院長ブログ

[’11/5/18] 新人研修 実習編 その③バリオス

昨日も、新人研修がありました。
理解度チェックテストは、バリオス超音波スケーラー)の使用方法について。
また、勉強会は、歯周病検査についてです。

2人とも、真剣。少しずつですが、ステップアップしているようです。

以下は、研修レポートの一部です。

 

Varios(超音波スケーラー)

<超音波スケーラーの原理>
 ・発振器で50~60Hzの電流を2500~40000Hzの電気エネルギーに変換し、
  この電気エネルギーを変換器で機械的振動に変換する。
  この振動をインサートチップに伝達する。

<超音波スケーラーの除石原理>
  相乗効果
   ・超音波による微振動
     チップが歯石に触れると、歯石内部に歯牙とは異なる振動が生じ
     歯石の結合力が分裂して除石される。
   ・キャビテーション効果=真空泡沫現象
     振動するチップが水と接触し、数千の小さな真空気泡をつくり
     これが大きくなり、つぶれる際に強い力で水中の歯と組織面に
     衝突するエネルギー

 ☆キャビテーション効果
  1.除石効果の倍増:紛糾、剥離除去された歯石、プラーク、盲のう上皮、
            血液を洗い流す。
  2.歯周組織の活力強化:局所の血行を良くする歯肉マッサージ効果
  3.チップと歯質との摩擦熱の冷却

<適応症>
 1.口腔清掃と疾患の予防のために歯肉縁上、縁下歯石、その他の異物の除去
 2.プラーク、歯石、有色沈着物の除去
 3.智歯周囲炎での歯周の噴霧・洗浄 
 4.急性潰瘍性歯肉炎、多発性潰瘍を併発した急性辺縁性歯周炎の治療として
  歯石・プラーク・その他の沈着物、歯周ポケットの細菌や内容物の除去、
  噴霧洗浄
 5.高度動揺歯の固定化での除石
 6.根管治療、セメント除去、レジン素シーラント剤の除去にも使用される

<実習で指導していただいたこと>
 ・スケーリングをする前に、どこに歯石がついているのか必ず確認してから
  行うこと(P検時に確認しておくと良い)。
 ・バリオスチップのP10は、歯面や歯肉を傷つけやすいため、慣れてから
  行うこと。
 ・バキュームは掌握状で把拝する。
 ・歯頚部が見えるように、口唇や頬粘膜、舌をしっかり排除すること。
 ・ライティングをきっちり行いながら処置すること。
 ・姿勢が悪くならないようポジションをしっかり取ること。
 ・フェザータッチで操作すること。
 ・隣接面にもしっかりチップをあてること。
 ・水が患者様にとばないようにしっかり配慮すること。
 ・前歯部の口蓋側が直視しにくければ、フロントポジションをとり、
  チェアを上げ、真っすぐ見える位置から行うと良い。
 ・歯面、根面の形態を考え、手指感覚を研ぎすませ、行う。

<実習を終えての気づき>
 一人でバキュームを行うことに慣れておらず、患者様に負担をかけてしまったり、
 不快な思いをさせてしまったと思います。どこにバキュームをおいて、チップの
 向きはどのようにすれば粘膜を吸わず、きちんと排除しながら行えるのか、
 練習を重ね、コツをつかみたいと思います。バキュームを持つ左手の力が
 弱いので、指のトレーニングをしっかり行いたいと思います。また、隣接面に
 チップがしっかり挿入できていないので、チップの角度を見直し、隣接面まで
 挿入できるようにしたいと思います。練習を重ねるごとにスムーズにスケーリングが
 できるようになってきましたが、時間が全顎で10分以上かかってしまうので、
 早く正確に出来るようもっと努力していきたいです。

●検査項目
 1.歯肉の診査 2.歯周ポケットの検査 
 3.滲出液、排膿、出血の診査 4.歯肉退縮(リセッション)の診査 
 5.歯の動揺度診査 6.歯列、咬合の診査

<患者様への説明>
 ●プロービング時
  患者様に痛いイメージを与えないように、
  器具を見せて説明する。
  「ものさしのようなものを使って、歯と歯茎の間の溝の
   深さを測っていきます。」
  「なるべく痛くないように測っていくので、
   何かあれば教えて下さい。」
  終わった後は痛みがなかったのか配慮する。

 ●検査後(本をみせながら)
  1.どこを測ったのか 2.健康な歯肉とは
  3.歯周病の段階と患者様の今の状態
   歯肉炎と歯周炎の違いは?
   なぜ歯肉の腫れるの? →患者様にも考えてもらう
  4.歯周病の治療
   DHの患者様の役割を決めて、
   一緒に治療をしていることをお話する!

 ●禁煙指導
  患者様はタバコと歯周病に関わりがあることを
  知らない人が多い。
  ニコチンが血管を収縮させ、血圧が上がる。
  女性の方→肌、口臭の原因
  栄養が行きわたらない。老廃物が流れず、治りが悪い。
  免疫が低下する。
  線維性の歯肉、ひきしまってPが治らない。

<BOP>
 正常値 16%
 ヨリタリコール→10%以下目指す!!
 高い数値の患者様へは、少しずつ下げていくことを目標にしてもらう

<PUS>
 プローべを入れると、ポケットからピュッと黄白色の液体がでてくる。
 歯肉は赤紫色をしているのが特徴。
 縁下プラークとの見分けに注意する。

<指導していただいたこと>
 ●プロービングはパノラマをみながら、予測して行うこと。
 ●痛みがある場合は、その部位のみ、システマSRPのときに測定すると良い。
 ●順番を決めて行う(出血が多いトキ→臼歯から前歯)。
 ●BOPは片顎ずつ確認する。
 ●歯軸と必ず平行にすること(無理なトキ→挿入後、歯軸と平行におこす)。
 ●患者様に痛みを与えないようポジションやミラーを上手く使うこと。
 ●ミラーにも固定を置くこと。
 ●プローべの先端を歯根面から離さないこと。
 ●遠心は鏡視で行う。
 ●20~25分でできるように!

<実習を終えての気付き>
 学生の頃からプロービングは苦手で、あまり自信がありません。
 特に苦手な部位は、鏡視をしなければ見えない部位と臼歯の遠心です。
 今日、たくさんのアドバイスを頂いたので、苦手なままで終わらないように、
 しっかり練習したいと思います。
 また、患者様に少しでも痛みがないように配慮したり、
 声をかけながら行うくせをつけます。
 今日は患者様への歯周病の説明の仕方も教えていただきました。
 患者様に、歯の知識やモチベーションをあげるためには、
 どんなふうに説明すると良いか、自分なりにまとめ、説明する練習をしていきます。


1日1日と、出来ることが増えています。
学んだことを、確実にものにして頂けたらと、思っています。

 

?<確実にするためには反復練習が大切 寄田幸司>

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