[’12/1/15] 善光寺詣
一泊二日の長野市善光寺で開催された、セミナー。
せっかくなので、善光寺観光もしてました。
「身は茲に心は信濃の善光寺、導き給え弥陀の浄土へ」。 「性別を問わず、宗派も階級も問わない。ただひたすら仏を頼み参らす事―と、 |
それが、善光寺。
そして今日の泊まり、永代宿坊・常智院(頂いた資料から)。
善光寺には、代々善光寺如来様にお仕えしながら参詣の皆様に お宿を提供しお世話をさせていただく三十九の宿坊があります。 常智院もこの永代宿坊のひとつ。 |
前日、懇談会で夜ふかししたにも関わらず、早朝6時起床。
それは、「お朝事」に、参加するため。
周囲はまだ、こんな感じ。
まずは、「お数珠頂戴」、そして「お朝事」へ(頂いた資料から)。
善光寺の一日は「お朝事」と呼ばれる朝の おつとめで始まります。この朝事は夏も冬も 一年中毎朝五時半(秋は六時、冬は六時半)から 欠かすことなく本堂で、まず大勧進の大僧正と 二十五院の僧侶で、続いて大本願の上人と 十四坊の僧侶によって、読経が上げられお十念が授けられます。 このお朝事の読経の声は朝の鮮烈な空気の中に高く低く流れ、 大伽藍に響き渡ります。 |
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大勧進の大僧正さま、大本願のお上人さまが 毎朝、お朝事で本堂に上り下りされる際に 本堂の回廊や参道の石畳みに膝まづき手を 合せる参詣者の頭上に、手にされたお数珠で 軽く触れて下さいます。 これが「お数珠頂戴」と呼ばれる昔からの ならわしで、如来様の最もお近くに仕えられる ご住職のお数珠に触れることによって 如来様と結縁出来、御仏の救いに預かるという素朴で 庶民的な当山ならではの行事です。 |
信州の朝は、底冷え。
今日は、雪も降っていました。
そのせいもあり、身が引き締まる思い。
この一年、無病息災、家内安全をお祈りしました。
その後は、宿坊ならではの、精進料理。
精進とは、ひたむきに善い方向に向かって励む心と、 それを継承し実行することであり、この精進を行う僧が 職する食事を精進料理と申します。 お料理の材料には魚肉を拝して、全て植物のみを用います。 私たちの医院では、特に豆類(豆、豆腐、湯葉、高野豆腐)、胡麻、 海藻類、季節の旬の野菜やきのこ類、芋類を大切にしており、 これをまとめて「ま(豆)ご(胡麻)は(わかめ・海藻) やさ(野菜)し(椎茸・茸)い(芋)」と称しております。 |
実際は、こんな感じ。
お正月ということで、代々伝わるお釜で炊いた
あずき入り朝がゆ、本当においしかった。
じか再演で採れた、シブ柿で作ったデザートや、
常智院さんのご本尊にお供えしておりましたご飯まで、頂戴しました。
その後は、長野県信濃美術館や、
世界最大のコレクションで知られる、東山魁夷館にも行ってきました。
そして、お土産もたくさん買いました。
セミナー前後の短い時間でしたが、石塔や敷石の
ひとつひとつに秘められた、善光寺信仰1300年の
歴史にふれられたこと、心から感謝です。
追伸
善光寺山門正面に掲げられた額「善光寺」
通称「鳩字の額」と呼ばれる、有名なもの。
この3文字の中に、5羽の鳩が隠されているのです。
善に2羽、光に2羽、そして寺に1羽。
また善光寺は、「牛に引かれて善光寺詣り 遠くても一度は詣で善光寺」
という言葉もあります。
よ~く見れば、善の字が、牛の頭に見えてきました。
ということで、大阪から乗り継ぎを含めると、片道約5時間。
少し遠かったですが、境内の宿坊に泊まり、「お朝事」と「精進料理」を体験する、
いつの時代も、変わることのない善光寺信仰の旅。
訪れる価値は、十二分にあると思いますよ。
?<厳冬の新春、み仏の温かな手にふれた 寄田幸司>