理士として、そしてファイナンシャルプランナーとして、
多くの歯科医院経営のアドバイスをし、２００９年現在９０％以上のクライアントが
毎年増収しているという、デンタルクリニック会計事務所代表　山下剛史先生。

もう一人は、予防を中心とした歯科医院経営を確立させ、
２００９年現在、メインテナンスのクライアントを３０００名以上、
さらに、自費率６０％を越える医院作りをしている、
大阪寝屋川市の、医療法人育歩会坂井歯科医院院長、坂井秀明先生。

この本には山下先生の、多くの医院を訪問し、院長のみならずスタッフとも個別面談を
繰り返す中で培われた、経営ノウハウが詰め込まれています。
さらに私が敬愛する、坂井先生の経営ノウハウが伊坂先生のアドバイス①～⑯として、
惜しみなく公開されています。

ここでこの本のストーリーを、簡単に紹介します。
主人公は村田歯科医院　院長　村田学　３６歳。
開業して５年目、腕には自信がある（例えば、右上７番の抜髄は２０分で完了、根充も完璧）が
何故か、患者様が集まらない。
１日平均１０名、自費率１０％、スタッフ４名を抱え、将来が不安。

それを支える妻、村田真由美は３１歳、２歳の娘を持つ専業主婦。
元は、伊坂歯科医院勤務の歯科衛生士。
性格は明るく、サバサバしている。

そして伊坂歯科医院院長　伊坂秀吉５３歳、開業２６年目。
趣味は機械いじり、一見頑固者だが実は心優しい。
１日患者数１００人、自費率５０％、レセプト枚数は１５００枚を超えるカリスマ歯科医師。

「こんなハズではなかった」「何かが違う」。
頭の中でその言葉が、グルグル回る。

そして、意を決した村田夫妻がワラをもすがる思いで、伊坂歯科を訪れる。
目的は、経営ノウハウの全てを学ぶため。
その日から、毎週レクチャーが始まり、課題が与えられる。
二人三脚の、本気の医院改革がスタートする。

以下は本文で語られる、伊坂先生の１６のアドバイスの一部です。

●『これからの歯科業界の流れを考えてみる』
狩猟型ビジネスから、農耕型ビジネスへ。
むし歯のない人に、いかにして来て頂くかとことん考えること。

●『すべての出来事は自分に責任があると考える』
経営改善は、まず院長の人間性を育成することから始まる。
スタッフ一人一人に関心を持ち、普段からコミュニケーションを取ること。

●『「自費」と「ケア」を中心とした体制を構築してみる』
医院経営の効率化、安定化を目指すこと。

●『初診からの流れを変えてみる』
問診表への記入→初診カウンセリング→歯科医師による診断→セカンドカウンセリング
→補綴カウンセリング→診療開始→ポストカウンセリング
この流れを確立すること。

●『マニュアルとクレドを作成してみる』
自らの判断で考え、行動出来るスタッフを育成すること。

●『定例の院内ミーティングやイベントを行ってみる』
ミーティングを開催し、問題点を共有し、勉強会を行うこと。
またイベント開催により、患者様には歯科医院は楽しい所だとイメージして頂くこと。
これは、強固なチームワーク作りにも役立つ。

この本は、小説なので読みやすく、臨場感があります。
そして何より、医院を改革していく手順が分かりやすく解説されています。

ここで、本を読み終えた私の感想。
８年前の私は、愛と感動、夢と希望あふれるワクワク楽しい歯科医院を作ると決断。
そのため、予防をベースとした定期管理型医院に生まれ変わろうとしていました。

自分は、変わった。
しかしスタッフの気持ちとしては、このままで十分。
変わる必要など、全く感じていなかったのです。

それから１年、大変でした。
医院を開院し、まだ１０年。
にも関わらず、全面改装しました。
窓枠以外は玄関の位置も含め、全てやり変えたのです。

そして、カウンセリングシステムの構築、予防サロン（ウエルカムサロン）の導入。
もちろん、理念を掲げ、毎日クレドや年間行動目標設定用紙の黙読も始めました。
メンバーの意見が出る、ミーティングや、朝礼、昼礼、終礼、
ワクワク楽しい、イベント開催も行いました。

この小説に書かれた全てのことを、やりました。
情熱と志、そして夢だけで、ここまで走り続けてきました。
あの時私に付いて来てくれた、８年前のメンバーは今でも全員残ってくれています。

彼女たちがいてくれたから、今の私がある。
何の迷いもなく、自信を持ってそう言い切れます。
本当に、感謝の気持ちでいっぱい。

しかし私は８年かかって、ここまで来たのです。
８年前の私が、この本に出会っていたら…。
今の数倍のスピードで、達成出来たかも。

ここで、是非医院経営でお悩みのあなたに、お伝えしたいこと。
今までうまくいかなかったのは、あなたに才能がないのではない。
真の歯科医院経営術を、教えてもらわなかっただけ。
そう、知らなかっただけなのです。

だからこそ、あなたに是非この本を一読して頂きたいのです。
読み終えたあなたの心に、一筋の光がさすことでしょう。
その光の向こう側には、きっとあなたが望む理想の歯科医院が見えていることでしょう。
あなたの周囲には、あなたを支え続けている笑顔のスタッフたちがいることでしょう。

迷うことは、ありません。
悩むことは、ありません。
立ち止まることも、ありません。
さあ、ほんの少しの勇気と行動力を持って、実行しましょう。
８年前の私のように。

ご興味のあるあなたは、コチラ。

＜もっとこの本に早く出会いたかった　寄田幸司＞