《乳歯のむし歯によるトラブル》
生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には、むしば菌は存在しません。
むしば菌は、乳歯がはえ始める頃から3歳位までに
親からうつりやすいといわれています。
むしば菌は口うつしで食べさせることで、うつりやすくなります。
唾液に混じったむしば菌が、スプーンを介して赤ちゃんのお口に
うつってしまいますので、スプーンなどを赤ちゃんと共用するのはやめましょう。
2〜3歳までに、むしば菌が子供の口の中に棲みつかなければ
将来むしばになる可能性を、大きく減らすことが出来ます。
ただし、赤ちゃんの健やかな成長のためにも、スキンシップは大切です。
むしば菌をうつす可能性を減らすためにも、ご家族の方や祖父母の方の
むしば菌を減らすことが大切です。
むしば菌を減らすためには、虫歯を治療したり、歯磨きを丁寧に行う
キシリトールを習慣的に取り入れる等の方法が、効果的です。
◆乳歯がむし歯になると…
食べ物がしっかり噛めなくなり、偏食になることもあります。
また、前歯が無くなると、うまく発音が出来ません。
さらに、永久歯の歯並びや歯質にも影響を与えることがあります。
◆歯並び…
乳歯のすぐ下では永久歯が育っています。
永久歯が成長すると、乳歯の根は徐々に吸収されて短くなり
正しく生える場所に、永久歯を導きます。
もし早い時期に乳歯が無くなってしまうと、隣の乳歯がすき間に
寄ってきて、永久歯は正しい場所に出る事が出来ず
歯並びに影響してしまう事こともあります。
◆永久歯の色や質…
ひどいむし歯になって乳歯の周りに膿がたまると、永久歯の色が
部分的にくすんだり、質の弱い歯になってしまうことがあります。
むしばになるのは「歯磨きをきちんとしないから」だけでなく
生活リズム、とくに食生活と大きく関係しています。
《むし歯を防ぐには》
●「食べたら磨く」を習慣的に行う
食べかすが残っていると、口の中の細菌が食べかすを利用して、むし歯や
歯周炎の原因をつくります。
●正しい食生活
頻繁な間食、ながら食べやダラダラ食べを続けていると、お口の中は
酸性の状態が続き、むし歯になるリスクが高くなります。間食はなるべく
控え、決められた時間に食事をする等規則正しい食生活を心がけましょう。
また、唾液の働きなどによってお口の中をきれいにしておくためにも
お口を閉じてよく噛んで食べる事も大切です。
●フッ素
フッ素には歯を強くする、初期のむし歯を再石灰化するなど、むし歯予防の
効果があることがわかっています。
前歯が上下はえてくる1歳頃に、歯科医院でフッ素塗布をして、その後
年に数回行うと効果的です。4歳を過ぎてうがいができるようになったら
フッ素配合歯磨き剤を使用するのもよいでしょう。
●キシリトール
キシリトールを使用するとむし歯予防に大変効果的です。
むし歯菌はキシリトールを糖と間違えて取り入れますが、酸を作る事が
出来ず、次第に活性も弱まり、数も減っていきます。
また、キシリトールの甘さによって唾液の分泌が促進され、お口の中を
浄化し、歯の再石灰化を助ける働きもあります。
●定期健診
むし歯予防とお口の健康のために歯科医院で、定期健診を受けましょう。
乳歯のむし歯は進行が速いため、むし歯になってしまう前に早期の健診を
受ける事が大切です。永久歯は、はえかわることはなく一生使うものです。
そのため、むし歯を未然に防ぐ事が大切です。
最初に生えてくる永久歯(6歳臼歯)は、生えたての時期は、手前の乳歯
よりも一段低くて歯ブラシが届きにくく、溝が深いため汚れもたまり
やすいです。とくに気をつけて磨きましょう。
参考・引用
株式会社ロッテ『親子ではじめる歯の健康miniブック』
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