[’09/8/25] 思いを形にする(47) ドクター研修 その①
今回はドクターの研修(教育)について、お話してみよう思います。
私たちの医院には、前途有望な若手ドクターが多数います。
ここに来れば、何か学べる。
ここに来れば、何かがつかめる。
ここに来れば、人生が変わる。
そんな高い志を持って、私たちの医院を訪れます。
見学、面接に来ます。
しかし、そこに何か確固たる物=自分自身がなければ、
何も学ぶことはありません。得ることも出来ません。
本当に学ぶべきものは、形になっていないもの、見えないものだから。
先日、卒後2年目のドクターが見学面接に来られました。
約2時間見学を終えた後、その先生と面談をさせて頂きました。
ここで、私がいつも聞く質問。
「何故あなたは、ヨリタ歯科クリニックに勤務しようと思うのですか」
「あなたはここで、何が出来ると思いますか」
「あなたは、何がしたいのですか」
その先生が答えてくれました。
「私はまだ卒業して2年目。技術がありません。
なのでまずは歯科医師として、一般的な治療が出来るようになりたいのです。」
私
「了解しました。
3年で一般的(基礎的)な治療は、全て出来るようになりました。
その後、あなたは何がしたいのですか。」
見学者
「今は歯科医院の開業が非常に難しい時代。
成功するためには、スキルが最も大切。
だから一般的な技術を身につけた後は、インプラントやペリオ、矯正など
誰にも負けないスペシャルなスキルを身につけたいと思います。」
私
「それは素晴らしいですね、了解しました。
それではさらに7年経過。
インプラントもペリオも小児歯科も矯正も、全てマスターすることが出来ました。
その後、何か学びたいですか。」
見学者
「…………」
私
「今日は、本当にありがとうございました。
また機会がありましたら、いつでもお越し下さいね。」
ということで、その日の面接はそれで終了。
ある意味厳しいようですが、それが現実。
彼のような主スキルだけを身につけたい人は、私たちの医院で学ぶ必要は全くありません。
私たちより技術が学べ、給与が貰える待遇のいい医院は、探せば他にもあるでしょう。
そこで勉強した方が、よっぽど伸びると思います。
逆に、私たちの医院で勤務することになったら、
彼は、大きな壁にぶち当たることになるでしょう。
日々の診療の中で、私が彼に問いかける質問やアドバイスは、まるで宇宙語。
意味不明、チンプンカンプンだからです。
「何故あなたは、このスキルを身に付けるのですか」
「このスキルを通じ、あなたに接する患者様やメンバーに、何をお伝えしたいのですか」
「医療を通じ、あなたが表現したいことは」
「歯科医師を通じ、来院する患者様にお伝えしたいことは」
診療中私がドクターに話すことは、ほとんどがこれに沿ったもの。
これを理解した上で、診療マニュアルがあったり、治療計画があります。
全ては、来院する患者様を幸せにするため。
来院する患者様の、最高の笑顔に出会うため。
そのため、やるべきことは全てやります。
スキルも、もちろん大事。
技術者である以上、それを追及することはある意味当たり前。
でもそれよりもっと大切なものを私たちは追い求めていきたいと、心より思っています。
今回の学び 私たちのあるべき姿を明確にしよう
<私たちのあるべき姿を明確にする 寄田幸司>