[’05/08/8]メンバーが辞める時
開業して14年、人の問題では、いろいろな経験をして来ました。
その中でも、過去2回、とても辛い思いをしました。
1度目は開業して4ヶ月目。
私は、平成3年6月に開業しました。
オープニングメンバーは、常勤衛生士3名、全て新卒でした。その内1人は開業前からの知り合いでもあり、
私の医院で是非働きたいとのことで、そして彼女の同級生2人を誘ってくれました。
通勤時間約1時間30分をかけ、来てくれました。
しかし、開業当初から忙しく、現状はてんてこ舞い。
1日1日を何とか切り抜けることで精一杯。
1年後、3年後の夢など、語ることはありませんでした。
私も“患者様に愛され続ける歯科医院を作る”という信念の基、チームメンバーとの対話、
心のケアも少なかったように思います。
知らず知らず、メンバーにはストレスをかけ、疲労感が蓄積されていました。
そして、4ヵ月後の10月、ついにその時が来ました。
診療終了後、
「少しお話があります」
「ハイ、いいですよ」
「ところでどんなこと。まさか真剣な話なの」
「先生、もう私たち限界です、退職させて頂きます」
「そう、それは残念です。では、出来るだけ早く求人を出します。ところでいつまでいてくれますか」
「今日で退職します」
「え、その嘘、本当?まさかそれはないよネ!だって明日のアポ40人入っているよ」
「誠に申し訳ありません…」
という会話が続きました。
今でも思い出したくない出来事です。
その後、1ヶ月、どう乗り越えたかは定かではありません。
そして2度目は、平成13年12月月です。
この年から、ヨリタ歯科クリニックのコンセプト、理念を明確にしました。
本当に私がやりたいこと、そしてメンバーにとっても、患者様にとってもイイことを、期限を決めて
実行していきました。
しかし、ここでも、かなりの反発がありました。
●変化を、素直に受け入れられない。
●あまりにそのスピードが早く、ついていけない。
●自分の目指すものと、ヨリタ歯科クリニックが目指すものとが違う。
改革の中心になってもらいたい、有能なメンバーから、「とても理解出来ない。もう限界です」
との言葉が聞かれました。
またあの時の記憶が、思い出されました。
しかし、今回は、全員が辞めても、私の理想の医院作りを進めていく、強い決意がありました。
言い続ける、やり続けることで、その中の数名は今も残ってくれています。
そのコアメンバーには、本当に感謝しています。
その後、彼女たちを中心に、コンセプトを明確にしたことにより、意識の高いメンバーを新たに迎え、
スムーズに改革が進むようになりました。
今では、お互い素直に意見が言え、また協力しながら医院をより良い方向に導いていける環境に
なりました。
人が辞める時、それは医院の成長期、自己実現の時であると思います。
現状で何か問題が起こり、それが大きくなると、ある時突然、人の動きとして現れる。
そして、このことで、問題解決され、大きく次のステップに進む。
私たちは変化を恐れることはありません。
楽しむようにしています。
これからも続く、人の動き、これは、新たな人との出会い、自己成長として、医院の発展のため、
必要なことだと思います。
今のメンバーを誇りに思う 寄田 幸司