院長ブログ

[’05/11/04]私たちの取るべき対応

11月2日水曜日は普段休診日、翌3日は木曜日文化の日で休み。
そして休み明けの4日、金曜日の初診患者が多く訪れる午前こんな事が起こりました。

前歯のかぶせが取れて訪れた女性の患者様、Aさん。
Aさんの前歯は根っこしか残っていません。見た目が悪いためどうしても、
その場で仮歯を作る必要があると判断しました。

そして一人のドクターにお願いしました。
しかし、あいにく、そのドクターの同じ時間帯に予約の患者様Bさんが来院されました。
2人の患者様に同時に満足して頂くことは難しい状況。時間的な余裕がなく、Aさんにきれいな仮歯を作ることができないまま、Bさんの治療に移りました。
ちょうど私がその仮歯に気付いたため、形を整え何とか喜んで頂く事が出来ました。

ここで私が疑問に思ったこと。

時間がない状況でも、Aさんに仮歯はどうしても必要です。
ならば、Bさんにそのことをお話し、Bさんのお時間を少し頂いても良いのではと。
たとえ時間がなくても、心からの対応もてなしが出来るはずです。

私ならこうお話したかもしれません。

Aさんへは
「前歯がないと不便ですね。少し時間がかかっても仮歯を作りましょうね。」

「このままでは取れやすいので、土台を少し長くしますね。欠けた歯の一部が、
ザラザラしているので、少し丸めましょうね。」

「歯の隙間が大きいので、このまま作ると幅が大きな歯になりますね。
取れる前はどんな歯でしたか。歯と歯の間はすいていましたか?」

「仮歯が取れやすいので、咬み合せはあてないようにします。」

「それでももし取れましたら、いつでもお越し下さいね。」

Bさんへは
「今、急患で、前歯が取れた人が来院されました。あなたのお時間を少しだけ
その方に頂けないでしょうか。」

「その間は歯ぐきをよくするため、衛生士さんがお口のクリーニングをさせて頂きます。ご安心下さいね。」

「もしあなたが、急患でお越しになられた時は、私が必ずお時間を取って診させて頂きますからね

もしかすれば、このお言葉がけで、お2人ともお待ち頂くことへのご理解を 頂けるかもしれません。
たとえ思うような仮歯を作ることが出来ない場合でも。

「今日お昼のこの時間は、少し余裕があります。もう一度お越しいただいても よろしいでしょうか」とお話することも出来るでしょう。 そして、その日の夜、診療終了後、Aさんにお電話してはどうでしょうか。

「今日は十分お時間取れなくて、申し訳ありませんでした。仮歯の調子はどうでしょうか。
見た目は大丈夫でしょうか。ザラザラしていませんか。
何かありましたら、私○○が対応させて頂きますので、いつでもお越し下さい。

必ず誠意は伝わることでしょう。

患者様にとって、前歯が取れたことは、アクシデントだったとしても、その後訪れた医院で、
あるドクターから心からの対応を受けたことはサプライズな出来事になるかもしれません。
こんな素晴らしい歯科医師がいるなんて」と思っていただくことも可能です。

まだ若く技術に自信がないから、患者様を満足させることが出来ないのではありません。
また、出来ない理由を挙げてはいけません。

技術で勝るドクターより、出来ることを見つける努力をして下さい。 あなたの日頃の積極的な姿勢なら、必ず出来ます。 あなただから出来る心からのもてなし、 あなたしか出来ない心配りをして下さい。

そして「あなたがいるからここに来ています」という、あなたのファンに出会って下さい。

                                       いつまでも応援し続ける 寄田幸司

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